師走の木工

新年おめでとうございます。昨年何かとお世話になった皆様もそうでもない皆様も、大変有難うございました。お陰様で2021年を元気に迎えることが出来ました。

2020年、工房もコロナ禍と無縁ではいられませんでしたが、基本ひとり工房で製作に勤しむには影響はありません。木工教室は、そんな訳に行かずしばらく休んだり、人数が減ったりしましたが、有難いことにほぼほぼ以前のようにワイワイと(マスクしつつも)楽しく出来るようになりました。

そんな2020年の師走12月も工房近隣の方々から木工品のご依頼を頂戴し、街の木工屋としてはそれなりに役目を果たせたかもしれません。そんな中の幾つか、ではなくて、すべてをご紹介。

 

市内のお寺さんからのご依頼で大きな書類入り郵便物もすっぽり収まる大きめのポスト。ご住職が中学時代に作られたという歴史あるポストが半世紀の役割を解かれその後釜となりました。実は、工房入り口に設置したポスト(簡便に合板を木ねじで留めて作ったもの)をご覧になって、このイメージで作ってほしいとご注文いただきました。栗の無垢材で縦に深いので下部に小さな郵便物を取り出せる扉も設けました。強力磁石を仕込んでパチンと閉まるように一工夫。

築100年以上という建物の柱に合うよう濃い目の塗装をということで塗装後はこうなりました。設置した際の写真がこれ(2月に写真差し替えました)。

年越しとなってしまいましたが、引き続き今度は傘立てを依頼いただいています。それが、年の初めの初木工となる予定。

隣町の方からの依頼は、お持ちのガラステーブルの脚が気に入らないから作り直してほしいとの事で、同じ柄のナラ材で同サイズで作りました(右のふたつ)。 オリジナルは、ナラ柄の印刷シートが貼られた非無垢材でしたが、角もピッタリあった無垢材に変身。「完璧な仕上がり」と喜んでいただきました、はい。

次は、工房設立以来最も珍しいご依頼。珍注文記録(?)の品です。

彦根藩の兜の角の部分(ネットで調べると鍬形と呼ぶそうです、知らなかった)。ひこにゃんの兜と同じ彦根藩のです。兜収集がご趣味の隣町の方のご依頼。兜は、江戸時代の本物らしいのですが、この角の部分は傷みやすいのでほぼ失われているのだとか。この後、ご依頼主自ら金色に仕上げられるらしいです。因みにこんな風に左右分解できる仕組みになってます(見本通り)。見本以上にピッタリ組みあがると満足頂きました、はい。

年末最後の納品は、別方向の隣町からご依頼の陶器製鍋敷きの受け皿。大量に作らせてもらいました。こちらも栗の木。

濃色をご希望で黒いオイル塗装で仕上げました。栗の大胆な木目は,道管も太く濃色にも綺麗に染まり、お気に入りの材です。

28日に無事納品完了して、2020年最後の木工となりました、はい。

2021年、はたまたユニークなご注文の来ることを楽しみにしております。木で作るものなら何なりと。お待ちしております。