椅子張替え

先月の椅子の張替え。何十年か使って来られたというカリモクの食卓椅子の座面生地が傷んでパックリ裂けている。座板に厚いウレタンをかぶせた上を箱状に縫った合皮が被せてある。背板には、写真のようなボタンが7個取り付けてあり、座面同様に周囲を棒状に縫った飾り合皮で取り囲んでいる。本体は、まだまだしっかりしているので張り替えれば、この先も長く使える。

さて、どう修復したものかと悩んだ結果、了解を得て箱状の縫い付けは止めて(工房にミシンも無いし)通常の張り方(平らな生地の張り付け)に変更し、ボタンも無くした。で、新旧並べたのがこれ。

ちょっとクラッシック感が薄まって、いい感じではないか。とは言え、背板の周辺のチューブ状の飾りをなくしたので一脚目の椅子では、背中の木部のくり抜き部分とはめ込んだ合皮を張った背板部分に少し隙間が空いてカッコ悪かった。隙間をなくすために背中部分の芯の板を各辺2ミリづつほど大きく作り直して、この隙間をなくすことにした。スポンジ類も大分ヘタっているので新しいウレタンチップとウレタンスポンジに交換して座り心地も改善。

という訳で、全部で5脚の椅子の張替え完了。元は、ワインレッド色のみだったが、張替え後はベージュ、ライトピンク、ワインレッドの3色に変更し、すっかり明るい印象となった。

一度に全ての椅子を預かる訳に行かないので、5脚が並んだ写真はないのが少し残念ではある。