倒木ヒノキ

同じ近江八幡市内にひとりだけ(丹波の)高校の同級生が住んでいるのだが、そのY氏の誘いでヒノキを切りに行ったのは10月だった。昨年の台風で彼の裏山にあったヒノキの大木が根ごと風で倒れ、山の持ち主が好きにしていいよ、と言ってくれたのである。根元の直径は60cm以上あったろうか。彼とふたりで彼愛用のチェーンソーを下げて秋空の下チェーンソー製材を楽しんだ。

 

現役時代から山歩きが趣味の彼は、チェーンソーさばきもプロである。私の方は、高山の訓練校時代に一度授業で使って以来、恥ずかしながら人生二度目。重いチェーンソーに操られたのでした。

で、こんな風に2枚におろして(?)えっちらおっちら山道を軽トラまで運んだのでありました。それまでにも彼は分厚い板状にチェーンソー一丁で加工していて、それらと共に倒れた生木も一本(リョウブという木)グリーンウッドワーキング用に持ち帰らせてもらった。軽トラほぼ満載。

彼の自宅の野性味あふれる庭には、アケビがなっていて食べごろだった。この実を種ごと口にほおばり、種だけを機関銃のように口から飛ばし、甘い部分だけ食する訳である。素朴な甘さ。

 

その庭には、何とムベの実までなっていた。あの有名な「むべなるかな」のむべ、である。秋になって天皇家にムベの実を献上するという新聞記事の記憶のある方もいると思うが、その新聞に出てくるむべの里とは、彼の住む集落そのものなのである。近江八幡、凄いぞ。自慢できるのはたねやだけじゃないぞ、てなものである。

で、それからふた月ほど経ったのだが、遂にそのヒノキを使い始めた。上の方の二枚におろした丸太の一方を板にしたぞ。工房のバンドソーを使って半円状の丸太から切り取っていくわけであるが、なかなかに超大変。

このヒノキ、何を作るかというと、実は孫のベッドになる予定。数年前から頼まれていたのだが、この年末になってやっと手を付けた。まだまだ先は長い、板にするだけで疲れ果てそうではある。何とか新学期ぐらいまでには完成出来ないかなあ、この地産地消ベッド。

で、Y氏には記念にこのヒノキで作ったティッシュボックスを差し上げた。折角のチェーンソー痕(あと)の残った断面を真っ平らにしてしまうのは余りに惜しいのでチェーンソー・アートのボックスにしてみた。意外とむずかった、これが。後で送ってもらった完成写真。

ベッドが完成したら(するかなあ?)また報告したい。