三木金物まつりへ

大工道具生産高日本一といわれている兵庫県三木市、毎年このシーズンになると県庁駐車場一帯で金物祭りという巨大イベントが開催される。ということは前から知っていたのだが、今年初めて出掛けて来た。参加者が十数万人規模の同市最大のイベントに成長したとのことで、会場近辺は全て駐車禁止で市内各所の巨大駐車場から無料バスでピストン輸送してくれる。掘り出し物満載(?)のテント市ありやら屋内での金物メーカの出店、さらに研ぎ教室だの古式鍛錬実演と盛りだくさん。

前から妻に完成をせかされている欅のダイニングテーブルの蟻桟(アリザン)加工に必要であろう鏝(コテ)のみの入手が一応大義名分である。鑿・鉋・小刀などの優れた手道具のメーカーは小さな家内工業的な所が多くを占めていると思うのだが、大手のホームセンターでは殆ど扱われていないので(需要が限られているから仕方ないけど)ここに来るとズラッと一堂に会していてある意味欲しいものだらけ。そこを耐え忍んで、鏝のみと丸のみと小刀を手に入れてまあよしという結果ではあった。

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3千個以上の包丁などの金物で作った鷲、1.5トンだそうな。

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ふたたび木材市へ

先月初めて木材市なるものに参加したのだが、競りのタイミングが合わずうまく買えなかったり、逆に勢いで買ってしまったりで不完全燃焼の思いが残り、今月再度リベンジ戦へ。前日から岐阜入りして当日早朝から再戦。再び軽トラの荷台いっぱいの材を小物中心に仕入れてきた。とは言え今回も思うようには行かず40点の出来。もう材木置き場がないので当分消化に努めねば。オノオレカンバ(斧折れ樺)という重くてかたい材もはずみで買ってしまったが、 櫛やスプーンなどのカトラリーに適している材なのに7枚もどうするんだ>自分、とまたしてもやってしまった。製材したばかりで当分使えないし、とほほ。。。

おまけにひとりでトラックへの積み下ろしをしたせいでギックリ腰、とほほ。。。

img_6487 さすがにこんな板はウン十万円

img_6489 帰り道、落とさないようしっかり固定

椅子2脚完成

椅子2脚が新たに完成、名付けてルーロー椅子。 ロータリーエンジンのローター型ですね。 同じものじゃ面白く無いので、片方は座面に掘りを入れて座り心地優先。 もう一方は、鉢台や小型テーブルとしても使えるように真っ平らな座面を残してみた。

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天井からの光だと座面のカーブがうまく写らないので側面からの光でもう一枚。

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どちらが好まれるのか、今後やってくる人に聞いてみたい。ちなみに座面はブラックウォルナット。 脚は、色の濃い方は同じウォルナット、白っぽい方は、カバ材です。

ニューヨークの削ろう会

日本では、毎年各地を巡回しながら削ろう会という鉋掛けの技を競い合うイベントが開催されていて、昨年は神戸で開催されたので初めて見に行ったことがある。 多分、各地の大工、木工家や鉋に拘りのある趣味人が集まってヒノキの薄削りを競いあいつつ親睦を深めるというのが趣旨なのだろう(想像では趣味人がメインのような気もするが)。 そんな酔狂なことを(といったら関係者には叱られそうだが)やるのは日本だけだと思っていたら、つい最近のFinewoodworking 社の web で(==> リンク先 New York でもアメリカ版の削ろう会、その名も”Annual NYC Kez” というのを先月やっていたというのを知って驚いた。 日本人が出向いてやっているのかと思いきやどうも現地のアメリカ人が昔の巨大な鋸(大鋸=おが、おがくずのおが)で丸太を縦引きしたり、槍鉋で表面を仕上げたり、(むろん日本の鉋で)薄い鉋掛けの競争をしたりしている写真が掲載されている。 昨今、何かと日本文化に日が当たる機会が増えたような気もするが、これには驚かされた。 隔月発行のFinewoodworking 誌でも日本のノミ、鉋、鋸(胴付鋸は英語になってる)を使う木工家がごく当たり前に登場する。 日本の伝統的道具が世界で認められているという事は何やら嬉しいことではある。

1枚だけ上記のリンク先にある写真をコピーしておきます。 第3回 Kezurou-kai Mini イベントにて

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ピックガード②

ふたつ目のタイプのピックガード完成。ギターのモデル名を聞いたがメモしなかったので忘却の彼方。 今回は時間制約なく4種類の板を使ってみた。左からパープルハート、ゼブラウッド、圧縮杉(蒸してプレスして1/3程度の厚さに圧縮した板)、ケヤキ杢。 このパープルハートという木は、切断直後や鉋を掛けた後の木材内面は普通の木と同じような茶色なのだが、しばらく置いておくと(数時間~)酸化して紫色に変色する珍しい木。ギターにフィットするかどうかは?だが、派手さでは負けない。厚さが3mm程度しかないので乱暴な演奏に耐えるかどうかはこれまた?で  Gamps からのフィードバック待ちとなる。

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9/18夜 あきんどの里でイベント

9月17日(土)から18日にかけて八幡掘まつりが近江八幡のお堀を中心に旧市街一帯を会場に開催されるが、工房のあるあきんどの里でもこのチラシのイベントが18日(日)の17時から3時間ばかり催されます。 近隣商店街の主催で夜店などが江州音頭の屋台となるご朱印船のまわりに出店される。いまやクラフトの里になりつつあるあきんどの里のクラフト3店も参加の予定。

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革工房cogocoro とその1軒おいた隣にこの日からシルバーアクセサリーのクラフトショップがオープン予定。ということで木工房 YZ も臨時に広場にテーブルを置いて参加すべく準備中。お祭りの夜店で家具を買う人はいないと思うので、定番のボールペンと今回のスペシャル企画で額入りの絵を並べる予定。Biwako ビエンナーレに17日から出展される藤井誠治氏の描いた近江八幡周辺風景のスケッチ画を木工房 YZの額(一部本人製作額も)に収めたものである。そのうちのふたつは今日塗装したばかり(下の写真)。裏板を固定する金具などを明日取り付けるので明日完成予定。

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左側の額は、今回初めて作ってみた栗材荒仕上げのもの。拡大写真がこれ、バンドソーの鋸目を丸々残してみた。

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実を言えば同氏手作りの野性的な額(ノラネコの絵 > 先日のブログ)に触発されて、かんな掛けなしで仕上げた初のもの。

この2枚の他にも長命寺やたねや・ラコリーナ店、ヴォーリズ学園、旧八幡郵便局(ヴォーリズ建築)や小さな抽象画も。この夜だけのスペシャル企画で翌日から大半が彼の展覧会場へ移る予定なので、関心がある方も出来れば関心ない方もどうぞお越しを、と宣伝させて下さい。

ちなみに藤井氏のプロフィールはこれ。そもそもは漆工芸がメインの方ですね。知り合ってまだ半月なもので。

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ギターのピックガード

いろいろな木工依頼を受けて知識が広がっていく。今度は、ギターのピックガードに初挑戦の機会を得た。ギター演奏時にピックでギター本体が傷つくのを防ぐために設けられた小さな板のことである。依頼主は、野洲市でギターアンプの修理やオリジナル品を販売しているGamps の徳田さん。依頼を受けてからしばらく手を付けられないでいたら拳銃じゃなくてギターを手に工房にやって来た。「死にたくなければ今すぐに作るんだ」というような顔つきだったので(ホンマかいな?)、速攻で製作させていただきました。

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ヒョウタンを半分に割ったような形なのがピックガード。モデルによって形はいろいろあるらしい。オリジナルの合成樹脂だとごく僅かながら静電気によるノイズがでるらしい。実は、以前工房に来てもらった際に工房にあるいろいろな木の中からお好みのを幾つか選んでもらい、既に薄板状に鉋掛けを済ませていたのであるが、その中からゼブラウッドに決定。その名の通り、シマウマのように縞状の木目が入っているのでゼブラウッド。オリジナルの形状を写してカーブを切り抜き、取り付け用の穴をあけ、端面や表面をサンディングして形を整えオイル塗装で仕上げのがこれ。

img_1273 上はオリジナル品

というわけで晴れてギターに装着された姿がこの写真。

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ウーン、カッコいいやん !!

実は、別モデルの違った形のピックガードの依頼も受けていて、こちらはケヤキで製作予定。それはまた後日出来上がってから。

 

新幹線の洋服ラック

この春から幼稚園に通い始めた下の孫の洋服掛け、4月に欲しいと(親から)言われていたのが半年遅れでやっと完成。2年半前に作ったお兄ちゃん用のと同サイズで、引き出しだけ気まぐれに少し変更してみた。 引き出し前板に取り付ける模型は、自動車がいいか新幹線がいいか本人に任せておもちゃ屋で選んでもらった。 ホントは、ドクターイエローが欲しかったようだが、あいにく売り切れで別のに決定。 新幹線模型のアルミボディーにネジを切って裏からネジ止めしてあるので簡単には取れない(はず)。 新幹線の下にはウォルナットの象嵌でレールも付けてみた。

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ちなみにふたつ上のお兄ちゃんのは、これ(完成当時)。

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ハンガー掛けと引き出し取っ手が、今回木製から金属製に。さあ、何年生になるまで使ってもらえるか?

軽トラで木材引き取り

軽トラに乗って先日の木材市で競り落とした板を引き取ってきた。 軽トラで県外へ出るのも初めて、高速道路を走るのも初めて、積む荷物量も過去最大、と初めてのことをたくさん経験してきた。落札した木材は予め揃えてもらっていたので積み込み自体は、フォークリフトであっという間に終わったもののその後のロープ掛けは、恥ずかしながらうまく出来ない。 こんな重量物を荷台に斜めに立て掛けて走りながら落とすわけにはいかない。見かねて木材屋さんがやってくれた。「ガチャは持ってる?」  いわゆるベルト式の荷締機のことらしいが、ロープ2本用意しただけである。 「このロープは滑って駄目だな」と文句を言いつつも掛けてもらった。「俺なら怖くて運転できないよ」と脅されつつ出発。帰りは、高速は避けて国道経由で急ブレーキ・急発進(したくても出来ないけど)を避けながら何とか無事に八幡に帰って来たのでありました。いやぁ、四苦八苦。

img_6336 3時間、ロープが緩むこともなく

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木材市に初挑戦

高山からの帰り道、岐阜県各務原で月に一度開催されている木材市がちょうど開催されていて初挑戦して来た。 広い敷地いっぱいに原木やら巨大な一枚板やらが、所狭しと並べられていてこれらをたったの一日で競って売り切ってしまうらしい。残念ながら天気が悪く時々土砂降りになる中、傘を広げたり畳んだりしながらおよそ3時間の初チャレンジを楽しんだ。この木材市は誰でも参加できるようにオープン化し、日本でも有数の活況ある市らしい。 時代に合わせて変身できるところだけが生き残るというのは、世の常のようである。

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受付で手付金を払って、番号札をもらい競りの人ごみの中へ乱入するも、ひとつの競りに掛かる時間は数十秒、長くてもせいぜい1分程度、とてもじゃないが百戦錬磨の参加者に太刀打ち出来そうにない。一瞬でも躊躇する間に競りは、終わってしまう。 どこぞの銘木屋のオヤジらしき太った男性が器用に値段を下げたり(買い手がいないと下がっていくのである)競ったりして次々と決めていくのを横目で見ながら買い方の勉強である。一緒に行ったカミさんが、ブレーキ役かと思いきやしきりにアクセルを踏むのでビックリ。というわけで空振りを数回繰り返した後に3m程の栗の板5枚セットを初落札。いつもお世話になっている材木屋さんの乾燥材と違って未乾燥で当分使えない。1~2年は寝かしておかねばならないので不自由極まりないがまあモノは試しである。

高級な一枚板は、屋内の会場に並べられている。この写真のように身長の2~3倍もありそうな巨大なモノもずらりと並んでいて見事な眺め。 家具屋で見る一枚板は、いわゆる目玉が飛び出る値付けだが、さすがに製材しただけの未乾燥の一枚板はそれより手ごろな値段ではあるのだが、乾燥してまっ平らに鉋掛けをする(鉋盤にも掛からないデカさなので手でやるしかない)までの手間は尋常ではなさげ。 根性のない私は機械に掛かる程度の控えめの幅のチェリー板を1枚だけ試しにゲット。午後からは原木の競り開始となるが、さすがにそこまでの根性はないので昼休み時間に精算を終えて帰途についた。

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img_6291 買い子178番、チェリーお買い上げ(競い手なく)

今回乗用車で出掛けたので、来週改めて軽トラに乗って材を取りに行かねばならない。無事に載せられるのか?

はたまた、家具になる日は一体いつやって来るのやら、ではある。

こだわりの手作り家具工房