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第7回 匠の祭

「匠の祭」展示会が奥永源寺で今年も開かれます。今年で第7回ですが、木工房YZは昨年に続いて2回目の出展です。

昨年は、台風とピッタリ重なって連日の大雨や最終日は高速道路や奥永源寺の先の道路閉鎖などもあり大変な展示会になりました。今年は、秋晴れを期待したいところです。興味・関心ある皆様方のお越しをお待ちしています。

下記のパンフレット裏面に記されているように木工の外にも陶芸やガラス、革、ナイフ、能面など多種多様な手作り作品を見ることが出来ます。会場のある奥永源寺への道は、永源寺ダムを過ぎて国道をはずれるとどんどん細くなって行き、そのうち対向車とすれ違うのもやっとになり、道を間違えたのではと不安を感じる頃に到着します。

日時:平成30年10月19日(金)~10月22日(月) 10:00~16:00
会場:東近江市蛭谷町176 筒井神社周辺 (木地師資料館前)
詳細は下記パンフレットをご覧ください。

facebook にもこのイベントページが出来ています

https://www.facebook.com/events/2401214376585706/

 

Yチェアの秘密

「Yチェア」と呼ばれるデンマーク製の著名な椅子がある。日本で最も売れている北欧家具である。その椅子にまつわる書籍「Yチェアの秘密」の著者である坂本茂氏(木工デザイナー)と西川栄明氏(木工関連書ライター)の講演会に参加して来た。この書籍が出版されてから全国各地で幾度か開催されているのだが、先週京都工繊大での学生向け講演に学外からも参加可能という事で、滋賀から琵琶湖大橋を渡り大原を通り抜けて同大学キャンパスへ行ってきたのである。

デンマークの巨匠ハンスJ.ウェグナーがデザインしたこのYチェア、発売から65年以上経つのにこの間延々と世界中で売れ続け、日本だけで今でも年間5~6千脚売れているのだとか。毎日20脚という凄まじさ。生涯何百脚もの名作椅子を残したウェグナーの作品の中の金字塔であり、その秘密が解き明かされるという訳である。

この椅子を日本で輸入販売している会社で長年この椅子に関わって来られたという坂本氏の解説、表も裏も知り尽くす人ならではの解説に聞き耳を立てた。

数多くの家具の中で椅子ほど難しくて面白いものはない、と思う。デザインが優れていて美しいこと、座り心地のいいこと、そこそこ軽量で移動や持ち運び可能であることに加えて、何といっても毎日その上で何時間も腰かけて体重を掛けられ続けることに耐える頑丈さ、毎日使って飽きの来ないこと、食卓椅子など同時に複数脚を揃えることから価格的な制約も大きい、などなど。機能と美と耐久性などすべてを高次元で実現しない限り、椅子としての期待に応えられない、のである。

ということを自覚するあまり、未だに自分の椅子へのチャレンジが出来ないでいる(子供椅子とスツールぐらいに留まってる)。世の中にあまた存在する市販椅子にとって代わるようなオリジナル椅子のアイディアも未だ湧いてこない。

そんな言い訳を頭の片隅に浮かべている間に講演は先へと進み、やがて第二部の座編み実演が始まった。この椅子の座面は板張りでも革や布地張りでもない特殊な紙ヒモで編みこまれているのである。茶色い紙を直径4mmほどのロープ上に巻いたペーパーコードと呼ばれるヒモを縦横に巡らせて座面となすのである。一脚分におよそ120メートルものコードが使われる。

実演される坂本氏、このペーパーコード張りの達人で一脚編み上げるのに驚きの45分、日本一は無論もしや世界一では、とのこと。Yチェアの座面は、10年~20年と使い続けるとさすがにペーパーコードが伸び編み目も崩れ、座り心地が悪くなるので張替える必要が出てくるのだが、この張替えを請け負うために必要なペーパーコードをデンマークからコンテナ買いをする、などとサラリといって聴衆をどよめかせるのである。

というようなわけで、完成したYチェアがこちら。右側は前回張替えから20年経過したYチェア、左側が張替え直後の美しい座面。試しに腰掛けると座り心地も全く違う。ただ、背中のYの字の根元が深く腰掛けた際には尾てい骨あたりに触れるのが、個人的には正直なところ少し?と思ったりもした。

一方こちらは、工房の片隅に転がっているワタクシが以前ペーパーコードを張ったスツールの写真。だらしなくコードの間に隙間が空いていてヒモが交差するXの形もビミョーにカッコ悪い。編み上げた直後から、カッコ悪さを自覚していたのだが、今回講習でのヒントを参考にいよいよ張替えねば、である。

ということでクダクダ長文失礼しました。この機会を頂戴した西川様(この書籍にサインいただいた)、坂本様、有難うございました。大変勉強になりました。もっとも、このおふたりがこのブログを読まれる機会は、永久に来ないと思いますけどね。

かんじる比良

今日から湖西は北比良の別荘地にある私の師匠の慧夢工房・松井さんのところで「かんじる比良」イベントに出展中。昨日の搬入時は、蒸し暑い梅雨時のような天気だったのが、1日過ぎただけで今日は一転して肌寒くなり、強風も吹き重ね着しても寒いほどだった。

別荘地の林の中の広い敷地にセルフビルドの工房を備えたログハウス、という羨ましい環境。ここに慧夢工房ご夫妻の作品に加え、もうひとりの木工作者と私が参加させてもらっています。

 工房主の作品

 奥様の洒落た作品群

 田谷さん

 ここは私

 休憩所

巨大なクスノキの丸太テーブルの脇のバケツには、工房内で生まれたモリアオガエルのおたまじゃくしと孵化したばかりのメダカが泳いでます。

青空(曇り空でしたが)旋盤教室で生まれて初めての木工旋盤でペンづくりをしてくれた近所の小学生。上手にできました。

明日は、青空が見られそうだが、今日より寒くなるとか。風はおさまって欲しいなあ、出来ることなら。

日曜日に時間のある方、湖西の広い範囲でさまざまな手づくり品や美味しい食べ物屋さんも数多く参加しているこのイベント、宜しければどうぞ来てみて下さい。

家具展に向けて

この週末と来月1日からのダブルイベントに向けて小さな木工品を製作してきたが、取りあえず一段落。ひとつは箱類。ティッシュペーパーボックスは、専用箱だがそれ以外は、ペン類やカトラリー、あるいは身の回りの小物やアクセサリー収納など目的は使う方に考えてもらうことにして、とにかく色々作ってみた。

四角四面な箱以外にも材木を割って作ったへぎ板の箱も。そのうちのひとつは、市内在住の漆器作家の藤井氏に生漆を塗ってもらった。実は、その漆を少し分けてもらったので一段落したら訓練校の実習以後初めての漆塗装にチャレンジの予定。どうなるか今から楽しみ。

あとは、薄皿も製作。何年も手元で転がっていたケヤキの面白い杢の薄板を平らに鉋掛けをして小皿にしてみた。また神代欅と呼ばれる長年土に埋もれていたケヤキの短い板がありボールペンなどに使っていたが、割れが多く入ってペンに使えない部分を切って同様に小さな厚皿にしてみた。ヒビだらけだが、意外と面白い。ついでに最近依頼を受けて鍋敷きを沢山作ったのだが、その治具があるので少し追加で作ってみた。

まずは、19~20日の「かんじる比良」@慧夢工房で見てもらう予定。

木の家具40人展 2018

木工家ウイーク NAGOYA 2018 が6月1日(金)から3日(日)まで名古屋市で開催されます。例年複数会場で同時並行にいろいろな木にまつわるイベントがあるのですが、今年は一層パワーアップして13会場で13イベントが開催されます。

13あるイベントのひとつが、木の家具40人展@電気文化会館なのですが、木工房YZも3回目の出展をさせていただきます。会場内に40工房が作品を並べますので、興味ある方にとっては一気にいろいろな作風の個性あふれる家具や木工品を見ることが出来る場となります。私の今年のテーマは、「箱」。大小さまざまな箱を鋭意製作中です。

興味ある方は、下のリンクに全体のパンフレットがありますので、お気に入りのイベントに的を絞って(絞らないととても全ては見られません)、是非お出かけいただければと思います。

木工家ウィーク NAGOYA 2018 ホームページ

木工家ウィーク NAGOYA 2018 のパンフレット

木の家具40人展

 

かんじる比良

かつてお世話になった木工教室の慧夢工房さん(湖西の北比良)のお誘いで「かんじる比良2018」5月19日(土)~20日(日)の2日間、軒先をお借りして一緒に出品させてもらうことになりました。

ガイドマップはこちら

Special Events(期間限定店)案内はこちら

いろいろな木の小箱やボールペン、カッティングボードなどを販売する予定です。また小型の木工旋盤を使ってのボールペン製作実習も出来るよう計画中です。

工房訪問+木材市

今週、愛知県一宮市の家具工房 Trunk さんをお訪ねした。代表の福岡さんは、名古屋で毎年6月に開催される木の家具40人展の運営委員をされていて、2年前の6月に初めてこの家具展に参加させてもらった時、ブースが近くてまた年齢もほぼ同じということもあり、親しくお話をさせていただいたのが最初の出会いでした。工房は、元繊維工場だったそうでこの写真のように超広々としていて木工房YZが5つも6つも入りそう。ここで数々の素敵な手作り家具が生まれている。隣には広い常設ギャラリーも。

 HPから拝借

ちょうど木工教室の最中にお邪魔したので、生徒さん達の製作の様子を見せていただいたり、教室の進め方などについて貴重なお話を伺うことが出来た。巨大なプレスマシンやルーターマシン、ベルトサンダーほか教科書に出てくるおよそ全ての木工機械も完備されている。最重量機械の手押し鉋盤や自動鉋盤などもキャスター付きの頑丈な鉄枠の台に乗っていて手で押せば移動可能になっていることに感心。あれやこれや、大変勉強になりました。大変有難うございました>福岡さんへ。

訪問の翌日が岐阜県各務原の木材市の日であることに出発直前に気付いて、これ幸いとその日岐阜で泊まり翌日の木材市に今年初めて行ってきた。福岡さんの工房内の壁に立て掛けられている物凄い量の木材を見た直後だったからという訳でも無いが、今回は軽トラの荷台を埋めるぐらいの板材を積んで帰ることになった。

殆どは、値段が吊り上がることもなく(それどころか入札者がいなくて値下がりするのも多い)お買い得品が殆どながら、一枚だけ少し背伸びして一枚板を落札。

 いつ、家具になれるかな?

これまでボールペンや一輪挿しで少量しか使ったことのないクラロ・ウォルナットというシックな材を落とすことが出来た。軽トラから降ろして家具移動用のキャスターに乗せて工房の壁に立て掛けるまで、やたら重くて妻との二人掛かりでも大変だった。乾燥しきるまで当分壁飾りである。

テーブル完成

ようやくウォルナット製のテーブルが完成。二本脚風で実は四本脚なのだが、脚の取り付けは、レッグジョイント金具を使ってみた。天板裏に円盤型の金具を、脚側には棒状の金具を8cmほどねじ込んで(更に側面からテーパーピンで抜け止めを施す)両者をボルトで締め付けて天板にガッチリと脚を固定するわけである。伝統技法の吸い付きアリ桟にホゾ穴を掘って脚を固定してアリ桟を天板に固定するやり方も頑丈な仕上がりでいいのだが、運搬時などに脚部分をそう簡単には取り外し出来ないのが玉にキズ、なのである。

金具を使うと手のひらに乗るような小さな六角レンチひとつで脚の付け外しや締め増し(将来的に木が収縮してもボルトを締め増しすればOK)が可能という大きなメリットがある。脚さえ外せば天井の低いワンボックスカーでもテーブル運搬は容易になる。

ということで、近江八幡市文化会館で今週からスタートしたおやじ連の作品展に以前作ったスツールと一緒に搬入して来た。毎年の恒例行事である。巨大な節が目だつ、「大節テーブル」である。

おやじ連の作品展には色々な作品が展示されるのだが、一番人気は、この爪楊枝でできた建物であろう。

彦根城や法隆寺金堂、市内歴史建造物の白雲館などこれまでの大作をまとめて見ることが出来る。大型家具製作など比較にならないほどの周到な準備と根気と長時間にわたる製作時間を掛けて完成に至ると製作者のSさんから聞いている。

金物市と木材市へ(2)

金物市の数日後、今度は各務ヶ原の平野木材で毎月一度開催されている木材市へ出掛けた。数年前まで毎週通っていた湖西の慧夢工房の松井さん(私の木工師匠です)と先般匠の祭でお会いした際に11月の市に行かれると聞いていたので、私も一年ぶりに早朝目覚ましを掛けて軽トラで駆け付けたのである。

人生の楽園というテレビ番組をご存知の方も多いと思うが、たまたま6月ごろの放送を見ていたら近江八幡市に隣接する東近江市で手作り弁当箱を作られている寺本さんというご夫婦の話だった。で、その方が弁当箱の材料を仕入れておられるのが、岐阜の平野木材でその木材市での競りの様子も放送されたのでビックリしたことを覚えている。案の定、放送以降この木材市にやって来る人がどっと増えたらしい。

この木材市では、板材と巨大な原木両方の市がたつのだが、当然ながらその板材の方に参加するわけである。午前中5時間で千を超す競りを終える必要があるのでひと競りを0.3分≒20秒以内で終える必要がある。私が買えそうなこじんまりした材など(一山単位の競りもしくは複数枚の塊を1枚当たりの値段で競り落とす)ものの10秒足らずで終わってしまうことになる。スタート時の値段で買い手がない時は、値段が下がっていくのだがその下がった値段で応札者がいるとその瞬間で競り完了となってしまう。値段が上がっていくときにも応札者の値付けの後コンマ数秒で競り終了となってしまい、瞬間的な反応で応札しないと競り落とせないという厳しい(と同時に面白い)世界(?)である。

 板、板、板

 慧夢工房のお二人も

何が何でも仕入れたいと思っている材がある訳でもなく、また下調べもせずに出かけたので、その場で悩みながらひとテンポ遅れた応札はコンマ数秒遅れで常に競り終了後となってしまい、瞬く間に1000番台へと移ってしまった。

空の軽トラで帰る訳に行かないのでウォルナットの幅広めの板(でも1.3m程度の短い)3枚セットを終了間際にゲットしてきたのでありました。1~2年後に椅子になってもらおうと今は思っているが、どうなりますか?

 本日の収穫

金物市と木材市へ(1)

11月に入ってから兵庫県三木市の金物市と岐阜は各務ヶ原の木材市に立て続けに行ってきた。ちょうど、木工の合間の刃物研ぎをやっている最中に金物市(正式名称は三木金物まつり)をやっていることに気付いて、いそいそと砥石を買いに出かけた次第。鉋や鑿の刃物研ぎは、1000番と4000番の人工砥石で研いだ後(この時点で鏡のようにピカピカ)仕上げに少し天然砥石を使うと地金部分(木を削る鋼を支える軟鉄部分)の鉄が銀ピカから曇った黒色に変化して「研いだ!」感が増すのである。研ぎの本などを見ると天然砥石はピンキリではあるものの、素晴らしいものに出会うとよく切れるようになり、なおかつ長きれするようになる、などと書いてあり、少し違ったものを試したくなった次第である。会場に行くと何軒もの砥石屋もあり、試し研ぎもやらしてくれる。とはいうものの、必ずしも平らに仕上げられた砥石ばかりでもなく、違いを感じるもののどちらがいい砥石なのか、正直なところさっぱりわからない。何軒か回った後に、結局巣板と呼ばれる硬そうな砥石を買ってみた。やたらに広い会場には、体育館のような屋内でブランド刃物をブランド価格(?)で売る店もあれば、屋外のテント下で幾分錆が回った刃物や売れ残ったような道具が段ボールに放り込んで特価で投げ売りする店もあり、掘り出し物を探すのはなかなか面白いものではある。

帰る頃には、手元に鉋の刃や裏金だのミニ槍鉋、サビたのみ、売れ残りの外丸鉋(いずれ四方反りに改造予定)、それに唯一新品の替刃鋸などをぶら下げていたのでありました。

(木材市は次回へ続く)