機械室

工房開設にあたって、従来自宅工房で使ってきた木工機械に加えていくつかの木工機械も導入し大型家具製作に必要な機械類を揃えた。主なものを以下に紹介したい。最初はまじめに書いていたが途中でヤになったので駄文の色濃いがご容赦を。

● 機械室全景

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● 手押しかんな盤/Jointer (木と木をjointするために平らにするから?)

板材の片面をカンナ掛けをする機械。 またその平面に対し直角面も合わせてカンナ掛け出来ます。定盤上を手で木材を送るので手押し。因みに昭和52年製、鋳鉄の塊とモーターのみから構成されていて今風のコンピュータ搭載もなく寿命は半永久的? 刃物は定期的に研がないといけません。2枚目の写真は、工房のすぐ近所にある機械屋さんで購入したのだが、その際小型クレーン車で運び込む様子。体重、約650kg。なので移動、全く不可能。

image <太洋製作所 SHP-400>

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古くてもいいものはいい、と書いたものの古さを隠せないのが安全思想。刃のカバーの下では高速で回転する刃が3枚付いていて、さすがに当時からJIS でも定められていて安全カバーは付いている。しかし電源スイッチがダメ。ロータリー式のスイッチが取り付けられていて、かがんで手でスイッチを回転させないと電源操作できない。カンナ掛けの最中に何か恐ろしい事態が起きた時など、とっさに電気を切る工夫がないのである。と言うことで購入直後に押しボタン式のスイッチと交換してその上に手作りの大きな非常停止パネルを蝶番でぶら下げた。これで恐ろしげな場面で膝で蹴れば取りあえず遮断可能。精神的な怖さが少し解消。ホントは停電時の安全なども考えて電磁開閉器などあればいいが(アメリカ仕様の他の2台にはついている)、それはまたいずれ。

手押しSW1 手押しSW2

<2016/4/03 追記>

その「またいずれ」の機会がようやくやって来て、電磁接触器とその操作用スイッチに交換しました。 今後は停電時にはリレーの働きで電源が落ち復電してもモーターが回転再開することはなくなりました。

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<2016/10/07>

4月に取り付けたパナソニック製の操作用スイッチだが、OFFスイッチに軽く触れるだけで電磁接触器が作動して、はなはだ具合が悪く、今度は丸型ボタンスイッチに再度変更。スイッチ板もついでに新調して黒く塗装。やっとこれで最終形。

● 自動かんな盤/Planer (文字通りカンナ掛け機)

手押しかんな盤で平面出しをした面を基準にして反対面を平行平面にカンナ掛け。こちらは、板が自動的に送り込まれるので自動。これは、近所の機械屋さんで気に入ったのが見つからず、はるばる静岡県の機械屋さんからやって来た。調整箇所がいっぱいあって、いずれ頭を悩ませることになりそう。昭和55年生まれ、体重730kg 、工房一番の巨体。

この機械屋さんのホームページには「お客様の声」という欄があり、頼まれて短文を寄せたことも恥ずかしながら白状しておく。ついでに白状すると「木工房 YZ」と言う名称は、この声欄への掲載時に苦し紛れにひねり出したのです。

image <桑原製作所 KU-H18 DX>

● バンドソー/Band Saw(帯のこ盤)

趣味で木工を始めてから一番最初に買ったアメリカ仕様の大型機械(アジア製だけど)。アメリカは本格的な日曜大工が多分日本の何百倍も盛んなのでかなり本格的な機械も驚きの低価格(日本で調達するプロ用と比べればね)。通販も盛んでカタログを見るとその価格設定によだれも出るが、残念ながら何百キロもある機械は運賃が本体より高いのでギブアップ。これは、輸入機械をほぼアメリカ並み価格で販売する数少ない日本のお店で購入。

直線切りも曲線切りもOK、薄板から厚さ30cmの厚板・丸太まで何でも来い。輪になった刃物がくるくると上から下に動くので極めて安全(木が飛んで来たりしないので)。5月にモータを単相200Vのものから三相3馬力のに心臓移植。 ようやくブレーカーが飛ばなくなった。

image <Laguna LT14 3000 series>

● テーブルソー /Table Saw(日本の横切り盤とか軸傾斜盤というのとまあ似たようなもの)

これもバンドソーと同じようにアメリカ仕様のアジア製。ホームセンターでも売っている丸のこ盤の大型版と言った方が分かりいいかも。定盤の下から飛び出た丸鋸刃で直線状に切る機械。非常に精密な切断が可能(長さや切込み深さを0.1mm単位でコントロール可能)、刃を真上向きから45度傾斜まで自由に設定できるので、額縁の四隅のように45度ドンピシャで切るのも一発(45度ドンピシャの傾きに設定するのは何発か試し切りしないといけないけど)。最大の難点は、怖いこと。まだ経験していないが、うっかりフリーハンドで切ったりしたら3馬力で回る刃物に木が引っ掛かって操作者目がけて飛んでくる、らしい。なので安全には一番気を付けている。便利と危険は背中合わせと言う人生の教材ともいえる機械ではある。

アメリカ製の最新鋭のテーブルソーは、刃に指が当たったことを検知してその瞬間にアルミブロックを刃に食い込ませて停止させる、その名もSawStop という。指先1-2ミリを切ったぐらいで急停止するらしい。いつの日か儲けが出て新しい機械に振り向けられる日がやって来たらそいつと入れ替えたいものだ。

image <Spoke shave MH110LG ≒ Laguna Platinum>

● 角ノミ盤/Mortiser

ほぞ穴(mortise)を掘る機械。以前は、ドリルで丸穴をあけておいて手ノミでこつこつと掘っていたが、この機械のお蔭で今ではあっという間に完成。とは言っても意外とガサツな穴(見えなくなるから困らないけど)。 丸いドリルの刃の周りを四角の刃物が囲んでいて丸く掘った直後に力ずくで四角に押し切るというやや強引な加工法のため。1センチ角足らずの穴を掘るのにこんな重厚長大な機械が必要と言うこと自体、納得いかない。納得いかないが、手で何十個もほぞ穴を掘りたくないので仕方なく購入。ちょっとの差で最年長(工房主は別として)、昭和51年生まれ。

image <常盤工業 MH-30A>

後になって角のみ盤にもインバーターを取り付け回転数コントロールを可能にした。大きな寸法の刃物は少し回転数を落として木を焦げにくした。 因みにこの黒い板の後ろにインバーター出力のコンセントを取り付けたので、グラインダーを使うときは、差し替えてグラインダーの回転数調整も可能。 さらに後日ブレーキ抵抗も取り付けたので、慣性が大きなグラインダーも急ブレーキを掛けたように速やかに停止可能となった。

角のみ盤インバータ2

● ボール盤/Drill Press

言わずと知れた穴あけ機。ホームセンターで昔買った日曜大工用のボール盤は回転軸に遊びがあって押すとガタガタ動き、とても精密穴あけが出来なかったので何年か前にヤフオクで落札したもの。 これまた凄く古そうだが、さすが産業用機械、ホームセンターのと比較にならないほどがっちりして正確な穴あけが可能となった。因みに木工で掘る穴は一定の深さのものが多いので掘った穴の深さをコントロールしないといけない。ハンドルの横に目盛りが切ってあって深さが計算できるように工夫されてはいるが、刃先が木の表面に当たった時の読みから掘る深さ分を引き算してその数字になるまで押し進める必要がある。この計算がどうも苦手。苦手を克服するのは、鍛錬で苦手を苦手としない手と全く違ったアプローチで苦手を追っ払う手があるが、当然後者。というわけで安直に安価なデジタルノギスを(Amazonで驚きの850円、送料無料。こんな価格設定許せん)強力磁石で貼りつけた。木の表面に接したところでゼロリセット・ボタンを押せば、ノギスの目盛りがそのまま穴の深さ。実用珍案取得したいほど便利。

ボール盤

ボール盤ノギス <遠州工業 ESD350S>

<追加 15年8月>

ボール盤インバーター化のために元の100Vモーターを取り外してヤフオクで落札した三相200Vモータに載せ替え、やはりヤフオクで調達したインバーターを取り付けた。ボール盤は、ドリルサイズに合わせてベルトを掛け替えて回転数を変える必要があるが、改造後はツマミを回すだけで600~3000回転まで無段階に変更可能。回転数もデジタルメーター直読である。スイッチはドリルを押し下げるレバーの先に取り付けているので右手だけでドリル押し下げと電源入り切りが出来るという次第。

インバーター化

● 集塵機

これなくしては、工房は木屑に埋まってしまう。集塵配管は、結構大変だったが工夫のかたまり。 偉大な発見は(と自分では思っている)、配管に紙管を使ったこと。 何が優れているかと言えば、優れたことだらけなのである。 ①安価であること。 ②切断するのに木工機械で即切断可能、文字通り紙のように切れる。金属管だと直径10センチをひとつ切るのも結構大変。さらに、③太さの規格が集塵パーツとドンピシャであること。塩ビのパイプと言う手もあるが、微妙に太さの規格が合わない。おまけに④静電気が発生しない(金属管はさらにいいだろうけど)。と言った具合である。過去、塩ビ・鉄・アルミ蛇腹管・プラスチックホース(高価)といろいろ試行した中での到達点である。欠点はちょっと貧乏くさいこと、接続部のテープを貼り直すと表面の化粧紙(?)が剥がれて破れ傘のようになってしまう。

もう一点は、集塵機の遠隔操作機能の実現。集塵機は、単体で運転するのではなく必ず木屑を発生する機械での加工中に同時に使わないといけない。加工機械の電源を入れたり切ったりするたびに集塵機のところまで行って電源を操作するなど、面倒でやってられない。ということでリモコンが欲しくなるわけである。これは家庭用の赤外線リモコンで100ボルトのコンセントの入る切るができる機器をAmazon で発見したので、これを利用。以前は秋月電子のソリッドステートリレーとこのリモコンを組み合わせて使っていたが、これは100V用。今回の集塵機は三相200Vなのでわずかな知恵とGoogle 博士の助けを借りて 、電磁接触器なるものと先のリモコン機器を組み合わせて無事完成。2枚目の写真右上のように100均のプラケースでホコリ除けまで実現。素晴らしい、と自画自賛。

集塵機1  <協和製作所 KAZ-3CS>

集塵機2

● 旋盤

旋盤も家具作りに欠かせない。引き出しのつまみを作ったり、椅子の丸脚を加工したり、時には皿やボールペン・万年筆、また積み木の丸棒製作にも。数年前に手前の旋盤を先に購入して、ペン類・食器の製作からスタートした。旋盤加工の何がいいかと言えば静かな加工であること。音の静かな誘導モーターを使ってただ回すだけなので無音に近い。なので住宅街の中でも時間の制約なく使えた。 しばらくして、椅子の丸脚を作ろうと思ったが寸法が足りなかった。仕方がないので、長尺用に奥のを2号として手に入れた。旋盤本体は、趣味で買う人も多いからか海外製の量産モデルなど高いものではないが、加工用の各種刃物や材を保持するチャック、はたまた専用の研磨機と次々と必要なものが出て来る。日本の木工は、安全面への配慮が非常におおらかで訓練校でも同様だったが、アメリカのビデオや教本を見ると必ず安全用に面(face shieldですね)を付けることになっている。独習時代は海外の教材が多かったからと言う訳でもないが、荒材が丸くなるまでの荒彫り時は必ずお面を付ける。因みにアメリカのビデオを見ると木工機械を使う際は、必ず安全眼鏡を掛けて騒音の出る機械だと防音具(音の出ないヘッドフォーンみたいなものとか耳栓)が必須である。まあ、訴訟大国なのでビデオの通りにやってケガでもしたら訴えられるというお国柄のせいでもあるのだろう。もう一枚の写真は(今は)旋盤専用の小型集塵機。これがないとサンディング時など木の粉を肺に吸い込むことになる。この集塵機、フルパワーだとやたらうるさくてやる気も無くしそうになるので秋月電子のトライアック調光器キットで回転数が調整できるように改造済み、ではある。

旋盤 <KC-14 と 60100G (Steel City)>

集塵機小

● ルーターテーブル  <8/20/2016 追加>

記載漏れに気づきつつ長く放置したが、ようやく本日追加。

Porter Cable 社のルーターを自作のテーブルに取り付けたもの。ルーターテーブル用にルータを取り付ける金属プレートが幾つも市販されているので適当なものを選びそれを活用している。このモデルは、テーブル取り付け用機構一式もセットになっていて、ルーターをテーブルから取り外すことなくテーブル上面からハンドルで高さ調整が可能となっているのでそれをそのまま活用している。同時にもうひとつ集塵機構付きのベースもセットになっていてモーター部分を付け替えることが可能である。もっともルーターテーブルは、結構頻繁に使用するのでひとセットはテーブル取り付け専用機となり、手動用にもうひとセット追加購入してしまった。

IMG_4634 Porter Cable 895PK

テーブル上面からみると下のようになっている。プレートの穴から付属のハンドルをルーターに差し込み回転させると上下に高さ調整できる仕組みである。 ビット交換もルーターを最上部に上げた上で、テーブル上面からスパナを用いて行うことが出来る。

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市販のピンクのアルミプレート(ルーターテーブル・プレート)は、四隅にイモネジを取り付けて高さ調整が可能でテーブル面の段差をなくせるような設計にはなっているものの微妙な段差がどうしてもなくならず、小物を加工する際にはこの段差が障害になるケースがあり結局、通常は更に上に1枚のMDFパネルを乗せて利用している。

テーブル内部とビット奥のフェンスの二ヶ所で集塵できるように配管しているので、ほとんどカット屑も出ない。この自作のテーブルを作る前には、市販の小さなテーブルを使ったこともあったが、この自作テーブルの方が操作性・集塵性・大物加工への対応などあらゆる面で使い勝手がいいとほぼ満足している。

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