新神戸駅から徒歩3分の好立地にある竹中大工道具館。同館への3度目の訪問は、大工道具の刃物研ぎ教室に参加するため。9月に申し込んだが、幸い一発で抽選に当選し今回参加OKとなった。我流での刃物研ぎは、もう何年もやっているのだが未だに正しいやり方なのかどうかサッパリ自信がない。3年前、高山の職業訓練校に通った際にも研ぎの授業はあったものの座学ゼロでとにかく実践あるのみというやり方だったので、それなりに研いではいるものの我流の感が否めず、ちゃんとしたやり方を是非学びたかったのである。
今回、5時間講習で講師2人に生徒は10人という構成。竹中大工道具館専属の研ぎ名人のしっかりした解説や質疑応答もあり、充実した内容だった。受講生それぞれが刃物を持ち込み、各人にひとセットづつ用意された研ぎ道具を使って研ぐ、という非常に贅沢な内容だった。一人ひとりには用意されていないものの、裏出し用道具類や台直しの道具、天然砥石を含む各種の砥石、丸のみ研ぎに使う各種Rのかまぼこ型や逆かまぼこ型の砥石セット、金盤を使っての裏押しと至れり尽くせりである。参加者は、平日昼間の講習会という事もあってかほぼ同年輩中心の木工同好者のようである。無駄口もあまり叩かず黙々とそれぞれが用意した刃物を研ぎ、5時間はあっという間に過ぎ去ったのであった。いやぁ、はるばる(というほど遠くもないが)神戸まで行った値打ちはあったなあ、というのが実感である。
竹中大工道具館、新神戸駅から徒歩3分というとんでもない好立地にもかかわらず林の中の静かな博物館といったたたずまいで、古今東西の木工道具の名品や宮大工の技の数々が実際に目で見て触れて、おまけにこの手の教室も開いたりと、まこと素晴らしい施設である。