カテゴリー別アーカイブ: 製作記

栗のテーブル製作中

ようやく朝夕涼しくなり、木工機械に汗を垂らして錆を生むこともなくなって来た。しばらく前から栗のダイニングテーブルを製作中。天板は、おおむね完成。耳を残そうか、それとも直線に切ってしまおうか、悩んだ挙句に耳を残した。反り止めの板を天板下に取り付けるのだが、ビス止めにしようかなどと誘惑もあったが、ここは修練ということで吸い付き蟻桟にしてみた。

3/1000ほどの勾配の先細りのアリ溝とそこに挿し入れるアリ桟を加工するのが肝ではあるが。前回作った冶具類をそのまま使ったので、今回は思いのほかスムーズ。まずは、ルーターにアリビットを取り付けて冶具に沿わせて先細りになった溝掘り。

次は、桟に対して逆向けの溝つけ。これも冶具を使って溝と同じ割合でルーターテーブルで先細りに加工。

数回、天板に差し込んでみたうえで幅を微調整した後、最後は渾身の力で天板奥まで差し込めば、もう取り外し困難。

差し込んだ溝が片側だけ残っているので、ピッタリ塞ぐ板を加工して溝にフタをして、あとは天板と段差がないように鉋を掛ければOK。桟を差し込む前にやっておくべきだった桟の小口の斜め加工も後から手加工でやって(抜き取る手間よりこっちが楽)やっと出来上がり。

このテーブルは、四隅に脚を取り付けるのだが、今回初めて取り付け用の金具も調達済み。これからその金具を使っての加工が始まりである。因みに桟取り付け前に写したこれが脚と取り付け金具である。さあ、いつ出来上がるか。

小さな木工品

小さな木工品の依頼を受けて、幾つか作りました。ひとつは、ダーニング・マッシュルーム。湖西の慧夢工房さんから紹介をうけて作らせてもらったのだが、初めて聞く言葉で最初は何のことかわからなかった。衣類のほころびをかけはぎで繕う為の裁縫道具、ということらしい。マツタケの形のカサの部分を例えば穴のあいた靴下に当てて手でかけはぎをする、らしい。

ネットの写真を参考にして旋盤で作ってみた。カサの部分をひとつはウォルナット、もう一つはケヤキ。軸部分は色と雰囲気がマツタケっぽい栗のツートンカラー。出来上がったのがこれ。

 高さ10cmあまり

いつまでもなくならない松茸、お好みの樹種で作りますが、如何?

もう一つは、デザイン会社からの依頼で作った40cm足らずの木工品。なんでも神社のお守りだかストラップを陳列するのに使うらしい。神社とくれば、欅が似合うだろうという事でナラを所望されたが欅を提案して樹種変更。欅の和風テーストがいいなあ。小さな家具を作るようなものではあるが、小さいが故にホゾ継ぎなど小さく正確に加工しないといけないので却って難しく感じた。

一品料理、むちゃブリ大歓迎。ということでご紹介まで。

 

 

桶太鼓用吊り台

ひと月半ぶりのブログである。暑い夏の間、すっかり書込みもサボってしまった。工房は平屋で屋根も鉄板張り(多分)、壁には断熱材なし、おまけに日当たりはバッチリで西日が八幡山に隠れるまであたり続ける。組み立て室の方には、一応エアコンを設置してあるが、この酷暑には全く勝てず汗ダラダラ。おまけに機械室は空調なしで時に40度に迫る厚さである。汗だらけの手をうっかり鉄の常盤につけると、翌日にはサビの手形になっている (T_T)

今回の太鼓台は、またまた新しいものに挑戦。吊り台というもので、桶太鼓の鼓面同士を縛り上げたロープに革ベルトを通して、台に吊るすのである。3本の脚の先端にある金属ピンで固定された革ベルトに太鼓がユラユラとぶら下がっているわけである。太鼓が宙に浮いているような趣なので、私の耳には木の台に置かれたときの太鼓の音より張りのある音に聞こえる。

で、持ち込まれた直径65cmほどの太鼓に合う台を作るのがお題。いくつか条件があって、①吊るした時の鼓面中央の高さは84cmが基本、ただし、奏者によって高さが変えられるように革ベルトに穴を幾つもあけて調整できること、②鼓面の傾斜は15度程度に傾けて吊れるようにする、ただし脚は直立、③取り付ける太鼓の高さは37cmほどだが、将来55cmぐらいの背の高さのものを使うのでそれにも合わせられること。実はもうひとつ径48cmの太鼓もあって、これも同様に二種類の高さに対応できること。

要はふたつ同時に違う大きさの台を作る訳である。3本脚と書いたが、実際は2本脚の物をふたつ丁番でつないで折り畳み式にして、開いたときにそのうちの3本の脚から吊るすわけである。まっすぐに立つ3本の脚に円筒状の太鼓を傾けてぶら下げて、脚に太鼓が当たらないように、なおかつ隙間が広すぎるとカッコ悪いので脚と太鼓の間に適度な間隔を持てるようにサイズ決定しないといけない。これは、なかなか難問ではある。私の数学力では解けそうにない。

こんな時の頼もしい助っ人が、いつも使っている”sketchup”という3Dの設計ツールである。こいつを使えば、予め傾けた状態の太鼓を用意してそれを三角形に開いた太鼓台のセンターに置いてみて脚の間隔をちょうどいい具合になるように調整すればいいわけである。図面から太鼓と脚の間隔も読み取れるので、自信をもって製作に移れる訳です。といいつつ、木を切るときは一抹の不安もあり、仮組みで太鼓が収まった時には安堵しました。下のが、設計図。太鼓の下側が二重になってるのは、背の低いのと高いのを兼ねているため。

という訳で、想定通り(?)一発でドンピシャサイズの台が完成した。因みに材は、定番の栗。ただし、今回初のスペシャル配合の黒色オイル塗装。25日の演奏会で使いたいので前日までに完成させてほしいとの注文主の依頼に何とか滑り込みで応えることが出来た。前日夜の引き渡し時には、まだオイルが乾燥しきっておらず、おまけに黒色塗装だったので、積み込んだ際には手が少し黒くなるという生乾き状態での納品となった。

塗装前

  大小ふたつ完成

 注文主の大橋さん

でも黒いオイル塗装の栗、なかなか気に入ったなあ、今度家具でも使ってみよう。ということで久しぶりのブログでした。

家具再生

古い家具の再生がいくつか続いている。

ひとつは、20年近く我が家で使い込みそれなりに傷が付いたカリモクのダイニングテーブルである。昨年暮れ完成した欅材のダイニングテーブルに交換して以来、脚を取り外して半年ほど工房に立て掛けておいたものである。長男一家が大きなテーブルが欲しいという事で、このテーブルを再生することにした。ウレタン除去液というものを初めて使ってみたが、どうもまどろっこしくてやってられず、電動サンダーの登場である。まずは120番の荒いペーパーを取り付けたベルトサンダーでひたすら古い塗装被膜を削り落とす。掃除機を接続してサンダー粉を吸い取りながらではあるが、随分な量の削り粉が工房中に飛び散って、終わった後は工房中が真っ白である。ひたすら続けるサンディングは、木工作業の中で最も辛い作業のひとつだが、塗装を落とすサンディングは粉を吸い込むのも嫌でひときわ忍耐力がいる。でも、元の濃い茶色のテーブル天板は、すっかり色白美人になった。

 Before

 After

塗装色の好みを聞いた所、白っぽい方が好きとのことでクリアオイルで仕上げることになった。完成写真を撮り損ねたので、実際に使っている時の写真で失礼。

もう一つは、なら集成材で出来た座卓の再生。相当年数がたっているので、元のウレタン塗装は所々がはがれ落ち、傷も多くみすぼらしい感じになっていた。

 Before

最初のダイニングテーブルの塗装除去はサンディングで行い、工房内が粉だらけになって大変だったので、この座卓の場合は、天板中央で二枚にカットして、機械で鉋掛けをして塗装を削り落とした。もちろん圧倒的に楽である。再度天板をつなぐ際にアクセントにウォルナットの板を中央にサンドイッチしてみた。

続いて、脚や幕板なども全て塗装を落として再度仕上げのサンディングをして組み立て直したら、いい感じの雰囲気になった。

畳の部屋に置くという事で濃色のオイルで塗装。しっかりと蘇ったのでありました。

 

電子工作三昧の1日

半月ほど前、友人からロボット入門の教えを得て、直後にアマゾンに注文したArduino と呼ばれるワンボードマイコンやら関連パーツが、昨日ようやく 中国から届いた。と同時に昨日所用で東京に行った機会に秋葉原でラズパイと呼ばれるやはりワンボードマイコンのキットも手に入れた。結果、2種類の電子工作のセットが今朝目の前に転がっていた。

という訳で今日は、丸一日木工改め電子工作日となった。小さな液晶のディスプレー部品に文字を表示するというのが、Arduino の最初の一歩。老眼で細かい所がサッパリ見えないのも気にせず、細々とした半田付けからスタートし、あとは参考書やらネット情報と首っ引きで格闘しながらプログラムを作り、何とか簡単な文字の表示に成功。パラレル入力とI2Cシリアル入力の2種類である。青と黄色のバックライトがなかなか美しい。こんな部品が僅か500円前後で手に入る、しかも送料込み。信じられない。学校を出て最初の頃、ミニコンピューターなるもので工場の機械をコントロールするような仕事をしていたが、あの頃の数千万円のミニコンより性能も容量もこの数百円のが上回ってるぞ。

ここまで来れば、もう止まらない。続いてRaspberry Pi と呼ばれるワンボードマイコンに挑戦。こちらは、言ってみれば名刺サイズのパソコンみたいなものである。中国製のArduino 基板の10倍ほどの値段だが、5000円程度。ネットからプログラムをダウンロードして、数ミリ角のSDカードメモリーに書き込んだ後、キーボードやマウス(昔のを押入れから引っ張り出して来た)をつないだ基板に差し込んで電源をつなぐと、あっという間にLinux が立ち上がる。無線LANと繋げばいきなりネットサーフィンも出来るし、Microsoft Office 同等品も最初から入っている。ちょっと前のパソコン並みの動きで思いのほか俊敏。わずか16GBのメモリーカードに全てが収まるコンパクトなコンピュータである。それでもモーターのコントロールなどもお得意(らしい)。

という事で電子工作三昧の1日を終えた。次の目標は、Arduino で戦車を動かせるようにして、孫たちにプレゼントしたい。本当はスマホから無線で操作出来るようにしたいのだが(出来ればスマホを傾けるだけで曲がったり止まったりとしたいが)、そこまでは無理っぽい。

で、そういうプロセスを経て、究極は木工とこれら組み合わせたハイブリッドの仕掛けを作ってみたいと密かに考えているのである。それが何なのか? それを考えるのがこれからの楽しみ。

まもなく家具展

家具展まで残り1週間余りになってしまった、オロオロ。

今日は、ウォルナットの自然木ベンチが完成。やや薄い板なので座板に脚を丸ほぞで直接差し込むのは止めて脚の部材を別の厚板と反り止めの幕板に固定してから座板を乗せる構造にしてみた。

使ったウォルナット材は木の股の部分の割れ目が入っていたのだが、その割れに赤みのあるカリン材でチキリを作ってアクセントにしてみた。節や股の部分など木の内部に応力が掛かる箇所には面白い木目や杢が現れるのだが、まさにそういうややこしい木目が描かれている。

あと、電波時計の置時計も製作中。何年も前に手に入れた欅の瘤部分の板を使った。いつか時計を作ろうと決めていたのだが、この機会のようやく実現。電波時計のムーブメントなので誤差のない時計となる。あとひとつ、これと似た樺の瘤材もあるのでこれも同じく置時計に加工予定(間に合えば)。

黒檀棒を8mm径に削り出して、盤面に埋め込んで3/6/9/12時のマーキング。塗装したばかりで濡れているのでムーブメントと針の取り付けは明日。

あと、丸い革座のスツールも作らねば。

家具展の準備中

来月はじめの家具展に向けてこのGWも黙々と製作中。去年の反省を生かして品揃えを増やすべく、ま四角っぽいスツールをいろいろな座面(板、革、ペーパーコード)の組み合わせで作ってみつつある。初めて革張りにも挑戦。ウレタンマットとスポンジを座板に貼り付けた後、渾身の力で革を引っ張ってタッカーで座板に留めていく。角部の処理が結構難しく、シワをうまく散らしながら固定しないと角に大きなシワが入ってしまう。この黄色いのが二層目のスポンジであんこのチップウレタンの周りを囲っている。
で、ほぼ完成した革座面スツールがこれ。木部はまだ塗装前。手元に持っていた革でスツールに貼れる大きさがあったのはこれひとつ。
もうひとつ同サイズでウォルナット版も本体部分は出来上がっていて、隣の革工房cogocoroの田中さんに革を張って貰っているところ。革屋さんなのでいろいろな色のが揃っている中で、彼の強いお勧めで黄色の革に決定。自分一人のセンスではとても選べなかったパンチあるスツールとなるに違いない(まだ出来てない)。
他にも、4本の脚をナラの耳を残した厚い座板に斜めに差し込んで固定したスツールとベンチも完成。この後時間があれば、栗やウォルナット版も作る予定。三角形のスツールは以前作ったのが残ってるので、取りあえず十数脚は出来そう。骨組みだけのスツールは、きょう接着が終わったばかりで、今週中にもペーパーコードで座面を編む予定。
 これらが完成したら、やり掛けのままの小物類も仕上げねば。夏野菜もそろそろ植えつけないといけないし、今月は忙しい。

テレビ台完成

ここしばらく製作が続いていたテレビ台がようやく完成。

上に置くテレビサイズや台の下に設置する機器類はハッキリしていたので縦横サイズはすんなり決まったので全体のデザインを何通りか提案。ガラス戸付きからスタートして、前面を覆うガラスはない方がいいという事で・・・

こんな箱状のも書いてみたが、側板も棚板も無くして下部に置く機器をたくさん重ねて置けて(いずれプリンターも)四方からアクセス出来るのがいい、ということで最終的にとてもシンプルなデザインに落ち着いた。

基本は、天板と底板を4本の角丸脚でつなぐだけだが、板の反り防止や剛性を持たせるために天板・底板下には目立たない程度の貫を入れた。 材は栗に決定。で、完成したのがこれ。リビングとダイニングの両方で向きを変えて見られるようにキャスター付き。45x85cmほどの板サイズを栗で作ったのだが、栗の味がとてもいい。野性的ながら素朴で温かみを感じる材である。

半年ほど前に木材市で幅40~50cm で厚さ44mmの板を何枚か購入して現在乾燥中なのだが、使える日がとても待ち遠しい。

アンプ修理架台

当工房にいつもユニークな木工品を注文してくれる隣り町野洲市でギターアンプの製作・販売・修理をされているGampsの徳田さんからまたまたユニークな依頼を受けた。

アンプの修理をする際に金属製のシャーシーを裏返して傾斜台に乗せることで修理の際の半田付けなどの作業が随分やり易くなる(らしい)のだが、その架台を作らせてもらう機会を得た。

私が知らなかっただけのことで、Google博士に”amplifier chassis cradle” と入れてみると確かにいろいろと登場する。アメリカなどでは多分市民権を得たものなのであろう。どれも実用性第一という存在感のあるものばかりである。徳田さん所有のアメリカ製の台は、年季は入ってはいてもメープル材の大変しっかりしたものだった。

手づくり家具屋の端くれとしてもう少し端正なものを、ということで山桜を使ったアンプ架台に挑戦した。最初は、実用的であればヨカンベ、と木ねじでゴリゴリと組み立てることで了承をもらったのだが、いざ板の鉋掛けが終わった段階で変心。ホゾはさすがに手が掛かりすぎるのでビスケットとダボを用いて木ねじは一切使わないことに勝手に変更。

で、本日出来上がったのがこれ。左右の間隔が自由に調整出来、なおかつL字部分の傾斜角度を必要に合わせて調整することでアンプ・シャーシー内の作業がしやすく出来るようになっている。日本語で検索しても全くヒットしなかったので、日本でこのような架台を使う人は、極めて少ないに違いない。

ということでまたまた貴重な経験を積んだのでありました。どこぞにこれ欲しいという人、いませんか?  いたとしてもこのホームページに来る確率はゼロだわな。

アイロン曲げ木

先日、講習会を受けて来たアイロン曲げ木を工房に戻って早速やってみたのだが。。。 先週、あえなく失敗。

手で曲げきれないことを想定してハンドウィンチも準備。

曲げ木用に仕入れていた天然乾燥のブナに濡れた布を巻いてアルミホイルを巻き付けアイロン掛け。

手だけで簡単に曲げることが出来た。 一見うまく曲げられているように見えるのだが、実は失敗。

講習会で曲げ木のカーブの半径(R)は板厚の10倍が最大と聞いてはいたが、子供椅子に使う予定の曲げ木の型はR=9cm、なのでこの式を当てはめれば9mm厚の板が限界になるのは分かっていたが、いくら何でもそれじゃ薄すぎるので敢えて24mm、そして幾分遠慮して13mmでも挑戦したのだが。・・・・

曲げ木のカーブが型通りの綺麗な円にならずにいびつになった上、何か所かにひび割れも発生。やはりこのカーブのきつさでは、曲げ木では無理っぽい(一番左のは数年前の失敗作、右のカーブの途中で切れているのは大きな割れが入って折れてしまった今回のもの)。子供椅子用は無理かなあ?  テープのように薄い板を接着剤で集成するやり方じゃないとダメなのかもしれない。ウーン、まだまだ実用には遠そう。子供椅子を目標にするのはやめて、もう少し緩いRの家具に目標を変えるべきか、模索は続く(多分ね)。