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太鼓台ようやく完成

2月中旬になって今年初のブログアップ。昨12月、出来るだけ頻繁に投稿しようと努めた結果、年明けはすっかり気が緩んでしまい瞬く間に50日ほど過ぎ去ってしまった、のでありました。

で、今回は12月に本体が完成した太鼓台塗装の顛末。濃色塗装を何種も試みたものの満足いくものにならず、年明けに納品予定のオイルステイン待ちと書いたのがこれまでの経過だった。

で、年明けに到着したそのステインを試しみるも残念ながら期待に届かず。ホームセンターでまた別のウレタンスプレーを買って試すもやはりダメ。ということで途方にくれてしまい、ついに某大手塗装メーカ相談窓口にアドバイスをお願いした。

そのメーカーのオイルステインを塗ったブナ木片を同封し、ラベルに印刷されているような色に染まらないのだが、どうすればいいか助言してもらえないか、また適当な濃色塗装可能なものを推奨してもらえないかとブナ板を数枚送らせてもらったのである。

同社から(名前は出さないでと言われたので書きませんが)期待を上回る懇切丁寧な対応をもらうことが出来、同社製の塗装剤を塗った10通り以上の塗装サンプルを送っていただいた(感謝!!!)。ブナは、非常に稠密な材で塗料の染込みが悪く基本的に塗装が難しいようで、これぞベストというスッキリした仕上がりのものは残念ながらその中になかったのでありました。木材に塗る以上は、木目が透けて見えて欲しいのだが、濃色となるものはほぼ不透明で木材感が失われ、木目が見えるものでは色が薄かったり見るからに塗りむらを感じるのである。

 送ってもらった塗装サンプル

ということでいささか途方にくれていた時にやって来てくれたのは、近所に住む漆工芸家の藤井氏。漆に混ぜて使うカーボン粉末を持っているからこれを使ってみたら、と持ってきてくれた。早速、同社のウレタンニス(これだけでは濃色にならず)にカーボンを適量混ぜ込んで塗った後軽く拭き取ることで遂に濃色ながら木目が見える塗装となった。

刷毛への塗装剤の含ませ方、刷毛運び、拭き取りの加減が難しく場所によって出来具合に差があるものの、苦節一カ月、ようやく締め太鼓用太鼓台が完成したのでありました。

これは、近江八幡文化会館で2月5日に行われた和太鼓イベントでの晴れ姿。もっともステージ一番奥に置かれているので殆ど見えません。八中太鼓の演奏、例年に違わず若さとエネルギーあふれる感動の演奏だった。

台兄弟

ボールバスケット台、完成。 太鼓台は、濃色オイルステインの納品待ちで最終完成は新春となってしまったので完成したクリアオイル塗装の弟分のボールバスケット台のみ年内納品。 回転軸が、水平と垂直の違いで文字通り兄弟台。材も同じブナ。

ボールバスケット台は今回が初製作。上に乗せる四角いバスケットが布製で大きさも引っ張り具合で変わるのでサイズ決定がやや難。更に脚を直角に開いた状態で固定しないといけないのでそのストッパー機能が新要素となった。 設計時のパーツを最初に試作したところ難ありとわかり、作りつつ設計変更したのであった。とは言え、なかなか使いよさげ、と自己満足。というわけで3兄弟で記念撮影、双子の太鼓台に乗せる太鼓がなくて残念だけど。

2016年も残りあとわずか。年内は、あと一件椅子修理を終えれば工房大掃除の予定、ではある。

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ボールバスケット

東京に住む友人からの依頼でテニス練習時に使うボールバスケットを作らせてもらっている。 元々はアルミ製の折り畳み式の既製品があるようだが、それを敢えてブナの木で作る訳である。 先日紹介した折り畳み式太鼓台のデザインにヒントを得て、やはり回転式で収納時は平たくなるように考えてみた。

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太鼓台と違って、傾斜した部分はないのでホゾ加工は柔道一直線である。 大昔、まだ子供の頃テレビで見ていたなあ、この番組。というわけで、今日のところこんな感じ。横田君、年内には送り届けるから(多分ね)待っててね。

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締め太鼓台、ほぼ完成

SketchUp設計図面に従って製作をつづけ、太鼓台本体がほぼ完成した。 きょう注文主の太鼓奏者・大橋さんに、この台に乗る予定の締め太鼓を携えて工房に来てもらうことが出来、無事に所定の高さ傾きで出来上がっていることを確認することが出来た。脚や太鼓保持部の傾斜も設計値にドンピシャである。

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「ほぼ完成」と書いたのは、塗装が年明けを待つことになったため(キャスター取り付けは更にその後)。黒っぽい濃色塗装を希望されていたので、何通りかの濃色オイルやオイルステインを材料のブナの切れ端に塗ってみたのだが、残念ながら思うような濃い塗装とならなかったのである。ブナは、他の木材と比べると極めて稠密で導管も少ないので染料がうまく木地にしみ込まないのである。以前使ったことのあるオイルステインでは濃く仕上げることが出来たので、別メーカーのものを取り寄せ中だが、在庫がないのか年明け発送の見込みとなったのである、残念。

透明オイルの場合は、どんな木材でもほぼ期待通りに塗りあがるのだが、濃色塗装の場合はオイルだろうとステインだろうと木との相性が大きく結果を左右するのである。まだまだ塗装修行が必要と改めて実感。

締め太鼓台のお題

これまで幾種類かの太鼓台を作らせてもらったが、現在製作中なのは締め太鼓台。市内在住の和太鼓プロ演奏家のOさんが教えている工房近くのH中学校太鼓部に納める予定。太鼓台を作るのは、数学の応用問題を解く楽しみのような面がありなかなかに面白い。今回のお題は、下図のごとくである。

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太鼓自体は、現物から寸法を取らせてもらうのだが、「演奏時に太鼓面が16度の傾斜となり鼓面中央の高さを床から76cmとせよ」という課題である。厳密にいえば解は無数にあるのだが、それなりのプロポーションと折りたたむと平らになるようにデザインするのは、それなりに難しい。デザインツールとして使っているSketchUp はいきなり3Dで図面が書けるので、X字状の脚を適当に書いておいて16度に傾けた平面を所定の高さに持って行き交わった部分に横棒(貫)を渡せばいい。

とは言え、いきなり図面通りで木の加工まで済ませてしまうにはやや勇気がいるので、念のため墨付けをした後の角柱を所定の角度で並べてみてのチェックをしてみる。幸い、間違いはなかったようなので一気にほぞやほぞ穴もを刻んでしまった。今日で本体の接着も終えたので、完成間近。設計通りに出来ているかどうか、明日にはっきりする予定。

食卓テーブル完成

ここしばらく掛かり切りだったダイニングテーブルがようやく完成。数日前に作業台の上で上下逆の状態で組み立て終えたテーブルを知人に手伝ってもらって二人掛かりで何とか裏返して床に置き、最後が天板上面の仕上げ。 手鉋である程度まで逆目痕を減らして、最後はサンダーで仕上げオイルを塗ってとうとう完成した。体積計算からすると70kg近い重量のはず。木工を始めて以来の最大かつ最重家具記録更新ではある。自宅用の食卓なので息子にも手伝ってもらって近々自宅に運び込む予定。

6cmの厚さに製材してもらったケヤキ板を2010年春に購入し、5年ほど自宅軒下で乾燥し工房に持ち込み壁に立て掛けて1年。6年半以上かかってようやく家具に姿を変えたわけである。兄弟板があと2枚、まだ軒下で出番を待っている。家具になれるのは、いつの日になるのやら。

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img_6729a 長辺は、半径13.5mの緩やかなカーブ。

img_6727a 塗装前、鉋掛け中。ムズイ。

因みに今年初めの頃、天板を作っていた時の書き込みはこちら

食卓テーブル製作中 その2

引き続き、食卓テーブルの脚部材を製作中。 出来上がった吸い付き蟻桟のある天板受けにほぞ穴を掘り、同じような寸法の脚材(床に乗る部分)にもほぼ同様の加工をした後、左右の脚板にはこのほぞ穴にぴったり合うほぞを切る。クランプで三つの部材を仮組してみるが、このあたりは毎回やっている作業なのでスムーズに進行、ドンピシャで隙間なく組みあがることを確認。

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次に見た目を若干よくするために天板受けや端の部分を斜めに切り落としたり、床に当たる部材の中央部分を3mmほどすき取り床から浮くように加工。さらに角部分は使用中に足などが当たっても痛くないよう丸面取り。

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さらに左右の脚板間に長い棒材を渡して両方を接続する貫とするのだが、まずはその通しほぞを受けるほぞ穴を脚板中間あたりにあけた。部材が大きすぎて角のみ盤では加工できないので手のみで地道に作業。出来あがった左右の脚材をテーブル裏面に軽く差し込んでみたのがこれ。奥まで入れるの最終組み立てまでおあずけである。

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脚板の横に置いている前後に長い棒の両端に通しほぞを次回加工して左右の脚板に通せば(楔で脚に固定する予定)、ほぼ下半身が完成の見込み。天板と脚や脚間の貫はどれも接着せず木の動きを吸収するとともに、将来の輸送時には天板と脚部分が分解できるわけである。この状態にまで組みあがると長さ180cmのテーブルはもはや一人作業ではひっくり返すことも全くできない重さとなる。助っ人を呼ばねば。

 

食卓テーブル製作中

天板だけ作って半年近く放置していたダイニングテーブルの製作を再開している。まずは、最難関の吸い付き蟻桟に挑戦。吸い付き蟻桟とは天板下面に下の広がった溝を掘り、更にその溝が先にいくほど僅かに狭まっていくのであるが、この溝にピッタリはまる桟をやはり同じだけ先すぼみにして、力ずくでこの溝に差し込むことで天板と桟がピッタリと吸い付いて、天板の反りを防ぐと同時に経時変化や湿度変化で天板の幅が動いた時にその動きを吸収してしまうという昔からの高度な加工法である。こんな加工を昔の職人は、ノミやノコでやっていた筈だが、そんな腕があるはずもない今日では、ルーターと呼ぶ機械でそれなりに作れてしまうわけである。とはいっても、テーブル幅85cmの長さに対してわずか2mm程度の先すぼみ加工を溝側と桟側両方に施すのはそれなりの工夫と治具が必要にはなる。本をじっくり読み込んだり、ネットで先輩職人の技解説を集めたりした上でようやく加工開始。数日掛かりでようやく加工出来た。パイプクランプでギリギリと押し込んだ時に丁度天板の中央に桟が位置する。見事に天板に吸い付いて、幅方向に中央で1mmほど反っていた天板が真っ平らに戻った。 時間は掛かったが、満足できる出来ではある。

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向こう側の桟は所定の位置に収まった。手前は、まだここまでしか入らないのであと0.2mm ほど追加で桟を削らねばならない。

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日本語で蟻桟、この形、英語では鳩の尻尾のダブテイル(dove tail) と呼ばれる。日本語でなぜアリなのか?  アリの口先の形とか書いている本もあったが、ホンマかいな?

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桟となる手前の棒にテーパーが付いた治具を固定してルーターテーブルで滑らせるとテーブル下から飛び出ているdove tail ビットで僅かにテーパーが付いた蟻加工が出来るという次第。一昨年、高山の訓練校での実習でやって以来の蟻桟加工である。失敗したら分厚いケヤキの予備の板はないので慎重に慎重に。何とか無事に完成。

椅子2脚完成

椅子2脚が新たに完成、名付けてルーロー椅子。 ロータリーエンジンのローター型ですね。 同じものじゃ面白く無いので、片方は座面に掘りを入れて座り心地優先。 もう一方は、鉢台や小型テーブルとしても使えるように真っ平らな座面を残してみた。

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天井からの光だと座面のカーブがうまく写らないので側面からの光でもう一枚。

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どちらが好まれるのか、今後やってくる人に聞いてみたい。ちなみに座面はブラックウォルナット。 脚は、色の濃い方は同じウォルナット、白っぽい方は、カバ材です。

ピックガード②

ふたつ目のタイプのピックガード完成。ギターのモデル名を聞いたがメモしなかったので忘却の彼方。 今回は時間制約なく4種類の板を使ってみた。左からパープルハート、ゼブラウッド、圧縮杉(蒸してプレスして1/3程度の厚さに圧縮した板)、ケヤキ杢。 このパープルハートという木は、切断直後や鉋を掛けた後の木材内面は普通の木と同じような茶色なのだが、しばらく置いておくと(数時間~)酸化して紫色に変色する珍しい木。ギターにフィットするかどうかは?だが、派手さでは負けない。厚さが3mm程度しかないので乱暴な演奏に耐えるかどうかはこれまた?で  Gamps からのフィードバック待ちとなる。

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