就業体験生がやって来た

先日、県内の高等養護学校の先生が工房にやって来られた。学校行事として就業体験プログラム(就業前能力養成事業)があり、モノづくりが得意な生徒に工房で木工の仕事を体験させてもらえないかとのお話であった。二日前後ならお手伝い出来そうとお答えしたところ、押しの強い先生(?)から1週間5日間のプログラムなので、という事でお受けする運びとなった。

ひとりで切り盛りする個人工房で、決まった仕事がいろいろとある訳ではないので、工房にある道具や機械を使っての仕事内容やいろいろな木の特徴なども話しつつも、基本的には手道具の使い方の練習と簡単な木工をやってもらうプログラムで進めることにした。

17歳のN君は、趣味が鉄チャンということで電車の事なら何でも来いで、あちこちの鉄道に乗ったり、交通博物館に行ったりはもちろん、自分で電車や汽車のペーパークラフトを自分で設計して組み立てるという猛者であった。で、今週月曜日がその第1日。

工房の機械も道具も危ないものだらけ、という安全についての注意事項を説明したのち、早速鋸とノミの実習スタート。教材は、昔訓練校でやった木の馬づくりである。この木の馬、なかなかうまく考えられていて、縦ノコ・横ノコ・斜めノコの練習、それにノミの練習も出来るという打ってつけの教材である。

鋸もノミも使ったことがないらしいのだが、鋸の基本の力まずにまっすぐ前後に鋸を動かす事が最初から上手に出来るのでビックリ。いい鋸は、鋼材が固いのでヘタクソに木を切ると簡単に鋼が割れてしまうので、ホームセンターの鋸を使ってスタートしたのだが、しばらく練習したら上手に使えて来たので迷わずいい鋸と交換して使ってもらった。昔、訓練校の授業で鋸を使った時の仲間の誰かさんより、はっきり言ってウマい。

という事で、月曜の就業時間中に無事完成。火曜日にも2匹目の馬を作って作ってもらって、今日からは鉋の実習。南京鉋と平台鉋を使ってのスツール製作に挑戦中である。