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木工教室募集開始のご案内

以前から時々リクエストをお聞きすることのあった木工教室をスタートいたします。先月は、旋盤で作る手作りボールペンをやってみたいという女性のご希望があり、半日コースでやってみたのですが、それもきっかけになりました。この7月、草津のコミュニティFMに出していただいた際にもパーソナリティーの方から教室はやらないんですかと聞かれて、秋にはスタートしたいと勢いで公言したこともあり、ようやく実現にこぎつけたともいえます。

とはいってもどうやって進めればいいか、やってみながら試行錯誤ということになるのかも知れません。取りあえず、単発の教室と継続的な教室のふたつでやって見てみたいと思います。単発教室では、ボールペンづくりやスプーン、カッティングボードなどの一日で出来るものとか簡単な家具を数回で作るイメージを描いています。継続教室は、文字通り継続して決まった日に工房で木工基礎から勉強してもらって、最終的にはご自分でデザインした家具を手工具と木工機械も使いながら作ってもらえることを目指したいと思います。

私自身も独学の日曜大工からスタートして、木工教室で教えてもらったことがきっかけとなり、やがて職業訓練校に行き、ついには大型機械を備えた工房を開設したという経験を経てきましたので、木工をやってみたいという方の手助けが出来れば、たいへん嬉しいことです。

先日おわった匠の祭で配り始めようと、その直前に急きょ作ったパンフレットがこれです。

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歳末大掃除と機械整備

2016年もあと数時間。 30日に今年最後の仕事として椅子修理を終えて無事に引き渡し完了。その後、木屑や木の粉がそこいらじゅうに散っている工房内を普段より丁寧に掃除。最後の最後は、自動鉋主軸のベアリング・オイルバスの潤滑油交換。 工房オープン前に中古機を購入して以来、補充は時々したもののそっくり入れ替えるのは実は初めてである。バス下の金属ドレインを外して下に受けたプラスチックコップに抜き取った後、新しいオイルを規定量注ぎ込んで無事完了。 2年少しの運転で(述べ時間にしたら大した事ないですが)、オイルはすっかり黒ずんでいた。 ということで、今年の工房作業完了です。

今年1年間大変お世話になりました。良い年をお迎え下さい。

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携帯顕微鏡を買った

昨日の竹中大工道具館での刃物研ぎ講習会で携帯顕微鏡なるものに触れた。刃物先端の研ぎ具合など無論目では見えないので軽く指先で刃物に触れゾワッとする感触(?)を確かめた上でこれまでは手の甲の毛を剃ってみたり、紙切れで切れ具合を見るのが習性だったが、初めて小型顕微鏡なるもので覗いてみてすっかり気に入った。目には鏡のように見える刃先も顕微鏡で見てみると、研いだ痕跡や微小な刃の欠けなどがしっかり見える訳である。という事で講習会から戻った夜に早速Amazonに注文してしまった。講習会で使われたのと同じ機種を買うつもりだったが、さらに評価の高い同様な携帯顕微鏡があったので、そちらを選択。驚きの1600円。 きょうびのネット通販、夜中の注文も驚きの翌日配達である。カメラ好きの人なら聞いたこともあると思うがケンコーという日本の会社のものである(生産はむろんChina だけど)。 値段の10倍以上よく見えるのである、これが。

img_6805  LED照明も付いて60~120倍ズーム

家に転がっていた鉋(切れないので捨て置いていた)の刃先を見てみるとこんな具合である。上から1/4ぐらいのところに刃の欠けがしっかり見える。この刃で鉋掛けをするとこの欠けによって鉋屑が1枚にならず2枚に分かれるのである。この小さな投資で研ぎの腕アップ間違いなし、かもね。

img_6816  iPhone のカメラレンズで覗いて無理やり撮影

調子に乗って、ティッシュペーパーを見て見たり、液晶画面を見て見たり、木の表面を見て見たり子供に戻ったかのようである。液晶画面の撮影は、顕微鏡とスマホを手で支えながらなのでピンボケばかりだったが、しっかりRGB画素が見える。オモロイ。孫たちへのクリスマスプレゼントにいいかも。

img_6814 東芝レグザ。画素って複雑な形なんだ。

自分の顕微鏡なんて、中学の頃親に買ってもらって以来か? 半世紀ぶりという事になる、ワハハ。

工房の来客・額縁

8月に入って立て続けに珍しい来客があった。家具の注文ではなく、進路として木工をやろうとしている30歳前後の若い方達である。ひとりは、高山の職業訓練校で木工修行中で卒業後の進路について思案中の若者が工房の見学を兼ねて来てくれた。今日来てくれたもうひとりは、インテリアの設計会社に勤めながら今後の進路を考えるうえで訓練校に行って職人の技量を身に付けるべきかどうか悩んでいるとのこと。 彼らにアドバイスできるようなこの分野における知識も経験もないのだが、ここ数年それなりにこの分野の知り合いを得たり個人で家具を作ってひとにそれを買ってもらうという事の入り口付近をさまよっている身として、あるいは送って来た人生の長さゆえの幾分の経験を踏まえて少しは参考にしてもらえばと喜んでお迎えした次第である。息子たちとほぼ同年輩の彼らにホンのわずかなりでも役立てればこんな嬉しいことはない。このホームページ、アクセス数は極めて少数ながら、検索で見つけたうえはるばるやって来てくれる人が少しでもいるという事が分かって、これまた感激ではある。

一方、こちらは製作中の額。

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ふたりの方からの依頼で製作中。細長い方は、個人写真集のお気に入りのページを開いた状態でこの額縁に入れられる深い額縁。 もう一方は(まだ45°で切っただけの状態)、自分で描かれた絵を入れて飾るための額。もう少しで完成予定、どんなサイズでもどんな木でもご希望の枠デザインでお作りしますよ、と少し宣伝。

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ちなみに、こうやって45度で切ってまた裏面に溝を入れます。

家具展を終えて

3日間の家具展が終わり、昨日無事滋賀に帰着。大勢の出展者の方々と知り合うことが出来、数多くの刺激をもらった。日常生活では、家具の作り手同士で木工談義が出来る機会など滅多にないので貴重な機会。息子世代に近い若い木工家も大勢出展されていて、それぞれ個性ある特徴を出した木工品を出展されていて素晴らしい。去年までと違って、見て回る時間が限られているのがすこぶる残念ではあった(自分のブースにいないとね)。 また、期間中には家具の大家・重鎮といわれる方々の講演を聞く機会があったり、出展者同士の懇親会があったりとホントに充実した時間を送ることが出来た。

普段は、日にひとりの来訪者があればいい方という生活から日に数百人がやって来る家具展というものの想像もつかなかったが(身勝手な期待をしてしまったけど)、改めて現実は厳しいという事も学んできました。考えれば当然のことながら個性あふれる家具や木工品がおよそ40工房分ひしめき合って展示されている中で足を止めてもらい、更に家具を見てもらってさらにその上購入を決断してもらうなんて奇跡のような出来事な訳です。ということで手作りボールペンなど若干の小物を買っていただくに留まりました。

そんな中でも、ウォルナットの小机に興味を示してくれた人が数人(寸法をチラシに記入してくれた人がひとり)、収納棚を見て3段の引き出しタンスの見積もりをしてくれた方がひとり。数年後(?)の奇跡につながることを夢見るぐらいは許されるかな?  3段タンスは、図面を書いて材木も想定して見積りを送らせてもらえるので頑張らねば。

ここしばらく、家具展準備のために納品が遅れたり、注文いただきながら製作に入れなかったりした皆様に改めてお詫びします。今しばらくのご猶予をお願いいたします。

IMG_5884 さあ、搬入開始

IMG_5893 並べ終えた

木工家ウィーク2016 親睦会 懇親会後の記念写真

IMG_5869 ウォルナット小机(工房で)

家具展に初挑戦

昨年4月に工房をオープンしてあっという間に丸一年経過した。この間、工房に来ていただいた方々や勇敢にも家具を依頼してくださった皆様にお礼し尽せない思いです。 改めてお礼申し上げます。

実は今回、家具展に初めてエントリーして初出展させてもらうことに決まったので報告します。趣味で週末木工していた何年も前からほぼ毎年のように見に行っていた「木工家ウィークNAGOYA」というかなり大規模な合同木工展の10近い企画のひとつの「木の家具40人展2016」という催しです。今週、パンフレットやDMハガキも送られて来て同時に緊張感もやって来た。ちなみに審査に合格したとかそういうのではなくて、早い目に申し込めば参加できる、ということです念のため。

DM裏

「木の家具40人展2016」というのは、毎年常連で出展されている超の付くベテランの方から、若い方まで総勢40人の家具作家兼職人が一会場にブースを並べて見て回れるという見ごたえのある家具展です。別会場では、同時に別の椅子展などの企画もあり、とても一日では全部見て回れないほど大規模な合同展です。滋賀在住の方は、関西文化圏のひとつということなのか京阪神に出掛ける機会は多くても名古屋に行く機会は概して少ないような気がしますが、(新)快速を2本乗り継げばすぐ名古屋です。手作り家具に興味の或るかた方、興味はないけどヒマのある方、是非どうぞ。

「木工家ウィークNAGOYA」のホームページはこちら

「木工家ウィークNAGOYA」パンフレットはここ

ところで出品する家具や木工品、いくつかのの在庫品以外は、まだ製作中とか図面だけとか前途洋々(むしろ多難というべき)。 気合を入れねば>自分。

 

「飛騨の家具フェスティバル」

今年も9月2日から高山市で開催された「飛騨の家具フェスティバル」の見学に行ってきた。 高山には飛騨産業や柏木工、日進木工、シラカワなど全国展開している大手家具メーカだけでなく、中小家具メーカーも数多く存在し、さらに木工学校を卒業しメーカーや工房で修行した後個人で開業している個人工房も数多く集まる稀有な街である。このフェスティバルにはその個人工房から大メーカーまでが、ひとつの会場に揃って家具の展示をしているので大変おもしろくかつ勉強になるのである。競争しているのは、事実かと思うが、同時にうまく助け合って共存しているところを目の当たりに感じる。飛騨の家具という共通ブランドを立ち上げて認定にパスした家具にそのタグをつけるなど大した仕組みである。新作家具も多く出るし、社によってはショールームを新築したりと概して各社も個人も大変元気である。見習わねばならぬ、と思うだけでも行く値打ちがあろうというものである。

家具フェス2015

太鼓台改造

近江八幡在住の和太鼓奏者でかつ自らの和太鼓教室で子供から大人まで教えている方からの依頼で太鼓台の改造を行った。

演奏時の太鼓の位置が高すぎるので低くしたい、合わせて脚先にキャスターを取り付けて移動を容易にしたいとのこと。X字状の脚をただ切り詰めるだけでは足元が狭くなりすぎて不安定になりそうだし、そのまま太鼓を乗せる保持板の位置を下げると太鼓が乗らなくなる。ということでX字の角度を開いた上で更に保持板の位置を下げ、キャスターを取り付けても太鼓位置を目標高さまで下げることとした。角度変更と保持板取付位置変更のさじ加減が微妙で苦労したが、何とか目標通りに改造完了。デジタル角度計があればこその改造作業だった。

実は、8月30日に近江八幡和太鼓フェスティバル第1回が安土で開催されるとのことリンク先はここ。パンフレットによれば、あづち信長出陣太鼓、近江太鼓団 UZUMAKI、ひむれ和太鼓教室生 中級クラス、湖鼓Ro、ひむれ太鼓、八中太鼓といったグループが出演されるらしい。恥ずかしながら私にとって初の和太鼓コンサートでもあり楽しみにしている。好評で入場券売り切れらしいが、参考まで。

太鼓台C

太鼓台A  (改造途中・前)

太鼓台B (改造完了)

 

 

竹尺工場訪問

忍者で有名な滋賀県甲賀市に日本で唯一竹尺を製造している会社があると聞いて、その岡根製作所をきょう訪問してきた。近所の方にその存在を教えてもらったのだが、当然ながら竹が材料なので工場中竹材だらけ。竹尺工場には家具作り用と同じような機械も多く親しみを感じた。小は携帯ストラップの数センチの竹尺から大は2メートルのものまで品ぞろえ豊富。高速のサービスエリアでもお土産用として売られているのだとか。

当たり前の話だが、工房で定規を使わない日はない。15cmの短いものから1メートルのものまで各種直定規やいわゆるサシガネ、全部金属製だが10本以上はある。特に15センチの短いものは、機械のそばで使ってついそこに置きっぱなしになり、必要な時すぐに見つからず作業リズムを乱すこと甚だしいので今では4-5本に増殖してしまった。

そんな訳で竹尺と聞いただけで興味をそそられるのである。丁寧な手作りで一本一本仕上げられているにもかかわらず求めやすい価格なので、自分用と工房の土産物用として15センチの短いものを30本ばかり購入してきた。工房の名前も特注で入れてもらえるが、数がまとまらないと名入れ費用が竹尺より高くなり、工房名は自分で焼印を押すことにした。

合わせて1メートル竹尺を1本購入。金属製定規は1メートルにもなると結構厚くて重くなり、うっかり材木に定規の角が当たると木にザックリと傷がつくことがある。竹製だと軽い上に木と同じような硬さで傷もつかないに違いない。

竹尺  岡根製作所

 

木工家具展@名古屋

名古屋中心部の複数会場で分散開催中の「木工家ウィークNAGOYA」という家具展に来ている。 今年で8回目らしいが、多分4-5回は来たかと思う。 メイン会場だけでも40人展として40人もの個人木工家が一堂に会する大規模な家具展で、2日間では全会場を見て回るのも困難なほどである。著名な大家から新進若手作家まで、或いは伝統的家具から冒険的先進家具さらには木製ロボットまで幅広い。 家具界を学問面からリードして来た元教授や超ベテランの家具作家達が、ボランティアで手作り家具の後進をそだてようと活動されている姿を目の当たりにして、いささか感動した。 土曜夜のフォーラムに参加して禅と整体にヒントを得たという椅子作り名人の講演は実に面白かった。若い人たちも含めて手作り家具の分野でこんなに大勢の人達が頑張っているのは、日本が世界で一番だという話も納得出来る気がした。何回も来て顔見知りになったり、facebook の友達にしていただいた木工家も。 年齢的には、後進を支援する範疇になる気もするが、開業2ヶ月では、その後進のまだ背後でもがいているのが現実である。

木工家ウィーク NAGOYA