集塵機モーター修理顛末

寒波の訪れとともに集塵機のモーターからガラガラという異音が聞こえ始めた。実は昨年の冬にも同じ現象が発生し、購入先の機械屋さんに相談してモーターのベアリングの摩耗によるものとわかっていた。だが、温かくなれば消えることも多いと聞き、事実3月になったらすっかり通常状態に戻ったのである。この冬は暖冬で好調さが続いていたのだが、年を越して寒波がやってきたせいで再び異音が始まった。そんなわけで一年越しの意を決して、ベアリング交換をやることにした。

早速モーターを取り外そうとするも巨大な鉄製の羽根車がモーター軸と固着して全く外れてくれない。羽根車をプーラーで引き抜こうにも引っ掛けるところがない。これは設計がイカンでしょと愚痴を言いながら親切な機械屋さんのアドバイスに従って集塵機の一部をモーターがつながったまま分解し水平な台に据えてモーター軸を渾身の力で叩いてようやくモーターから外すことが出来た。で、モーターの分解に移るも今度は冷却ファンがやはり抜けない。こじっても軸を叩き込んでもビクともしない。不安に感じつつギアプーラーで抜こうとしたら案の定アルミ鋳物のファンが割れてしまった、トホホ。割れてしまえば諦めも付いて木の楔を叩き込んでようやく引き抜き成功(失敗だけど)。

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あとはモーターをばらして、ベアリング交換。前回(グラインダーのベアリング交換)同様、木の治具も使って引き抜きは容易。新しいベアリングは、これも前回同様袋に入れてポットの熱湯で温めれば、手でスコンとはめ込むことが出来た、やったね。

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分解ついでに錆も落として全身ペンキをスプレーすれば一見新品同様である。というわけでモーター修理完了。モーターに通電しながら回転軸を少しサンディングしたところ羽根車もスムーズに手で挿入可能となった。元通り組み立て直し試運転してみるとバッチリ静かになってめでたく修理完了!!!  ただし、冷却ファンがないので夏までに木製ファンを作るか代替品を入手せねばならない。

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実は、冷却ファンについてはサイドストーリー(?)がある。モーターの銘板に製作会社名が書かれていたのでその会社のホームページの問い合わせ欄からファンの供給をお願いしてみた。親切にも電話があり、20年以上前のモデルだが探し回った結果在庫が見つかったとのこと。ただし、直接販売できないので集塵機メーカーを通してくれとのこと。仕方ないのでまたネットで検索して今度は集塵機メーカーの営業所に電話すると再び直接には販売できないので購入した機械屋さんを通してくれとのこと。ということで再び機械屋さんに電話して事情を話し快諾を得た。これで一件落着と思っていたらしばらくして機械屋さんから見積額の連絡がきた。直径10cmほどの小さな冷却ファンが、な、なんとウン万円。この機械屋さんから中古で買ったこの集塵機の半額ほどである。冷却ファンなんて無くても多分大丈夫だし、発注掛けてないからキャンセルしますか? と優しい機械屋さんは言ってくれる。電話口で1分ほど悩んで(2分掛かったかもしれない)、結局キャンセルしたのである。需給バランスが価格を決める、とはわかっているが工業製品である、骨とう品ではない(多少、近いかも知れないけど)。前回も書いたが超高精度のベアリング、今回のデカい方なんぞ外径72mmもあるのが800円ほどである。こんな値段で売ってもらっていいのか、と思わず首を垂れる価格である。それと比べてこのファンの価格設定、英語で言えばunacceptable である。この二人(ふたつ)同じモーター内で2cmほど隣り合って力を合わせて働いてもらうわねばならないのに、いくら何でもそんな差別は許されない。というのが赤字工房経営者の屁理屈であり、意地でもある。

IMG_4019 お役御免パーツ