工房近くにお住まいのご夫婦の依頼でダイニング・テーブルを製作した。これまで使われていたテーブルは、おふたりに戻った生活にはもはや大きすぎるので、小さめのサイズでとのご依頼である。
これまでにも幾つかの家具をを山桜でお作りしたことがあるので今回もすんなりと山桜に決定。いつもお世話になっている材木屋さんに注文して45mm厚の立派な山桜が届いた。よく使う27mm厚の小径木と違って幅50cmほどもある良材である。実は,38mm厚を注文したのだが、テーブル天板に向いた在庫がないという事でこの材を送っていただいたのである。
木の芯の部分が通っている柾目板なので中央に割れが入っているが、乾燥時の反りを取るためいずれにしろ中央付近で一旦切断する。天板に使う部分と脚に加工する部材を木目を見ながら決定してカット。天板を作る板3枚を木取りした。
若干ねじれた板をねじれの中間ぐらいで平面になるように、手押し鉋に慎重に幾度も通す。出来るだけ厚い平板を取るための工夫である。
木工教室や学習机、ベッドでだいぶ鉋刃を酷使したので、途中で手押し鉋と自動鉋の鉋刃も研ぎ終えたものと交換。切れ味がよくなったところで最後の鉋掛け。3枚の板を矧いで天板とする。
脚は4隅に置いたものにしてほしいというご依頼なので、天板への取り付け方法は、幕板に専用金具を使って脚を取り付ける方法に決定。ほぼほぼこんな感じ、上下逆ですが。脚をほぼ目いっぱい外寄りに取り付けたので天板は小さめでもいざという時には多人数で周りを囲んで使えます。
脚も角を丸く面取りして取付ボルトを埋め込みます。
ほぼ柾目の厚板には縞杢も入っていたのでオイル塗装をすることで一段と杢の映える天板となったのでした。事前に了解を得て、一ヶ所小さめの節も残しています。
カーブ付けや面取り、脚取り付け、オイル塗装と何やかや作業を続けて無事完成し、ご希望のお盆までに滑り込みで搬入いたしました。
やや重めの山桜の厚板を使ったのでちょっと重くなってしまったけど、まあ滅多に移動しないだろうからお許しください。
気に入っていただいて、一安心。