仏壇

以前の職場の同僚だったY氏からの突然の電話でそれはスタートした。同居されていた高齢の母上がお亡くなりになり、間もなく四十九日の法要を迎えるにあたって仏壇を用意したいとのこと。マンション住まいでもあり、仏間を決めて仏壇を置くことも考えたがむしろリビングルームにさりげなく新たなスペースを設け、日常生活に仏様との対話を溶け込ませたいとの希望であった。広いリビングルームの壁一面を占めるキャビネットのひと区画をあけるので、仏壇のように使える棚の製作を依頼したいとのこと。キャビネットのどの場所でどんなスペースにしてどんな棚を何の材で作るか、ご夫婦と相談の結果を図面にして、最終的にウォルナットを用いて完成したのが下の写真である。法要の二日前に滑り込みで完成し、設置直後に撮影させてもらった。明日には、仏像・仏具とともにご位牌が置かれることになる。

この方面の知識も礼拝の儀礼も極めて不勉強の身で、製作にいささかの躊躇もなかったわけではないが、天寿を全うされたご母堂様には天国から優しく見守っていただけているのではと想像した次第である。合掌。

仏壇