太鼓台2022の①

今年製作した太鼓台のご紹介。ひとつ目は、大桶太鼓を乗せる折り畳み式のデカい太鼓台。木工房YZ依頼主の最北記録でもある仙台のアマチュア和太鼓奏者の方からの依頼品で上に乗せる太鼓の中心部は床から約2mになる過去最高の背の高さである。

太鼓のサイズを教えてもらってその太鼓中心が床上195cmになること、安定感がいいように末広がりの4本脚で折り畳み式であることなどの指定があり、図面を書いて行った。最終的にはこのような図面で製作決定。

上部の円弧状のカーブ板の部分が今回の肝。折り畳み時にクルリと回せば折り畳み状態から簡単に決まった寸法で脚が固定されるという按配である(実用新案申請はしてませんが)。

いつものように栗材をご希望なので38mmの厚板を高山の材木屋さんから調達して木取り開始。板やら棒状に切り取って鉋盤に掛けて必要材の寸法に加工してからほぞ部分の加工へ進む。

今回は、2本の脚を上部でつなぐ材は、丸棒にする必要があるので旋盤加工で2本の丸棒も。

2本の脚を上部の丸棒と下寄りの板材でつながないといけないのだが、台形状に下が広いので交差部分は直角にならず、何かと手が掛かる構造ではある。

接着時も平行なクランプで締め付けられないので簡単な治具を作って接着。平行でない脚をこのようにX型に組んだ場合は脚をどんどん開いていくとやがて脚と脚がこすれていくので回転軸のボルト部分に微妙な間隔をあけて1mm厚ほどのワッシャを通さねばならない。

という事でウォルナット色のオイル塗装をしてようやく完成。

巨大廃段ボール箱を調達して梱包を終え、あとは発送して完了かと思いきや、今度は輸送上の問題発生。脚の長さだけで1.7m以上あるので通常の宅急便のサイズ上限を大きく超えているのである。依頼主からこの台を使う演奏日前の納入を指定されているが残り数日。

あたふたと輸送業者を当たってS急便なら送れると分かったもののこのサイズでは事前契約していないと送れないとのこと。焦ったものの偶然にもその数カ月前に同社営業から誘われて契約済みになっていたため事なきを得たのでした。

以前、沖縄に長い櫂を送るときにも送る方法が見つからず焦りまくった事があるが、今回も何とかクリア出来たのでした。送料は宅急便の比ではなかったですが。。。

今年5月に完成したこの台、太鼓が乗っている所を是非見てみたいのですが、仙台まで見に行く訳にも行かず演奏時の写真をお願いしています。届いたら貼り足したいと思います。Yさん、お待ちしてま~す。取りあえず図面で代わりを。