カテゴリー別アーカイブ: 展示会など

テーブル完成

ようやくウォルナット製のテーブルが完成。二本脚風で実は四本脚なのだが、脚の取り付けは、レッグジョイント金具を使ってみた。天板裏に円盤型の金具を、脚側には棒状の金具を8cmほどねじ込んで(更に側面からテーパーピンで抜け止めを施す)両者をボルトで締め付けて天板にガッチリと脚を固定するわけである。伝統技法の吸い付きアリ桟にホゾ穴を掘って脚を固定してアリ桟を天板に固定するやり方も頑丈な仕上がりでいいのだが、運搬時などに脚部分をそう簡単には取り外し出来ないのが玉にキズ、なのである。

金具を使うと手のひらに乗るような小さな六角レンチひとつで脚の付け外しや締め増し(将来的に木が収縮してもボルトを締め増しすればOK)が可能という大きなメリットがある。脚さえ外せば天井の低いワンボックスカーでもテーブル運搬は容易になる。

ということで、近江八幡市文化会館で今週からスタートしたおやじ連の作品展に以前作ったスツールと一緒に搬入して来た。毎年の恒例行事である。巨大な節が目だつ、「大節テーブル」である。

おやじ連の作品展には色々な作品が展示されるのだが、一番人気は、この爪楊枝でできた建物であろう。

彦根城や法隆寺金堂、市内歴史建造物の白雲館などこれまでの大作をまとめて見ることが出来る。大型家具製作など比較にならないほどの周到な準備と根気と長時間にわたる製作時間を掛けて完成に至ると製作者のSさんから聞いている。

金物市と木材市へ(2)

金物市の数日後、今度は各務ヶ原の平野木材で毎月一度開催されている木材市へ出掛けた。数年前まで毎週通っていた湖西の慧夢工房の松井さん(私の木工師匠です)と先般匠の祭でお会いした際に11月の市に行かれると聞いていたので、私も一年ぶりに早朝目覚ましを掛けて軽トラで駆け付けたのである。

人生の楽園というテレビ番組をご存知の方も多いと思うが、たまたま6月ごろの放送を見ていたら近江八幡市に隣接する東近江市で手作り弁当箱を作られている寺本さんというご夫婦の話だった。で、その方が弁当箱の材料を仕入れておられるのが、岐阜の平野木材でその木材市での競りの様子も放送されたのでビックリしたことを覚えている。案の定、放送以降この木材市にやって来る人がどっと増えたらしい。

この木材市では、板材と巨大な原木両方の市がたつのだが、当然ながらその板材の方に参加するわけである。午前中5時間で千を超す競りを終える必要があるのでひと競りを0.3分≒20秒以内で終える必要がある。私が買えそうなこじんまりした材など(一山単位の競りもしくは複数枚の塊を1枚当たりの値段で競り落とす)ものの10秒足らずで終わってしまうことになる。スタート時の値段で買い手がない時は、値段が下がっていくのだがその下がった値段で応札者がいるとその瞬間で競り完了となってしまう。値段が上がっていくときにも応札者の値付けの後コンマ数秒で競り終了となってしまい、瞬間的な反応で応札しないと競り落とせないという厳しい(と同時に面白い)世界(?)である。

 板、板、板

 慧夢工房のお二人も

何が何でも仕入れたいと思っている材がある訳でもなく、また下調べもせずに出かけたので、その場で悩みながらひとテンポ遅れた応札はコンマ数秒遅れで常に競り終了後となってしまい、瞬く間に1000番台へと移ってしまった。

空の軽トラで帰る訳に行かないのでウォルナットの幅広めの板(でも1.3m程度の短い)3枚セットを終了間際にゲットしてきたのでありました。1~2年後に椅子になってもらおうと今は思っているが、どうなりますか?

 本日の収穫

金物市と木材市へ(1)

11月に入ってから兵庫県三木市の金物市と岐阜は各務ヶ原の木材市に立て続けに行ってきた。ちょうど、木工の合間の刃物研ぎをやっている最中に金物市(正式名称は三木金物まつり)をやっていることに気付いて、いそいそと砥石を買いに出かけた次第。鉋や鑿の刃物研ぎは、1000番と4000番の人工砥石で研いだ後(この時点で鏡のようにピカピカ)仕上げに少し天然砥石を使うと地金部分(木を削る鋼を支える軟鉄部分)の鉄が銀ピカから曇った黒色に変化して「研いだ!」感が増すのである。研ぎの本などを見ると天然砥石はピンキリではあるものの、素晴らしいものに出会うとよく切れるようになり、なおかつ長きれするようになる、などと書いてあり、少し違ったものを試したくなった次第である。会場に行くと何軒もの砥石屋もあり、試し研ぎもやらしてくれる。とはいうものの、必ずしも平らに仕上げられた砥石ばかりでもなく、違いを感じるもののどちらがいい砥石なのか、正直なところさっぱりわからない。何軒か回った後に、結局巣板と呼ばれる硬そうな砥石を買ってみた。やたらに広い会場には、体育館のような屋内でブランド刃物をブランド価格(?)で売る店もあれば、屋外のテント下で幾分錆が回った刃物や売れ残ったような道具が段ボールに放り込んで特価で投げ売りする店もあり、掘り出し物を探すのはなかなか面白いものではある。

帰る頃には、手元に鉋の刃や裏金だのミニ槍鉋、サビたのみ、売れ残りの外丸鉋(いずれ四方反りに改造予定)、それに唯一新品の替刃鋸などをぶら下げていたのでありました。

(木材市は次回へ続く)

匠の祭終了

匠の祭が終了して一週間、気合を入れて準備した後の脱力の日々が過ぎた。今回の会期4日間は、台風21号とぴったり重なってしまった。

 小雨のひととき

初日の金曜日は、まだ大した降りでもなく大勢の方が狭い山道を通ってやって来ていただいた。2日目は、だいぶ台風が接近してきて時に大降り状態。会場では飲食ブースが屋外のテント下で営業されているのでテントに雨水がたまり苦労されていた。夜は恒例の(初参加なのでおそらくなのですが)参加者交流会が開催され、テント下の炭火でプロの料理人によってイワナが焼き終えるのを合図に宴会開始となった。

主催者のご家族やボランティアの方達に準備いただいた豪華な料理とともにアルコール類が豪快に空いていく。私は、車で通っているのでノンアルコール・ビールを飲みながら、久しぶりに見る何人かの豪傑の(女性もふくめ!)一気飲みを唖然と見守るばかりであった。最後の一気飲みから一体何年経ただろう。周りは、木工ほか手づくり職人ばかりで話が弾む。

3日目、いよいよ台風は滋賀県に接近して強風と大降りのなか、それでも県内からあるいは石榑トンネルを通って三重県からも来ていただいた方も。大いに感謝である。

4日目となる日の未明、台風は滋賀に最接近し、朝には遠ざかったっていった。台風一過の青空を期待したが、どんよりとした曇り空である。当日朝のニュースで、名神高速も閉鎖、東海道線も不通のとのこと、不安に思いつつも最終日の会場へと車で向かった。やがて永源寺あたりで車のナビがとんでもない道を指し示すのであった。ナビ画面の前方地図を見てみると国道421号線に通行止め表示が出ていた。会場に電話をして聞いてみると、会場の少し先で土砂崩れになっているが会場までは通れる、とのこと。平素の何倍もの落ち葉や小枝で敷き詰められた山道を進んで何とか会場に到達したのであった。

 会場前の小川も増水

県内各地で台風被害もでた中、さすがに通行止め警告を押し切ってやって来る方はほぼいない(でも午後からやって来てくれる方も何組か、感謝である)。

ということでなかなかに貴重な経験をさせてもらった4日間でした。来年の再会を期して一本締めの後、神社前の石段で参加者の記念撮影をして引き上げたのでありました。悪天候の中、来てくださった皆様に再度感謝。

匠の祭

いよいよ今週の金曜日(10月20日)から奥永源寺での手作り展・匠の祭が始まります。ここを目指して作って来たものが出来つつあります。

今回の試みは、電子工作と木工の融合(?)への初チャレンジ。Arduinoと呼ばれる小さなマイコンボードが簡単なソフト開発で出来るという事を教えてもらい、モーターを動かしたり、文字を表示したり、距離や傾きを測ったりが簡単にできるという事で次々テストで試作。で融合第一弾が、LED表示器。

スマホやタブレットからの指示で(WiFiまたはBluetooth)で好きな文字や時刻や温湿度をドット・マトリックスのLED表示器に表示するというモノ。新幹線車内のニュース表示のように右から左に文字が流れます。しゃれたウォルナットなどの小箱に入れましたが、欲しい人、ひとりぐらいいないかなあ?

もちろんメインは家具・木工です。4本脚の栗のテーブル(売約済みなので展示見本)やブラックチェリーのサイドテーブルが新作、小物は定番のカッティングボード、ボールペンに加えて、木のバッタを。木のバッタは、最近注文をいただいたので久しぶりに作りました。子供がひもを引っ張って転がると同時に脚がバッタのように動くというもの。

 まだ未完成、今日完成できるか?

ということで、20日(金)から23日まで奥永源寺にて開催されます、ご来訪どうぞよろしくお願いします。詳細は、前回ブログに記載しています。

 

 

 

「匠の祭」@奥永源寺

毎年10月に東近江市は奥永源寺で「匠の祭」というてづくり作品の展示会がひらかれていて、木工だけでなく陶芸やガラス、革、ナイフ、能面など多種多様な手作り作品を見ることが出来ます。知り合いの木工家も何人か出品されていて、今回初めて参加させていただくことになりました。家具だけでなく木工小物もあわせて持って行こうと計画中。

奥永源寺への道は、永源寺ダムを過ぎて国道をはずれるとどんどん細くなって行き、そのうち対向車とすれ違うのもやっとになり、道を間違えたのではと不安を感じる頃に到着します。会場への地図は、パンフレットを見るよりこのリンク先(滋賀観光案内)を見る方が便利そうです。

食のブースも設置されています。お暇な方もそうでない方も是非覗きに来てください、きっとお気に入りの一品を見つけられますよ。永源寺の紅葉にはちょっと早いですね。

日時:平成29年10月20日(金)~10月23日(月)  10:00~16:00

会場:東近江市蛭谷町176   筒井神社周辺(木地師資料館前)

詳細は下記パンフレットをご覧ください。

(クリックすれば拡大)

写真撮影会

家具展への搬入を前に作ったスツールの撮影会。 超久しぶりにグラデーション背景紙をセットして撮ってみた。 背景紙のサイズが小さいので、スツール両端にほんのわずかしか余白が残らなくて苦労した。

トリミングして何とか背景紙を飛び出さないようにした中から数枚。

 

 

まもなく家具展

家具展まで残り1週間余りになってしまった、オロオロ。

今日は、ウォルナットの自然木ベンチが完成。やや薄い板なので座板に脚を丸ほぞで直接差し込むのは止めて脚の部材を別の厚板と反り止めの幕板に固定してから座板を乗せる構造にしてみた。

使ったウォルナット材は木の股の部分の割れ目が入っていたのだが、その割れに赤みのあるカリン材でチキリを作ってアクセントにしてみた。節や股の部分など木の内部に応力が掛かる箇所には面白い木目や杢が現れるのだが、まさにそういうややこしい木目が描かれている。

あと、電波時計の置時計も製作中。何年も前に手に入れた欅の瘤部分の板を使った。いつか時計を作ろうと決めていたのだが、この機会のようやく実現。電波時計のムーブメントなので誤差のない時計となる。あとひとつ、これと似た樺の瘤材もあるのでこれも同じく置時計に加工予定(間に合えば)。

黒檀棒を8mm径に削り出して、盤面に埋め込んで3/6/9/12時のマーキング。塗装したばかりで濡れているのでムーブメントと針の取り付けは明日。

あと、丸い革座のスツールも作らねば。

スツール勢ぞろい

家具展に向けて各種スツール類がようやく出来上がったので、並べて記念撮影。板座面・お尻にフィットする凹凸を付けた板座面・革座面・ペーパーコード座面、ベンチをひとつだけおまけで。どれが嫁入りできるのか想像してみる。

まだ着手していないが、ナラとウォルナット以外の材であとふたつほど作りたいが、出来るかなあ? それから丸座面のも。

ペーパーコードは、強く張る際に手や指先が痛くなるので、しばらくやりたくない。。。

取りあえず、スツールは一段落して次は小物を作る予定。

家具展の準備中

来月はじめの家具展に向けてこのGWも黙々と製作中。去年の反省を生かして品揃えを増やすべく、ま四角っぽいスツールをいろいろな座面(板、革、ペーパーコード)の組み合わせで作ってみつつある。初めて革張りにも挑戦。ウレタンマットとスポンジを座板に貼り付けた後、渾身の力で革を引っ張ってタッカーで座板に留めていく。角部の処理が結構難しく、シワをうまく散らしながら固定しないと角に大きなシワが入ってしまう。この黄色いのが二層目のスポンジであんこのチップウレタンの周りを囲っている。
で、ほぼ完成した革座面スツールがこれ。木部はまだ塗装前。手元に持っていた革でスツールに貼れる大きさがあったのはこれひとつ。
もうひとつ同サイズでウォルナット版も本体部分は出来上がっていて、隣の革工房cogocoroの田中さんに革を張って貰っているところ。革屋さんなのでいろいろな色のが揃っている中で、彼の強いお勧めで黄色の革に決定。自分一人のセンスではとても選べなかったパンチあるスツールとなるに違いない(まだ出来てない)。
他にも、4本の脚をナラの耳を残した厚い座板に斜めに差し込んで固定したスツールとベンチも完成。この後時間があれば、栗やウォルナット版も作る予定。三角形のスツールは以前作ったのが残ってるので、取りあえず十数脚は出来そう。骨組みだけのスツールは、きょう接着が終わったばかりで、今週中にもペーパーコードで座面を編む予定。
 これらが完成したら、やり掛けのままの小物類も仕上げねば。夏野菜もそろそろ植えつけないといけないし、今月は忙しい。