tohru yoshizumi のすべての投稿

木工教室から(23年5月)

昨年暮れに前回の木工教室の作品を紹介してから半年近く経ってしまい、紹介する作品が随分たまってしまいました。5か月分を一気にご紹介。抜けてる作品もあるような気がしますが。。。

工房近くに在住の方のヒノキの作品。課題作が終わってから最初の自由製作です。彼の住む家近くの裏山に生えていたヒノキの大木が台風で倒れ、それを数年前に彼自身がチェーンソーで板にしたものです。薬箱として生まれ変わりました。取っ手の竹も近所の竹です。火であぶって綺麗に曲木(曲竹か)。

 

白木のキャビネットを作った木工女子さん。次々大作が生まれています。以下の4作品。

同じ方の巨大な墨絵額(約1m角)。ご自宅ログハウスの窓に掛けられてます。次の大きな鏡も。

最新作のパソコンデスクも完成。

こちらは、瘤付きの大きな一枚板のカバ材から作られたテーブル。厚さが5~6cmあったものを2枚に薄く切り分けて上下に配置されてます。バンドソーで切るには幅35cmぐらいにすれば厚さを半分に出来るのですが、瘤部分を残すとこの機械に掛からない幅があるのでど根性の手鋸カット。切り分けるだけでも何時間も掛かり、更に幅広で鉋盤にも掛からないので再び根性の手鉋掛け。手鋸カットした後の表面の凹凸を平らにするために先日研いだばかりの西洋鉋でとんでもない手間暇をかけて平らな板にされたのです。瘤の木目も形も美しい超オリジナルな作品です。

同じ方のヒノキの角材から根性の手ノミで彫りこんで作った小箱。合成漆と呼んだりもするカシューで黒く仕上げられました。

  

教室開設以来初となるご仏壇。コンパクトなサイズでいずれご自分が入ると言われているのですが。。。

タモ材を使われたのですが、漢字では「梻」と書くことを知りました。まさに仏壇にふさわしい木なのでした(偶然の一致でした)。

以前スピーカー台を作られたオーディオ趣味の方は、飾り音符をケヤキで作られました。固いケヤキは、糸鋸では歯(刃だけど)が立たないと思ったのですが、完璧な造形となりました。

彼は、息子さんの結婚式のために寄せ書きの丸板の陳列台も作られました。キャンプ好きなので寝袋のイメージで。

課題作後の初自由作にディスプレー額を作られました。スピーカーの穴とか電源ワイヤーの穴とディスプレーを引っ掛ける機構とかなかなかの苦心作です。濃色塗装の栗の木がおしゃれです。

賞状(だったかな?)を入れる額と穴あきチーズを模したカッティングボード。

この掘り込み、きれいに仕上げるにはメチャクチャ手間が掛かるのです。今、次作のとてつもないお洒落な宅配ボックスを作られてます。昨年から製作中断中のキャビネットも。。。

品のある4本脚の丸テーブル。こういうのはやはり女性らしさが感じられますね。

 

同じ方の楽譜棚。おっしゃれ~。

彼女のピアノ調律の仕事に使われるらしい部品箱。ピッタリと蓋が収まるのです。

 

最後は、ポプラの瘤材で作られた一輪挿し。木の皮をきれいに掃除する段階で生きた虫(鉄砲虫かな)が何匹も次々と出てきました。ポプラ瘤の一輪挿しは手づくり市でも一番の人気ですね。

5/27の教室でブログ報告のことを話していたらこれまでの作品で最も活躍している照明器具が出ずじまいだと指摘されました。すみませんm(_ _)m

と言う訳で2021年春に完成した曲木の照明器具の紹介です。直前に参加したアイロン曲木講習会で教えてもらった技でヒノキの薄板を丸く円柱状にアイロンで曲げた板を違った径で何枚も作り、すこしずつずらしながら重ねた力作です。

こんなのも作りました

だんだんものぐさになって来たのか、Blog掲載間隔も伸びてきたのですが、年が明けるまでに何とか最後のを書いておこう。ということで。。。

  • 2022年最後の家具

年の最後に納品したのは、勝手にワルツと名付けた本立て。キャスター付きの台に少し傾斜した本棚を向かい合わせに2組乗せたもの。少し傾斜しているので本を立ててもブックエンドなしで倒れません。上にはリモコンや眼鏡置き場になる天板も。

力が掛かる背板と本が乗る板の直角な角は頑丈なアリ継ぎ。

  • 座卓の大改造

滅多にない依頼ですが、既存座卓の大改造をやりました。大きすぎでまた重すぎるので6畳間で使えるように小さく薄くしてほしいとの依頼でした。元の板は90cmx150cmで天板厚も5cmというサイズの立派な一枚板の座卓です。年輪から推定すると元の木は優に直径150cm以上はありそうな巨大な木です。

 元の座卓

これをサイズを80cm x 120cm、板厚も4cm弱程度にというご要望。最初写真を見て色を付けた栃かと思ったのですが、はるかに重い木で国内の木ではなさそうです(こんなサイズの国産材は今や欅か栃ぐらい)。

苦労して工房に持参いただいた座卓を3人がかりで作業台に乗せました。自然木風に彫刻がほどこされた脚も取り替えついでに少し長くして天板高さをアップしてほしいとのこと。

天板にガッチリ接着された脚は、手鋸で切り落とします。

長さを短くカットし耳も切り落とし、新たに使用する部分は(40cmx122cm程度)手押し鉋盤と自動鉋盤で薄くして行きます。

脚は新たに手元の木で幾分似た印象のものをということでナラの木から丸脚に削り出します。特殊な脚取付け金具を埋め込みます。ネジを使って着脱可能かつとても強固に天板に吸い付いた脚に出来るのでよく使います。

オイル塗装すると入り組んだ杢が派手に浮かび上がり、気に入って頂けたようです。という事で無事完成してお渡ししました。

  • 根来塗りの十角盆

工房の近くに住む漆工芸家の藤井さんに根来塗り作品の本を夏ごろに借りました。その中の角盆の形が凄く気に入ったので合間を見て大きな八角盆と十角盆を適当な木で作ってみたのでした。八角盆はタモとベニヤの底板、十角盆は桑と欅の底板。

オイルを塗るか気が向いたら拭き漆してみようかと思っていたのですが、藤井さんが興味を示されたので両方とも持って帰ってもらいました。

しばらくしたら布着せをして漆の下地が施されつつある姿に変身。お盆全体の強度を上げるためにこういう下処理をするそうです。とても手の掛かる作業のようです。

やがて根来塗りで仕上げられたお盆に華麗に変身したのでした。出来上がったお盆を借りて10月の匠の祭では並べてみました。

そして11月の滋賀県展。滋賀県でこれまで3人しか認定されていないアートマスターの一人である藤井さんは棗ふたつ出品されたのですが(無審査)、なんとその棗が乗っていたのはこのお盆のひとつでした。木地はまあ言ってみれば縁の下の役割ですが、ウレシーの一言。

完成した十角盆、しばらく我が家に滞在中でこの正月のおせち盛り付けに活躍の予感!

それでは皆様いい年をお迎えください。本年も有難うございました。あと1時間ほどは今年です!?!

木工教室から(22年12月)

12月も残りわずか、今回が今年最後の木工教室作品紹介です。相変わらず凄い勢いで次々と新作が生まれてきています。

今回は作品タイプごとに掲載してみたいと思います。まずはスツール・椅子タイプ。最初は、8角椅子。チークとどんぐり系列の木です。脚が少し転びと言って傾いているのでほぞ部の加工は直角に切れないので手加工が必要になって来ます。。

こちらは別の方のブナの丸椅子。やはり傾いた脚なので加工には大分苦労されました。

ペーパーコードの欅スツール。親戚がお寺さんで数百年前の鐘撞堂の解体材を譲ってもらわれたそうです。一部に当時の彫りこみの一部を残してアクセントとしつつ歴史の継承をされました。。

こちらは樟の丸脚スツール。鉋を掛けるたび、工房中に樟脳の香りが漂ってました。

お孫さん用にハイチェアを檜で作られました。座板や脚乗せ板は高さを調整できるので、3歳から小学生の最後ぐらいまで使えるのではないかな。

こちらは、娘さんへのお父さんからのプレゼント。シェーカー家具と呼ばれるスタイルの机とスツールのセットです。栗の木を使い濃色塗装されましたが、とても洗練されたデザインです。

 塗装前

こちらは一見すると椅子に見えますが、実はお孫さんの洗面用の踏み台。キリンさんが見守ってくれます。

 顔のアップ

では次は、引き出しや収納箱関連です。

教室でも最近グリーンウッドワーキングをされる方が増えています。生木を手に入れて乾燥しない柔らかい間に加工できるのと、意図しない木の動きが作品に自然感を漂わせてくれます。最初は杉の木のメガネケース2種。野性的!

 オープン

工房すぐ近くのお住いの方の蓋つき小箱。本来は図面をお渡しして作ってもらう教室課題作なんですが、本人曰く「たねや風」格子模様のふたに変更されました。取っ手もオリジナルデザインに。

こちらは猫脚の引き出し。夜中に部屋の中で歩き回っているのかも!?!

猫好きの方向けのティッシュボックスふたつ。上からティッシュ箱を入れるのと下から入れるもの。お好きな方を選べます。

こちらは、キハダを使ったテレビボードです。小ぶりでもこの頑丈な脚でデカいテレビでも問題なし!

一気に6枚のカッティングボードを作られた方もいます。欅とタモ。自宅では使いきれませんね。

ご自宅にログハウスの別棟を建てた方は、窓や網戸、流しなどをご自分でお作りになってます。このシリーズはまだ続きそう。

最後は奥様のリクエストで作られた野菜かごと野菜棚。作者お気に入りの青森ヒバ製です。この写真には野菜かご1段しか乗ってませんが、実際には全部で3段あります。

写真を撮り損ねて掲載できていない作品もあるかも知れませんがご容赦ください。

太鼓台2022の②

ふたつ目に紹介する太鼓台は、ケヤキの丸太をくり抜いて作られた大きく重い長胴太鼓を乗せる台。

西洋楽器の多くは、長い歴史の中で標準化された大きさやデザインのものが主流だと思うが、和太鼓は実にいろいろなタイプのものがあり、たとえ同じ構造・デザインの太鼓台でも鼓面径が寸刻みで存在する(ようである)。太鼓の置き方も縦置き、横置き、斜め置き、時には肩から下げたりと同様にバラエティーに富んでいる(ようである)。

更に演奏者の背丈や演奏方法によって鼓面の傾きや高さの要望も変わってくる(ようである)。まあ、だからこそ滋賀の片隅で工房を営んでいる私のところに特注の太鼓台製作依頼が時々やって来る訳である。

今回の依頼主も遠く関東からでした。バリバリのプロ和太鼓奏者で経歴を拝見するといろいろな大会で優勝とか上位入賞されている。どういう訳かそんな方からの依頼を受け、誠に光栄なことです。メールを見返していたら昨年末に工房ホームページ経由で最初の問い合わせをもらってましたね。

しかしながら、さすがプロ。いろいろと注文が厳しい。縦置きと横置き(いずれも少し傾いてますが)兼用台でそれぞれの置き方をした際の鼓面位置の高さや傾斜角度の指定を満たさねばなりません。

更に最大の難関は、太鼓現物を一度も見ることなく台を作らねばならないこと。今回の太鼓は欅をくり抜いた太鼓で太鼓の皮を張る際に締めあげた状態のまま鋲で胴体に固定し、めくれ上がった皮がそのままの形で残されているのだが、その辺りの微妙な構造は、寸法なしで写真から推定せねばならない。

最終的に5台の注文を頂いたのだが、木は生きていて湿気を吸って大きく動くので規格は同じでも個体差や収縮で太鼓胴体の径など数mmの違いがあるはず。それも現物で確認できない。トホホである。

設計が固まった段階で台に使う材は、最終的に欅に決定。欅は取引している家具用材木屋さんの品揃えにはないので無理ですと伝えたのだが、「欅」一択なのでした。一枚板テーブルなどにいつか使おうと置いてあった6~7cm厚の板を数枚引っ張り出して2枚に割って使うことにした。

厚い板を2枚に割ると、反りが出たりするので一旦半割りにしてからしばらく放置して板内部の応力のバランスが釣り合った頃を見計らって再度平らに鉋掛けします。

基本、箱型の台なのだが、縦置きと横置きの両方に対応するために板の一部に太鼓のカーブに合わせた掘り込みが必要。各種治具を用意して機械で削れるところは削るのだが、いわゆる太鼓型の胴を乗せるには微妙な加工が必要なので最後は手掘りで仕上げます。

塗装色の指定も色見本を幾つも作り、何度もやり取りする中で最終的にマホガニー色(4度塗り重ねた濃色)のご指定。で、ようやく1台目が完成。太鼓現物を試作時に台に乗せて確認できない中、5台同時に製作する訳にはいかないのでまずは確認用である。

という事で配送された台に太鼓を乗せて確認してもらったのだが、残念ながら縦置き・横置き共に台の乗っている時の安定性が不十分とのご連絡をいただいたのでした。太鼓サイズの差があると怖いので若干幅に余裕を持たせたのだが、もっと余裕は小さくて大丈夫とのこと。

この結果を踏まえて、設計変更を入れて2台目を製作。今度は横置き時の太鼓を受けるカーブを10mm深くして、その分台を10mm高く、更に縦置き時の安定性が増すように側板にも太鼓受けの板を増設した。太鼓が乗る部分にはフェルトを貼っています。

実は、ちょうどこのころ市内に住まれている旧知の大橋プロが工房に来られて、ちょうど今回依頼の太鼓と同寸のものをお持ちで(以前その台を作らせて貰いました)、試し乗せするなら持ってきますよ、と有難いお申し出を頂く事が出来ました。

 横置き時

 縦置き時

出来上がった台にお借りした太鼓を乗せてみて両置き方ともOK、よさげ! という事で自信をもって2台目発送。無事合格! 縦横両方とも安定して台に乗るとの連絡をいただいた。同時に1台目も返送してもらい2台目同等サイズに改造したのでした。

という事で、残り3台も同デザインで製作開始。完成都度順次発送して随分長く掛かりましたが、無事納品完了したのでした。

いずれ依頼主のfacebookに掲載されるに違いない。5台揃って使われているシーンを是非とも見てみたいものである。

でも現物無しでの微妙な台の製作は難しいなあ、と再認識したのでした。

太鼓台2022の①

今年製作した太鼓台のご紹介。ひとつ目は、大桶太鼓を乗せる折り畳み式のデカい太鼓台。木工房YZ依頼主の最北記録でもある仙台のアマチュア和太鼓奏者の方からの依頼品で上に乗せる太鼓の中心部は床から約2mになる過去最高の背の高さである。

太鼓のサイズを教えてもらってその太鼓中心が床上195cmになること、安定感がいいように末広がりの4本脚で折り畳み式であることなどの指定があり、図面を書いて行った。最終的にはこのような図面で製作決定。

上部の円弧状のカーブ板の部分が今回の肝。折り畳み時にクルリと回せば折り畳み状態から簡単に決まった寸法で脚が固定されるという按配である(実用新案申請はしてませんが)。

いつものように栗材をご希望なので38mmの厚板を高山の材木屋さんから調達して木取り開始。板やら棒状に切り取って鉋盤に掛けて必要材の寸法に加工してからほぞ部分の加工へ進む。

今回は、2本の脚を上部でつなぐ材は、丸棒にする必要があるので旋盤加工で2本の丸棒も。

2本の脚を上部の丸棒と下寄りの板材でつながないといけないのだが、台形状に下が広いので交差部分は直角にならず、何かと手が掛かる構造ではある。

接着時も平行なクランプで締め付けられないので簡単な治具を作って接着。平行でない脚をこのようにX型に組んだ場合は脚をどんどん開いていくとやがて脚と脚がこすれていくので回転軸のボルト部分に微妙な間隔をあけて1mm厚ほどのワッシャを通さねばならない。

という事でウォルナット色のオイル塗装をしてようやく完成。

巨大廃段ボール箱を調達して梱包を終え、あとは発送して完了かと思いきや、今度は輸送上の問題発生。脚の長さだけで1.7m以上あるので通常の宅急便のサイズ上限を大きく超えているのである。依頼主からこの台を使う演奏日前の納入を指定されているが残り数日。

あたふたと輸送業者を当たってS急便なら送れると分かったもののこのサイズでは事前契約していないと送れないとのこと。焦ったものの偶然にもその数カ月前に同社営業から誘われて契約済みになっていたため事なきを得たのでした。

以前、沖縄に長い櫂を送るときにも送る方法が見つからず焦りまくった事があるが、今回も何とかクリア出来たのでした。送料は宅急便の比ではなかったですが。。。

今年5月に完成したこの台、太鼓が乗っている所を是非見てみたいのですが、仙台まで見に行く訳にも行かず演奏時の写真をお願いしています。届いたら貼り足したいと思います。Yさん、お待ちしてま~す。取りあえず図面で代わりを。

木工教室から(22年9月)

前回報告から4カ月、沢山の意欲作が生まれて来てます。その中から作品のご紹介を。コロナが徐々にインフルエンザ的になってきたお陰なのか教室生も少しずつ増えて来てます。

  • 親戚のお寺に残っていた鐘撞堂の古材を利用した作品を作られたT1さん。数百年を経た欅がボールペンとそのケースとして蘇りました。

同じケヤキ材で今はスツールを鋭意製作中です。

  • 木工女子 T2さん、引き続き次々と大物・小物を生み出し続けています。壊れたピアノ椅子の再生、コロコロ(?)スタンド、栗のCDラック。

  • 高難度の技が必須の作品に次々挑戦してされているT3さん。この小さな丸テーブルはシェーカー様式のキャンドル・スタンドがモデル。3本の曲線の脚は、蟻ホゾという難度の高い手加工でテーブル中央の丸脚に組まれています。見事に完成!

 

下の高坏は上部のお盆部分の直径が30cmほどの大型サイズ。上のテーブルと同じ栗材ですが、旋盤で削り出した6個の部材をつなぎ合わせて完成。こちらも鉄媒染仕上げ。上の写真のテーブルに乗っている小皿を作ったのが木工旋盤の初挑戦で、次がテーブルの脚。その次が一気に下の高難度作! 無茶な、と思いましたがさすがエンジニア出身、無事出来上がりました。

  • 木工教室ほぼ1年経過のT4さん。最後の課題作がこの蓋つき小箱(山桜)。ふた中央の鏡板は時間を掛けて全て手鉋で削り出されました。最後の丁番取り付けに苦労されましたが見事完成、A4書類も楽に入ります。

  • Cさん製作の製の青森ヒバ製ベンチ。「ロ」の字型の脚は、四隅が全てアラレ組みで組まれてとても頑丈です。天板は節などの欠点ゼロの完璧な最高級の青森ヒバ厚板。青森ヒバ愛好家の彼は、この他にも同じ材で洗面台の大作があります(完成写真未入手)。

  • Hさんの作品は手提げ式のヒノキ工具箱。今後の教室通いで活躍しそうです。

こちらは、知人のお子さんへのプレゼント用に作られたブナのトラック。荷台も動きます。

  • 頑丈な6本足脚立を作られたYさん。

オーディオファンでもあり、次作は厚板ケヤキのスピーカー台。スピーカーが振動しないようにこれまた超頑丈に。スピーカーと接する部分は更に堅い材で点接触になるようにするのだとか。

全く知らなかったのだが、JBLのスピーカーにパラゴンという名の幅2.6mもある巨大お化けスピーカーがあったらしい(とっくの昔に生産終了とか)。いつの日かその1/2サイズのものを作りたいとのことで、取りあえず1/8サイズのパラゴン様式のスマホ・スピーカーが完成。薄板をアイロン曲木でカーブさせた小さな力作。

完成したミニ・パラゴンを持って、彼と共に市内のジャズカフェ Yugeyaへ行きました。ジャズ愛好家同士の話に私は付いて行けなかったけど、おふたりのオーディオ談義は面白かった!

木工教室から(22年5月)

前回報告から早くも3カ月、次々に作品が生まれています。

1.キャビネット

木工女子Kさんのキャビネット。框(かまち)づくりが得意で小さな紙に書いた簡単な図面だけで複雑なほぞ構造も難なく仕上げられますが、今回は大作とあって珍しく大きな図面を書かれました。今回もキレイにすっきりと仕上がりました。

スライドレールを使って軽やかに開く引き出し2段。ご友人からの依頼作だそうです。

2.サイドテーブルなど

こちらも木工女子、Tさんの新作。とてもお洒落なサイドテーブルです。クルミの木を初使用。十字に組んだ足元は中心部が少し宙に浮いた軽やかな構造。天板を支える柱は旋盤を使いこなして微妙なカーブの円柱で、八角形の天板の面取りも素敵です。

その前に作られた足踏み式アルコールスタンドは、今回で4作目。フットペダルを踏めばピアノ鍵盤が下がってアルコールがスプレーされます。前作を見たり使った方から依頼が続いています。随分前に作られた1作目も毎日踏まれながら何の問題もなく活躍しているそうです。

3.格子模様の裁縫箱

奥様へプレゼントとして製作されたCさんの格子模様裁縫箱。とても手が掛かっていますが、あざやかな出来上がりです。重箱のように重ねられます。裁縫箱というより宝箱? 工芸品の香りです。

4.小引き出し競作

コロナも昨年秋ごろから少し感染の恐怖感が落ち着いてきたからなのか、4名の方が前後2カ月ほどの違いで教室に参加されました。新規スタート後しばらくは決まった課題作で道具の使い方などを覚えてもらうのですが、その課題も4作目になると手の込んだ小引き出しに挑戦してもらいます。その小引き出し4作品が相前後して完成しました。

最初はT1さんの山桜の引き出し。黒檀のストライプ状の引手がカッコいいです。

Yさんのナラ材引き出し。

  

そしてT2さんの山桜製。

  

最後は先週完成したT3さん(3人の名字が「た」!)。ナラです。

  

この作品からは、材料の板も製材所から届く帯鋸で切断しただけの荒材を初めて使ってもらいます。本体のアラレ組みや引き出しの精密加工を初めての木工機械を多用しつつ、更につまみの旋盤加工など色々と新しい技に挑まれます。

すき間なくピッタリ作ると引き出しは、こんな芸も可能です。

5.座卓ほか

上の小引き出しのT1さんがその後作られた栗材のコタツ。38mm厚の栗の板を高山の材木屋さんから初購入。適当な枚数を買ったら幅広のいい材が使いきれないほど届いたとのこと。当分、栗の作品が続きそう。このコタツの天板、栗の板を3枚矧いで両側の耳を残して個性的な作品になりました。

また壊れてほぼバラバラに近い海外製の椅子を修理再生もされました。

6.番外編

工房近所のY氏。実は高校の同級生なのだが時々工房に遊びに来てくれたり、自宅裏山で切り出したヒノキを持ってきてくれる。先月、木工がしたいという事で教室番外編でヒノキのオリジナル踏み台を作られました。デカくて頑丈だけどカッコいい。5月からは、彼も毎週教室に通って来てくれることになったのでした。顔出し、許されたし!

7.番外編の番外編

ゴールデンウィークに親戚の甥っ子一家が東京から四国へ戻る道中に我が家を訪ねて来てくれた。小6の息子が木工をやって見たいということで一家でいちにち木工三昧。近所に住む孫兄弟も駆けつけて来て5人が同時木工。いろんなものが出来ました。 脚つきまな板(母)、カードゲームのスタンド(父)、壁掛け棚(小6)、本箱(小6/4孫兄弟)。顔出し許せ!

大黒柱から楕円形の座卓作り

隣町からご夫婦が工房にやって来られたのはふた月ほど前だったろうか? 建替え前のご自宅に使われていた太い欅柱を残しているので記念に小さな臼と杵を作ってほしいというユニークなご依頼からスタートしたのでした。

実際に餅をつくつもりはないが、欅柱の記念として身の回りに置いて置きたいとのこと。ギリギリ旋盤に掛かる太さなので出来ないことはないけれど実際に使う家具にも出来ますよ、というような話をしたところからトントン拍子に話が進み座卓を作ることになったのでした。楕円形の座卓がご希望とのこと。

という経過を経て、やがてトラックに乗った24cm角ほどの立派な欅の大黒柱が1.7mほどの長さにチェーンソーで切られて工房に運ばれてきました。ド迫力!

サイズと比重から計算するとざっと60kg。とてもじゃないけどひとりじゃ運べません(ギックリ腰必定!)。丸鋸と手鋸でまずは天板と脚の材のふたつに切断。短くはなったものの重すぎてまだひとりでは作業台から床に降ろせません。木工教室の際に手伝ってもらってようやく床上に。

脚の方は、短く軽いのでバンドソーで4本分の脚を切り出します。

天板は、仕上がり厚に合わせて4枚開きに。ただ、元が柱なので中央近くに芯があり、芯近くはヒビが入ったり小木の時の枝が小節として数多く残されているので家具材としては不適当で切り除きます。魚の背骨を外す感じですね、まるで。

築後数十年(百年近いのかも)も経て表面はいい色が出ていましたが、平らに鉋掛けをして板に仕上げて行きます。同じ厚さの板が揃ったところで木目を見ながら天板にする板の並びを幾度も並べ替えながら慎重に決定。ここらが出来上がりを決める一番の山場かも。

板を貼り合わせて目違いを取れば、次は楕円の墨付けをしてバンドソーでラフカット。ようやく全ての部材が勢揃い。脚は、まだ真四角、楕円もまだほぼ楕円という段階。

エクセルで楕円の公式を使って楕円形の座標を求め四分の一楕円の型を作り、これを使ってルーターで習い加工してきれいな楕円形に削り出し。削りくずとの闘い!

天板と脚の固定は、レッグジョイントという優れた金物を使います。脚と天板の両方に埋め込んだ金具同士をボルトで締め付けることで取り外し可能な脚が可能になります。四角の座卓なら脚の取り付け位置は簡単に決まるのですが(四隅ですから)、隅のない楕円形、さんざん悩みました。脚を天板の上に乗せてここがよさそうと思っても本来の天板下に置いてみると印象が全く違ってきます。

というように悪戦苦闘しながらも遂に座卓完成! 欅は材によって木目や杢、色合いに差がありますが、今回の欅は複雑な杢が出ていて仕上げのオイルを塗ったとたん、まるで黄金の座卓です。因みに脚は大きく角を丸く取りつつ、先細りにしています。

お引取りの際もご夫婦で来られましたがとても気に入ってもらえたようです。綺麗な木目だったので、この欅の残材でティッシュボックスを作って、おまけで差し上げたのでした。チャンチャン。

最近つくったものたち

ここ数カ月、工房で作ったものたち。

1.孫娘につくったドールハウス

実は大阪にいる孫に昨年末のクリスマスプレゼントとしてつくったもの。注文製作の合間を縫って2歳になる初の女の子のために(子も孫もそれまで100%男だったもので)爺ちゃんが愛情を込めて作りました。山桜の板を平らに鉋を掛けてカットして並べたところ。

屋根と側板が傾斜しているのでほぞで組むには些か大変なのでビスケットを(簡易ホゾですね,言ってみれば)傾けて差し込むことにしました。

で何やかやと中断しつつも昨クリスマス前に完成。その前の匠の祭用に1ダースほど作った小さなクリスマスツリー(売れ残りともいう)とお菓子のブーツも買って大阪まで届けました。

 

ま、当面はキリンさんのおうちかな? このお気に入りのぬいぐるみが入るように背の高い塔状の部屋を作ったのです。いつか、このおうちに並べる小さなテーブルと椅子も作ってあげるね。

2.テンセグリティ・テーブル2号機

今年になってから千葉のお医者様からテンセグリティ・テーブルの注文を頂いたのでした。以前作った1号機のページを検索でご覧になっての依頼のようでした。1号機と同じデザインで構わないとのことでしたので同じ寸法で今回はヨーロピアン・ビーチ材(日本のブナの木と同じですね、輸入材の方がはるかに良材ですが)で作ることになりました。お医者様ゆえなのか肌色に近い木がいいとのこと。

構造上斜めに組むほぞが多いのですが、直角に組むのと違って切るのも組むのも手間が何倍も掛かります。2回目なので時に手加工も交えながらもそれなりに順調に製作進行。

 

前回と同じような動画ですが。前回どうやって音楽を入れたのか思い出せない (T_T)

今月に入ってお届けしたのですが、お受け取り後に「とてもよい仕上げで最高にいいです!」とのご連絡が。嬉しい一瞬です。後になって教えていただいたTwitter を読んでみたところ、江の島にテンセグリティーのオブジェが置いてあってそれがきっかけでのご依頼と判明しました。ネットの時代なればこそ、ですね。

3.離乳食スプーン

今月、お孫さん向けの離乳食スプーンを納品しました。今回は、ブラックチェリー、山桜、ウォルナットのご希望でした。ケースは、杢の入った山桜です。スプーンの下面には、お孫さんの名前も入ってます。今回は、お孫さん誕生の何カ月も前からご依頼をいただいて、誕生直後から製作開始。使ってもらえるのはまだしばらく先ですね。

 

木工教室から(22年2月)

教室で生まれた作品のここ数カ月分をご紹介します。

教室開始時からのメンバーで5年目に入ったTさんの渾身の力作がこちら。上部はウォルナットとブナを格子状に組み合わせた精緻な細工がされています。一見すると小さな箱に見えますが、独自のからくり構造が今回も施されて、魔法のようにあちこちが開いたり回転する小物入れです。

ご自宅ダイニングのカウンター下の棚スペースにピッタリ納まりペンや小物類が納められるのだとか。また、手間の掛かる木の象嵌が下部のブナの扉部に施されています。

もうひとり5年目に入ったHさんの作品も家のあちこちで活躍中です。大きな作品も増えてきたので最近は空きスペースを生かす作品が増えてきたようです。という訳でやはりダイニングのカウンター下スペースを活用された棚です。これまでに作られた小物類も並んでいます。

八幡の里山に生えていたリョウブの木の鉢ケース。表皮を一部残して旋盤で削り出されたものです。

青森に行った際に青森ヒバに出会って以来、この木にすっかり惚れ込んだというCさんは、趣味のキャンプで使うアウトドア用の調味料ケースを青森ヒバで組まれました。閉じたケースを開くと各種サイズの調味料類が収まります。鉋を掛けた後に少し反りが入ってしまった板のカーブを生かして敢えて丸味を残したまま苦労してほぞ状の削りを入れて左右の鏡板とされました。内部に入れる小さな引き出しがまだ出来上がっていませんが、本体は完成したので先んじてご紹介を。

知り合いの方達から次々と依頼が続く木工女子Kさんの最新作はハープスタンド。持ち運びの際は分解して板同士をダボで組み合わせると小さくまとまる心配りがされています。

もうひとりの木工女子Tさんの作品も次々と出来上がってます。これは、以前作られたピアノ鍵盤を模した足踏み式のアルコール・スタンドが好評で追加で2セット製作されました(左側は完成直前)。

こちらは栗の小箱。

   

最新作は、額縁状の立体鉢植えとイーゼル・スタンド。満開の花が植えられたところを想像したくなる素敵な仕上がりです。

次は木のおもちゃ類を作ってネット通販での販売にもチャレンジされているYさんの作品。斜面を木の車が滑り降りて最後に木琴上で音を奏でます。改良しつつ幾つも作られました。

こちらはそのおもちゃパーツの整理箱とか。

今も続々出来つつあります、また次回に。