朴のエンドテーブル

昨年から頼まれていた小ぶりのエンドテーブルが完成し、2月にようやく納品できた。いろいろな樹木がある中で朴の軽さを気に入ってもらい材は朴に決定。朴は、昔から彫刻板などによく使われる強いツートンカラーの材できわめて軽く、どんな向きからの切削にも強いという特徴ある。

天板サイズが30cmx40cm のコンパクトなテーブルで足元をソファーに差し入れたり安楽椅子の隣に置いたりと自由な移動を前提にした使い方を希望されてのご注文である。1月になって本体の製作が終わり、塗装色の希望を聞いたところ部屋に合わせて濃色のオイルを希望とのこと。 念のため端材を使って何色かのオイルを塗ってみたところ、クリアー色だと普通にきれいに塗装できるのだが、濃色オイルでは、激しい塗りムラが発生してしまうことが分かった。外周寄りの白っぽい部分が特にオイルの吸い込みに ムラが出て、見た目にもよろしくないと分かった。オイル仕上げにはOSMOオイルというヒマワリ油を主剤にしたものを使うことが多いが、濃色オイルを幾つか試したが全滅。過去使ったことのある別銘柄のオイルやウレタンスプレーとかステインとか濃色のものばかり幾つか試し塗りをしたがどれもいまいち。最後に下地に木工用プライマーを先にスプレーして木への吸い込みを抑えてから塗装することでようやくムラの目立たない塗装が出来た。 写真は納品後に依頼主のご自宅でのもの。落ち着いた部屋ともマッチしたようで気に入っていただけた。

木によって全く異なる塗装仕上がりという難しさを改めて知った次第である。

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