工房開設以来最大規模の受注となったのが 、ソメイヨシノのボールペンづくり。総数300本以上という工房にとってはとんでもない数である。いくら何でもひと月やそこらでは作り切れないので、話を聞いたとき一瞬悩んだのだが納期を半年ほど頂けると聞き、有難くお受けした次第である。
事業拡張で事業所の桜を切らねばならなくなり、それを使って何か記念品を関係者に配りたいという事から話がスタートしたと聞いている。何種類かのペンの試作品を提出して、ついに先月正式注文となったのである。
という事で切った桜の木を板状に製材した後、充分乾燥するのを1年近く待って、ようやく届いた材がこれである。表裏鉋掛けをした後、棒状にカットして木取り完了。
更に穴をあけて真鍮パイプを接着すれば、ようやく旋盤に掛けられる。角棒を丸く削って、次にペン状にカーブを付けて仕上げていく。同じ樹種で連続してこんなに沢山のペンを作るのは、もちろん初経験。いやでも刃物遣いがうまくなっていく(ような気がする)。
という訳で、この作業延々と年明けまで続くはず。最後の頃には目を閉じても出来るようになっていることだろう、なんてことはないか?