カテゴリー別アーカイブ: 作品

箱モノふたつ製作中

このところ依頼を受けたふたつの箱モノをほぼ並行して製作中。 ひとつは小ぶりの台所収納棚でもうひとつはこれも小さめの洋服掛けである。 どちらもクルミを使うことに決まり、材の鉋掛け後の板剝ぎも完了し加工作業中である。クルミは、いってみれば和製ウォルナットかと思うが、色合いは違うものの板の雰囲気はよく似ている。加工心地も似ているのかと思っていたが、意外と似て非なる感触である。クルミのほうが気持ちソフトでやや乾燥肌っぽくて野性味が少し強いと思う。

台所収納棚は下記のようなデザインに決定しており、これに沿って本体部材の最終カットとホゾ加工が完了したばかりのところである。組み立て・接着までにもう少し仕上げの面取りやサンディングをする予定。中央の引き出し前板と右側の本棚扉は木目がつながるように木取りしているが、本体組み立て完了後に最終カットして寸法を揃える予定。まだもうしばらくかかりそう。写真では引き台前板と扉をただ積んで置いているだけなので少しでも揺れると板が作業台から落下しかねないので、用心のためクランプや差し金で支えている。

収納棚 20160328

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もう一方の洋服掛けは、こんな感じ。 まだ切った材を並べて置いているだけでホゾ加工もまだである。なので倒れないように作業台の谷間に置いて板の組み合わせ具合の確認中のものである。

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両方が完成するまでは、ほかの家具に着手出来なさそう。

 

太鼓台完成・納品完了

長太鼓用のオリジナル太鼓台がようやく完成して本日納品完了した。演奏に適した鼓面の高さと二通りの角度に変更出来るように、との注文に応じて知恵を絞り、希望に沿った(と思う)台が完成した。 角度調整の機構をボルトを使ったものにしようか、蝶番(ちょうつがい)式にしようか、とかいろいろとデザインを書いてみたが、工具なしで変更できる単純な方式に落ち着いた。 いつものプロ和太鼓奏者さんからの依頼ではあるが、実際の注文主は八幡の某有名和菓子屋さんである(詳細は少し先に了解をもらってから書きたい)。

和太鼓を載せる台なので、今回も栗の木を濃色オイルで仕上げ、さらに和風テーストを強調するため荒いアラレ組のほぞにしてほぞ先を5mmほど出っ張るデザインにしてみた。曲線で構成される太鼓を乗せ、しかも角度を変えた際にも収まり具合に問題が出ないかどうかの確認は、毎回使っている3Dデザインソフトあればこそである。傾けた太鼓を受ける板部分にはカーブを掘って太鼓の胴を受けるように加工したが、この部分のカーブなどこのデザインツールのお陰で容易に割り出すことが出来る。とは言え、台の完成は実際の太鼓(欅をくり抜いた最高級太鼓)が注文主に届いたのと同時だったので初めて太鼓を乗せる際はいささか緊張した。皮を張る際の引っ張り部分が予想外に大きく出っ張っていてドキリとしたが、ほぼドンピシャ・サイズで胸をなで下ろした。

IMG_4251 フェルトを貼り、キャスターを取り付け完成

IMG_4244 太鼓胴を受ける曲線はミニ四方鉋でコリコリと

文字塗りつぶし 実際に乗せて確認作業(完成前)

想定していた手間の数倍掛かったが、製作者としては満足の仕上がり。また腕が上がった、に違いない。かな。

 

朴のエンドテーブル

昨年から頼まれていた小ぶりのエンドテーブルが完成し、2月にようやく納品できた。いろいろな樹木がある中で朴の軽さを気に入ってもらい材は朴に決定。朴は、昔から彫刻板などによく使われる強いツートンカラーの材できわめて軽く、どんな向きからの切削にも強いという特徴ある。

天板サイズが30cmx40cm のコンパクトなテーブルで足元をソファーに差し入れたり安楽椅子の隣に置いたりと自由な移動を前提にした使い方を希望されてのご注文である。1月になって本体の製作が終わり、塗装色の希望を聞いたところ部屋に合わせて濃色のオイルを希望とのこと。 念のため端材を使って何色かのオイルを塗ってみたところ、クリアー色だと普通にきれいに塗装できるのだが、濃色オイルでは、激しい塗りムラが発生してしまうことが分かった。外周寄りの白っぽい部分が特にオイルの吸い込みに ムラが出て、見た目にもよろしくないと分かった。オイル仕上げにはOSMOオイルというヒマワリ油を主剤にしたものを使うことが多いが、濃色オイルを幾つか試したが全滅。過去使ったことのある別銘柄のオイルやウレタンスプレーとかステインとか濃色のものばかり幾つか試し塗りをしたがどれもいまいち。最後に下地に木工用プライマーを先にスプレーして木への吸い込みを抑えてから塗装することでようやくムラの目立たない塗装が出来た。 写真は納品後に依頼主のご自宅でのもの。落ち着いた部屋ともマッチしたようで気に入っていただけた。

木によって全く異なる塗装仕上がりという難しさを改めて知った次第である。

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謹賀新年

謹賀新年。

松の内が明けた頃に遅すぎでしょ、と叱られそうだが一応本年初投稿ということでお許しのほどを。正月前後も製作に明け暮れたうえ、自宅の大掃除やら元旦から息子家族達がやって来てあわただしく過ぎ去ったこの年末年始であった。

12月末に何とか仕上げたのは、何れもお孫さんへのプレゼント用の食卓椅子とお絵かきテーブル。食卓椅子は、以前自分の孫に作ったデザインを踏襲。背板にイニシャルを掘り込んだナラ材製で、依頼者の希望で濃色オイル仕上げ。小学入学ぐらいまでは、使えるかな。テーブルは、椅子と同じように傾斜させた脚を丸ほぞでパイン集成材の天板に留めて見た。何れも年明けにそれぞれのお孫さん宅へと旅立った。これらが初出荷となった。

幼児ハイチェア2  パインテーブル

一方、初完成家具となったのは、昨年購入したアフリカンチェリー材を使った小ぶりの2本足テーブル(約110cm x 60cm)。半年ほど作業机近くの壁に立てかけておいたものをテーブルに仕上げた。久しぶりに注文外の製作である。実は、近江八幡のおやじ連作品展が毎年市図書館で開催されるのだが、数カ月前のエントリー時点で適当にテーブルと書いて提出したのである。ところが上のふたつの家具に掛かり切りで、このテーブル製作開始は年末ぎりぎりとなってしまった。そんなわけで年明け3日からいきなり残業の連続で7日の搬入日朝にようやく仕上げ塗装して午後に運び込んだ次第である。アフリカンチェリー材は、天板分しかないので下半身は山桜にしてみた。天板は一見一枚板風だが、実際は2枚を中央で張り合わせている。まだら模様の杢が、個性的で非常に面白い。作品展が終わっても工房に置くには邪魔になりそうだし、自宅で使おうかなと密かに考えている。

ACテーブル

因みにおやじ連作品展の案内はがきも貼っておきます。お近くの方は是非どうぞ。あらゆる種類の創作品があります。風力発電機なんて言う凄いのもあります。

おやじ連作品展2016

フォトフレームふたつ

殆ど同時に2種類の木製フォトフレームを作った。

昔の同僚から適当な結婚祝いを考えてほしい、というお題をもらったのが3カ月ほど前。そろそろ期限が迫る中、ようやくひねり出したのがフォトフレームをふたつつないだもの。 アメリカン・ブラックチェリーの板からハート型を糸鋸でくり抜いた。切り出したハートもきれいに整形してお隣の革工房cogocoroさんにレーザーで送り主のメッセージを焼き入れてもらった。幸せなカップルの写真がもうすぐ入るかと思うと製作者も幸せである。

ハート型フレーム1 ハート型フレーム2

もうひとつは、結婚して2週間足らずのプロ和太鼓奏者Oさんへの工房からの結婚祝い。 オープンしたばかりの当工房をひいきにしてもらい、太鼓台改造や新規太鼓台製作の機会を幾つも頂戴しているのである。 つい先日納品したばかりの太鼓台をイメージした太鼓台型フォトフレームである。こちらも同じくハートをくり抜いた。ご本人の了承を得たので登場いただくこととする。下の息子と同年ながら、既に和太鼓界で多方面に活躍されていて大変うれしい。

太鼓台フレーム1 太鼓台フレーム2

太鼓台製作中

市内のプロ和太鼓奏者Oさんからの依頼で大太鼓用のX字型の太鼓台を製作中。持ち運び時は折り畳み、使うときに広げて上部に太鼓を水平に載せ、時には両側から二人で叩くというものである。見せてもらった見本の台を参考に寸法やデザインは少し変更して見た目と安定感を改善し、キャスターも追加。楢や桜より幾分軽い栗材を用いて、最初の1セット目がほぼ完成したので、今日現物を確認してもらいOKとなった。 1月の発表会に使われる予定で12月中旬頃までに追加製作し6セット納品予定。同じものを6セットも作るのは家具としては(家具と呼んでいいのか微妙だが)初めて。塗装色も決まったのであとはひたすら作るだけ。

今月は、部屋のコーナーに置く三角棚も納品済み。角部分の脚がコンセントに近いので抜き差し時に支障がないようコンセントに近い部分だけ脚を細くしている。

というようなわけで木工なら何でも特注賜りま~す。

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リビングテーブル完成

9月中旬から製作を開始していたリビングテーブルだが昨日ようやく完成して納品も終えることができた。製作期間およそ40日間、過去三本の指(ホントは二本だけど)に入る大作である。どこにも曲線・曲面のない直線・平面だけで構成したテーブルで、板の角の部分も一切円弧成分のない45度の平らな面取りをほんの少し(1mm程度)手鉋で施しただけである。これまで作った家具の中で一切R要素のない初のチャレンジでもある。

依頼者の希望で天板とロの字の脚も面を揃えた面一のデザインになったので、その思想を徹底してみた訳である。とはいえ完璧な面一構造は、わずか0.1mm程度のずれも照明の当たり具合や指の感触で目立ってしまうので、最低限の面取りを入れたうえで天板は脚から1mm程度張り出すようにした。

広いリビングルームのかつてピアノが置いてあったという壁面に向かって置かれたテーブルを幸いにもご夫婦そろって気に入っていただけた。リビングルームがグレードアップしたとの有り難い感想までもらい、恐縮しつつも作者としては大変嬉しいことであった。最高級のウォルナット材をふんだんに使い、時に痺れながらの(ミスの許されない天板最終カットやカンナ掛けに)経験は大変勉強になった。自動カンナの切れ味が落ちてきたため途中で機械の設定や刃物交換の試練も乗り越えての無事完成、達成感に浸っている今夜である。

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ちなみにここが引き出し(納品前)

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玄関スツール

工房に陳列している家具を増やさねばと常々思いながらもなかなか果たせないでいたが、暑さが遠のいた今週になってようやくひとつ追加できました。 玄関スツールです。玄関に置いて靴を履いたりするときにちょっと腰かける、というのが想定シーンですが、もちろん他の用途でもOK。同じデザインでつくる久しぶりのふたつめ。関心ある方、写真を拡大すると価格も見えます。

玄関スツール2

仏壇

以前の職場の同僚だったY氏からの突然の電話でそれはスタートした。同居されていた高齢の母上がお亡くなりになり、間もなく四十九日の法要を迎えるにあたって仏壇を用意したいとのこと。マンション住まいでもあり、仏間を決めて仏壇を置くことも考えたがむしろリビングルームにさりげなく新たなスペースを設け、日常生活に仏様との対話を溶け込ませたいとの希望であった。広いリビングルームの壁一面を占めるキャビネットのひと区画をあけるので、仏壇のように使える棚の製作を依頼したいとのこと。キャビネットのどの場所でどんなスペースにしてどんな棚を何の材で作るか、ご夫婦と相談の結果を図面にして、最終的にウォルナットを用いて完成したのが下の写真である。法要の二日前に滑り込みで完成し、設置直後に撮影させてもらった。明日には、仏像・仏具とともにご位牌が置かれることになる。

この方面の知識も礼拝の儀礼も極めて不勉強の身で、製作にいささかの躊躇もなかったわけではないが、天寿を全うされたご母堂様には天国から優しく見守っていただけているのではと想像した次第である。合掌。

仏壇

夕涼み会

工房のあるあきんどの里に隣接する近江兄弟社幼稚園が、7月25日夕方から夕涼み会を開催するということで、例年あきんどの里にある各店舗も園児や保護者に食事提供などを行うのが慣例となっている。さすがに工房が食事提供と言う訳にはいかないので園児(の親かな)向けに木工品を広場の屋台に並べようと準備中。いつもの小物木工品だけでは面白くないので、ドミノ倒しの小さな木端を用意。さらにフジタサキエさんにイラストを提供してもらうことに。子供向けならこれでしょ、ということで「上半身マンと下半身マン」、彼女オリジナルのユニークなイラストの数々である。はがきサイズの写真立てを急遽1ダースほど製作してイラストはがきとセットで販売予定。 イラストはがきだけでも販売。 還暦過ぎのオヤジに園児(ならびに若い保護者)の嗜好は予測不可能ではあるのだが、豪快に売れ残るのかはたまた完売か、楽しみではある。

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