薬師寺東塔解体修理見学

「凍れる音楽」と呼ばれる薬師寺東塔。その解体修理現場の見学に行かれた現役時代の先輩である浅井さんのFacebook 書き込みを数日前に読んだのがきっかけで、ゴールデンウィークのさ中に奈良へ行ってきた。浅井さんから、瓦の寄進をすれば解体修理現場の足場へ上って見学できると電話で教えていただいたその日の午前中に速攻行ってきたのである。ゴールデンウィーク中なので高速道路の渋滞やお寺の行列も覚悟したが、どういう訳かどちらも皆無。2009年から始まった解体修理は、下から2/3ほどが再び組み上げられていて、2020年の完成を目指しているとのこと。

昼過ぎには薬師寺に到着し、東塔の痛んだ瓦の差し替え用の瓦(6万枚中1割ほどを入れ替えると言われたかと思う、多分)を夫婦で2枚申し込んだ。その瓦に般若心経の一文字を名前と共に書き込んだ。その会場には屋根から降ろされた東塔の相輪が分解して置かれていて間近に見る事もできた。触るなと書かれていたが、無断で軽く触れてみた。修理完了時再び屋根の上に取り付けられれば、もう二度と触れる機会は来ないのである。

 巨大な銅製

 飛天像の水煙(4つ)

東塔が完成してから1300年とのこと。心柱の最下部こそ白アリ被害などで痛んでいたらしいが、心柱も含めて痛んだ部分だけを補修して材料は極力再利用する方針だとか。1300年前の建築が今なお優れたものとして存続しているという事実に驚くほかない。

 

ところでこれは現場に幾つも置かれていた作業台(馬、正式にはなんて言うのかな?)。四方転びのウマを始めてみたが、かっこいい。工房でも作ろうと写真を四方から撮って来た。

見学の後は、生まれて初めての般若心経の写経をして納めてきました。肉体が朽ち果てた後何百年の先まで東塔の瓦に名前が残り、写経も保存されると聞いて、えも言えぬ満足感とともに家路についたのであった。いやぁ、行ってよかった。感謝感謝>浅井さん。