With コロナの木工教室もそれなりに落ち着いてきたようである。今年の夏はひときわ暑かったが、エアコンを入れつつも基本的に窓を開けドアを開け、マスクをしながらの木工教室と相なった。そんな中次々とオリジナルの作品が生まれて来た。
私の工房で教室を開始してもうすぐ丸3年になるが、その第一期生Tさんの作品である。これまでの集大成ともいえる手の込んだ作品で奥様へのプレゼントでもあるらしい。箱の構造に包み蟻継ぎという超絶手の掛かる凝った継ぎ手に初挑戦された。更に正面には、これまた悶絶大変な象嵌による桜の花びらが舞っているのである。
上蓋をあけた部分に裁縫道具や糸などが納められ、その下には大小3つの引き出しが設けられている。総製作時間、半年近いのではなかろうか。こんなにも愛のこもったプレゼント、奥様はどんなにハッピーであろうか。
こちらも第一期生Hさんの作品。最近やはりご家庭で使うモノ、特に台所周りで使う家具が増えてきた印象がある。
工房のあるあきんどの里にある食べ物屋さんの建物に格子窓があるのだが、そこにヒントを得てこの格子デザインとなった。廃品の分別収納用の棚としてもう少しシンプルなイメージからスタートしたのだが、最終的に引き出しも付いた美しい棚が出来上がった。
ベッド脇に置く八角形の3段棚を作られたのは、木工女子Kさん。彼女は、しばらく前に転び八角形の鉢カバーを作られたりと、八角にこだわりがあるのだが、これもその一環か。丁寧なほぞや相欠き継ぎで出来た桟で八角形の棚板を支えているのである。
+ 塗装前
裁縫箱の次の作品としてダイソンの充電式クリーナーの充電スタンドが出来上がった。大作完成後の筆休め、的なリラックスした作品とも言えそう。
今年の春から教室に来られているやはり木工女子Tさんの自由作品ふたつ目は、山桜を使った2段重ねの工具箱。教室の課題作で経験されたあられ組を応用した工具箱が出来上がった。上側の箱には微妙な膨らみを持たせた取っ手が付いているが、これももちろん旋盤を使っての自作である。上下に箱を重ねたときにキレイに重なり合うよう段欠きを施し、噛み合うように収まる訳である。重なり合った上下の箱の木目は、もちろんつながっている。
彦根から通われている木工女子Nさんの作品はぶら下げ飾り(布で作った小さな飾り物を幾つも吊り下げる、らしい)に使う栗のスタンドである。手加工のほぞ・ほぞ穴に苦労されての作品。
後日、ご自分で作られた沢山の飾りを吊った状態で見せてもらいました。
こういうボールペンの作り方があるという事は、知識としてはあったのだが、実際に作った事はなかったので、なかなか興味深かった。四種類の異なる棒状の木をまず田の字に接着した後、それを更に4色入りサイコロ状に切り刻み、出来上がったサイコロを市松模様のように位置を変えつつ再度つなぎ合わせてペンほどの長さの棒に仕上げるのである。その四角い棒から旋盤でボールペンに削り出すのである。二段重ね工具箱の次にTさんが作られたプレゼント用の作品である。
教室とは関係ないのだが、どさくさ紛れに営業を。工房主の高校時代の同級生が滋賀県にやって来て琵琶湖一周サイクリングを完走したので、その後のミニ同窓会を兼ねた祝賀会でプレゼントするために作ったパネルである。誰かこんなの欲しい人いませんか? 文字入れは、アイロン用紙の転写か本格的なものなら工房隣組の革工房でレーザー焼き付け頼めるかも。近江八幡のヒノキの琵琶湖だよ~。
同級生M氏の完走完走祝い