今年最後の製作

2021年も残り30分足らずとなりましたが、今年最後の製作となったのは、太鼓台。大きなケヤキの丸太をくり抜いた直径56cmほどもある重量級の大太鼓が乗る台、しかも4台同時製作。12月26日に開催された和太鼓コンサートの主催者である大橋さんから開催直前に依頼されたのでした。気合で何とか間に合わせますと言ったもののさすがに同時4台は時間が掛かって4台中2台はコンサート前々日、残りの2台は前日夜納品という超綱渡り!となりました。

四角い箱状の台は、太鼓鼓面が傾斜14度、中央高さ83cmが演奏するうえで必要な寸法という事でそうなるように設計します。更に太鼓を台の枠内側ではなく枠の縁に乗せて欲しいとのこと。更にややこしいことに4台の太鼓の寸法が微妙に違ってます。なので一番大きな太鼓が乗るように枠に太鼓の外形に合わせたカーブを掘り込んでその内側にも細板を当てがって太鼓を受け止めます。底面は治具を当てがってルーターを使って掘りますが、太鼓のふくらみを受け止めるカーブは、丸のみとバイオリン鉋を使ってひとつずつコリコリと掘っていきます、彫刻のように。

ようやく2台の組み立てが終了。栗の木で作った台は、ご希望に合わせて黒く塗装してから太鼓が当たる部分にフェルトを貼って、キャスターを取り付ければ完成。コンサート開催の前々日納品でした(2台は約束通り)。

そして最後の2台が完成したのはコンサート前日夜。連日深夜まで作業を続けたものの直前納品となり迷惑を掛けてしまいました。

前日ようやく完成

そして待望のコンサート当日。コロナ禍でしばらく大規模コンサートが出来なかったので久しぶりの開催に出演者全員のあふれるような笑顔と充実感のこもった演奏がとても感動的でした。通常は、完成後に太鼓を乗せて問題ないことを確認するのですが、今回は時間がなくてぶっつけ本番。無事に太鼓が乗っている姿を見て心底安堵しつつ達成感を味わいました。

中央寄りの四角い2台が今回のものです。

2021年、お世話になりました。皆さま、そうぞ良い年をお迎え下さい。コロナが収まる年になる事を祈りつつ。