こんなのも作りました

だんだんものぐさになって来たのか、Blog掲載間隔も伸びてきたのですが、年が明けるまでに何とか最後のを書いておこう。ということで。。。

  • 2022年最後の家具

年の最後に納品したのは、勝手にワルツと名付けた本立て。キャスター付きの台に少し傾斜した本棚を向かい合わせに2組乗せたもの。少し傾斜しているので本を立ててもブックエンドなしで倒れません。上にはリモコンや眼鏡置き場になる天板も。

力が掛かる背板と本が乗る板の直角な角は頑丈なアリ継ぎ。

  • 座卓の大改造

滅多にない依頼ですが、既存座卓の大改造をやりました。大きすぎでまた重すぎるので6畳間で使えるように小さく薄くしてほしいとの依頼でした。元の板は90cmx150cmで天板厚も5cmというサイズの立派な一枚板の座卓です。年輪から推定すると元の木は優に直径150cm以上はありそうな巨大な木です。

 元の座卓

これをサイズを80cm x 120cm、板厚も4cm弱程度にというご要望。最初写真を見て色を付けた栃かと思ったのですが、はるかに重い木で国内の木ではなさそうです(こんなサイズの国産材は今や欅か栃ぐらい)。

苦労して工房に持参いただいた座卓を3人がかりで作業台に乗せました。自然木風に彫刻がほどこされた脚も取り替えついでに少し長くして天板高さをアップしてほしいとのこと。

天板にガッチリ接着された脚は、手鋸で切り落とします。

長さを短くカットし耳も切り落とし、新たに使用する部分は(40cmx122cm程度)手押し鉋盤と自動鉋盤で薄くして行きます。

脚は新たに手元の木で幾分似た印象のものをということでナラの木から丸脚に削り出します。特殊な脚取付け金具を埋め込みます。ネジを使って着脱可能かつとても強固に天板に吸い付いた脚に出来るのでよく使います。

オイル塗装すると入り組んだ杢が派手に浮かび上がり、気に入って頂けたようです。という事で無事完成してお渡ししました。

  • 根来塗りの十角盆

工房の近くに住む漆工芸家の藤井さんに根来塗り作品の本を夏ごろに借りました。その中の角盆の形が凄く気に入ったので合間を見て大きな八角盆と十角盆を適当な木で作ってみたのでした。八角盆はタモとベニヤの底板、十角盆は桑と欅の底板。

オイルを塗るか気が向いたら拭き漆してみようかと思っていたのですが、藤井さんが興味を示されたので両方とも持って帰ってもらいました。

しばらくしたら布着せをして漆の下地が施されつつある姿に変身。お盆全体の強度を上げるためにこういう下処理をするそうです。とても手の掛かる作業のようです。

やがて根来塗りで仕上げられたお盆に華麗に変身したのでした。出来上がったお盆を借りて10月の匠の祭では並べてみました。

そして11月の滋賀県展。滋賀県でこれまで3人しか認定されていないアートマスターの一人である藤井さんは棗ふたつ出品されたのですが(無審査)、なんとその棗が乗っていたのはこのお盆のひとつでした。木地はまあ言ってみれば縁の下の役割ですが、ウレシーの一言。

完成した十角盆、しばらく我が家に滞在中でこの正月のおせち盛り付けに活躍の予感!

それでは皆様いい年をお迎えください。本年も有難うございました。あと1時間ほどは今年です!?!