長太鼓用のオリジナル太鼓台がようやく完成して本日納品完了した。演奏に適した鼓面の高さと二通りの角度に変更出来るように、との注文に応じて知恵を絞り、希望に沿った(と思う)台が完成した。 角度調整の機構をボルトを使ったものにしようか、蝶番(ちょうつがい)式にしようか、とかいろいろとデザインを書いてみたが、工具なしで変更できる単純な方式に落ち着いた。 いつものプロ和太鼓奏者さんからの依頼ではあるが、実際の注文主は八幡の某有名和菓子屋さんである(詳細は少し先に了解をもらってから書きたい)。
和太鼓を載せる台なので、今回も栗の木を濃色オイルで仕上げ、さらに和風テーストを強調するため荒いアラレ組のほぞにしてほぞ先を5mmほど出っ張るデザインにしてみた。曲線で構成される太鼓を乗せ、しかも角度を変えた際にも収まり具合に問題が出ないかどうかの確認は、毎回使っている3Dデザインソフトあればこそである。傾けた太鼓を受ける板部分にはカーブを掘って太鼓の胴を受けるように加工したが、この部分のカーブなどこのデザインツールのお陰で容易に割り出すことが出来る。とは言え、台の完成は実際の太鼓(欅をくり抜いた最高級太鼓)が注文主に届いたのと同時だったので初めて太鼓を乗せる際はいささか緊張した。皮を張る際の引っ張り部分が予想外に大きく出っ張っていてドキリとしたが、ほぼドンピシャ・サイズで胸をなで下ろした。
想定していた手間の数倍掛かったが、製作者としては満足の仕上がり。また腕が上がった、に違いない。かな。