ふたつ目のタイプのピックガード完成。ギターのモデル名を聞いたがメモしなかったので忘却の彼方。 今回は時間制約なく4種類の板を使ってみた。左からパープルハート、ゼブラウッド、圧縮杉(蒸してプレスして1/3程度の厚さに圧縮した板)、ケヤキ杢。 このパープルハートという木は、切断直後や鉋を掛けた後の木材内面は普通の木と同じような茶色なのだが、しばらく置いておくと(数時間~)酸化して紫色に変色する珍しい木。ギターにフィットするかどうかは?だが、派手さでは負けない。厚さが3mm程度しかないので乱暴な演奏に耐えるかどうかはこれまた?で Gamps からのフィードバック待ちとなる。
9/18夜 あきんどの里でイベント
9月17日(土)から18日にかけて八幡掘まつりが近江八幡のお堀を中心に旧市街一帯を会場に開催されるが、工房のあるあきんどの里でもこのチラシのイベントが18日(日)の17時から3時間ばかり催されます。 近隣商店街の主催で夜店などが江州音頭の屋台となるご朱印船のまわりに出店される。いまやクラフトの里になりつつあるあきんどの里のクラフト3店も参加の予定。
革工房cogocoro とその1軒おいた隣にこの日からシルバーアクセサリーのクラフトショップがオープン予定。ということで木工房 YZ も臨時に広場にテーブルを置いて参加すべく準備中。お祭りの夜店で家具を買う人はいないと思うので、定番のボールペンと今回のスペシャル企画で額入りの絵を並べる予定。Biwako ビエンナーレに17日から出展される藤井誠治氏の描いた近江八幡周辺風景のスケッチ画を木工房 YZの額(一部本人製作額も)に収めたものである。そのうちのふたつは今日塗装したばかり(下の写真)。裏板を固定する金具などを明日取り付けるので明日完成予定。
左側の額は、今回初めて作ってみた栗材荒仕上げのもの。拡大写真がこれ、バンドソーの鋸目を丸々残してみた。
実を言えば同氏手作りの野性的な額(ノラネコの絵 > 先日のブログ)に触発されて、かんな掛けなしで仕上げた初のもの。
この2枚の他にも長命寺やたねや・ラコリーナ店、ヴォーリズ学園、旧八幡郵便局(ヴォーリズ建築)や小さな抽象画も。この夜だけのスペシャル企画で翌日から大半が彼の展覧会場へ移る予定なので、関心がある方も出来れば関心ない方もどうぞお越しを、と宣伝させて下さい。
ちなみに藤井氏のプロフィールはこれ。そもそもは漆工芸がメインの方ですね。知り合ってまだ半月なもので。
ギターのピックガード
いろいろな木工依頼を受けて知識が広がっていく。今度は、ギターのピックガードに初挑戦の機会を得た。ギター演奏時にピックでギター本体が傷つくのを防ぐために設けられた小さな板のことである。依頼主は、野洲市でギターアンプの修理やオリジナル品を販売しているGamps の徳田さん。依頼を受けてからしばらく手を付けられないでいたら拳銃じゃなくてギターを手に工房にやって来た。「死にたくなければ今すぐに作るんだ」というような顔つきだったので(ホンマかいな?)、速攻で製作させていただきました。
ヒョウタンを半分に割ったような形なのがピックガード。モデルによって形はいろいろあるらしい。オリジナルの合成樹脂だとごく僅かながら静電気によるノイズがでるらしい。実は、以前工房に来てもらった際に工房にあるいろいろな木の中からお好みのを幾つか選んでもらい、既に薄板状に鉋掛けを済ませていたのであるが、その中からゼブラウッドに決定。その名の通り、シマウマのように縞状の木目が入っているのでゼブラウッド。オリジナルの形状を写してカーブを切り抜き、取り付け用の穴をあけ、端面や表面をサンディングして形を整えオイル塗装で仕上げのがこれ。
というわけで晴れてギターに装着された姿がこの写真。
ウーン、カッコいいやん !!
実は、別モデルの違った形のピックガードの依頼も受けていて、こちらはケヤキで製作予定。それはまた後日出来上がってから。
新幹線の洋服ラック
この春から幼稚園に通い始めた下の孫の洋服掛け、4月に欲しいと(親から)言われていたのが半年遅れでやっと完成。2年半前に作ったお兄ちゃん用のと同サイズで、引き出しだけ気まぐれに少し変更してみた。 引き出し前板に取り付ける模型は、自動車がいいか新幹線がいいか本人に任せておもちゃ屋で選んでもらった。 ホントは、ドクターイエローが欲しかったようだが、あいにく売り切れで別のに決定。 新幹線模型のアルミボディーにネジを切って裏からネジ止めしてあるので簡単には取れない(はず)。 新幹線の下にはウォルナットの象嵌でレールも付けてみた。
ちなみにふたつ上のお兄ちゃんのは、これ(完成当時)。
ハンガー掛けと引き出し取っ手が、今回木製から金属製に。さあ、何年生になるまで使ってもらえるか?
軽トラで木材引き取り
軽トラに乗って先日の木材市で競り落とした板を引き取ってきた。 軽トラで県外へ出るのも初めて、高速道路を走るのも初めて、積む荷物量も過去最大、と初めてのことをたくさん経験してきた。落札した木材は予め揃えてもらっていたので積み込み自体は、フォークリフトであっという間に終わったもののその後のロープ掛けは、恥ずかしながらうまく出来ない。 こんな重量物を荷台に斜めに立て掛けて走りながら落とすわけにはいかない。見かねて木材屋さんがやってくれた。「ガチャは持ってる?」 いわゆるベルト式の荷締機のことらしいが、ロープ2本用意しただけである。 「このロープは滑って駄目だな」と文句を言いつつも掛けてもらった。「俺なら怖くて運転できないよ」と脅されつつ出発。帰りは、高速は避けて国道経由で急ブレーキ・急発進(したくても出来ないけど)を避けながら何とか無事に八幡に帰って来たのでありました。いやぁ、四苦八苦。
木材市に初挑戦
高山からの帰り道、岐阜県各務原で月に一度開催されている木材市がちょうど開催されていて初挑戦して来た。 広い敷地いっぱいに原木やら巨大な一枚板やらが、所狭しと並べられていてこれらをたったの一日で競って売り切ってしまうらしい。残念ながら天気が悪く時々土砂降りになる中、傘を広げたり畳んだりしながらおよそ3時間の初チャレンジを楽しんだ。この木材市は誰でも参加できるようにオープン化し、日本でも有数の活況ある市らしい。 時代に合わせて変身できるところだけが生き残るというのは、世の常のようである。
受付で手付金を払って、番号札をもらい競りの人ごみの中へ乱入するも、ひとつの競りに掛かる時間は数十秒、長くてもせいぜい1分程度、とてもじゃないが百戦錬磨の参加者に太刀打ち出来そうにない。一瞬でも躊躇する間に競りは、終わってしまう。 どこぞの銘木屋のオヤジらしき太った男性が器用に値段を下げたり(買い手がいないと下がっていくのである)競ったりして次々と決めていくのを横目で見ながら買い方の勉強である。一緒に行ったカミさんが、ブレーキ役かと思いきやしきりにアクセルを踏むのでビックリ。というわけで空振りを数回繰り返した後に3m程の栗の板5枚セットを初落札。いつもお世話になっている材木屋さんの乾燥材と違って未乾燥で当分使えない。1~2年は寝かしておかねばならないので不自由極まりないがまあモノは試しである。
高級な一枚板は、屋内の会場に並べられている。この写真のように身長の2~3倍もありそうな巨大なモノもずらりと並んでいて見事な眺め。 家具屋で見る一枚板は、いわゆる目玉が飛び出る値付けだが、さすがに製材しただけの未乾燥の一枚板はそれより手ごろな値段ではあるのだが、乾燥してまっ平らに鉋掛けをする(鉋盤にも掛からないデカさなので手でやるしかない)までの手間は尋常ではなさげ。 根性のない私は機械に掛かる程度の控えめの幅のチェリー板を1枚だけ試しにゲット。午後からは原木の競り開始となるが、さすがにそこまでの根性はないので昼休み時間に精算を終えて帰途についた。
今回乗用車で出掛けたので、来週改めて軽トラに乗って材を取りに行かねばならない。無事に載せられるのか?
はたまた、家具になる日は一体いつやって来るのやら、ではある。
今年も飛騨の家具フェスティバル
9月7日から高山市で恒例の「飛騨の家具フェスティバル」が始まったので、今年も見学に行ってきた。市内各メーカーの陳列品は、1年経って大きく入れ替わったりはしないので、今回は見る側も少しマンネリ。 会場の飛騨・世界生活文化センターは、多分バブル時代に建設されたいささか立派すぎる会場なのだが、そこにはリニューアルされた常設展示の「ミュージアム飛騨」があり、春慶塗や一刀彫の名品などとともに飛騨の家具のコーナーがある。飛騨の洋式椅子の第一号から始まる歴史的な椅子の展示から現代の椅子まで多種多様な椅子が展示され、殆どのものは自由に座ることも出来て大変よく出来た椅子の博物館になっている。高山は、椅子に限れば日本一の生産を誇るらしいのでそれに相応しい施設である。家具の中で椅子は最もデザイン上の自由度が高くて、かつ同時に座るという機能性が高度に求められる難しい家具なのだが、当然ながら見た目と座り心地は必ずしも一致せず両方を高度に満たすものは限られている、ということがたちまちのうちに理解できる仕組みでもある。
で、そこに今年のG7・伊勢志摩サミットで使われた会議用のテーブルと椅子が展示されていた。やはり飛騨の家具メーカーが製作したとのこと。最高級ヒノキの白木の家具でなかなか美しい(残念ながら座れない)。 今年の春に名古屋で木の家具40人展に参加したが、その際の参加工房の一つが、このサミット用にペン皿を提供されたという話を聞いていたので、一層興味を抱いた次第である。 有名な黒田辰秋がデザインして高山の家具メーカーが生産したという皇居新宮殿で使われているという高貴な(?)椅子も展示されている。
工房来客の手作り額縁
先週末、工房で作業をしていたら突然の来客。名古屋から工房の近所に越して来たばかりという同年輩の男性F氏。たまたま工房の看板を見つけて来られたのであるが、ご自分で製作した木工品を漆で仕上げ場合によっては1メートル近い漆の作品を名だたる展覧会などに出展されたりしているという経歴の持ち主。巨大な木の塊からノミで一気に作品を削り出し、時に野性的に時に滑らかなカーブで仕上げた表面にご自分で漆を塗って仕上げるとのこと。 幾つか作品を見せてもらったのだが、全くの芸術品である。 私の木工は、基本直線と平面の構成が主でせいぜいここにR(=円や円弧)が加わった要素からなる木工品や家具ばかりだが、彼の作品は感性に従って刃物を自在に操った造形で事前の図面など書いたこともない、とのこと。今月17日から始まるBiwako ビエンナーレ展(近江八幡にて)にも漆の器を出展されるとのこと。全くの芸術家である。
最近製作した額縁を見てもらったところ、もっと自由に傷を付けたり元の木の個性を生かしたりしたらどう? との感想。という事で手元にあったひびの入った欅の板を渡したところ、手作りの巨大ノミ(7cm幅ほどの鉋の刃に鉄棒を溶接した手作り工具)でガンガンと表面に削りを入れて小一時間で野性的な額が出来上がった。定規すら使わず手書きの線を書き入れる程度で一気呵成に完成。裏面にガラスや絵を入れる溝だけは工房の機械で私が加工(見えない側)。 自由造形物を作るには絵心も必須とのことで、描かれたばかりという長命寺のスケッチを見せてもらったが、これも数十分で書き上げたとのことである。そんな訳で出来上がった額にたちまち(見ていなかったのだが数十秒で完成)野良猫の絵が出来上がった。この欅の額にオイルを塗装して出来上がったものを製作中の写真とともに以下に並べる。私の四角四面の額縁と全く違う、味わいに満ちた額である。因みに絵の大きさは、25cmx8cm ぐらい。
2年前には、食事処中心だったあきんどの里のテナント、今ではすっかり様変わりして、革工房・木工房(私のところ)・今月中旬には新たにシルバーアクセサリー工房がオープン予定。いつの間にか工房の里に変身しているのである(食べ物屋さんは今では1軒のみ)。ひょっとして、あきんどの里の空き部屋に漆工房を構えられることにでもなれば誠に面白いのだが。こちらは工房に寄られる前に長命寺やその下の港で描かれたという大きなスケッチ。
いやぁ、実に刺激的というか度肝を抜かれた1日でした。
工房の来客・額縁
8月に入って立て続けに珍しい来客があった。家具の注文ではなく、進路として木工をやろうとしている30歳前後の若い方達である。ひとりは、高山の職業訓練校で木工修行中で卒業後の進路について思案中の若者が工房の見学を兼ねて来てくれた。今日来てくれたもうひとりは、インテリアの設計会社に勤めながら今後の進路を考えるうえで訓練校に行って職人の技量を身に付けるべきかどうか悩んでいるとのこと。 彼らにアドバイスできるようなこの分野における知識も経験もないのだが、ここ数年それなりにこの分野の知り合いを得たり個人で家具を作ってひとにそれを買ってもらうという事の入り口付近をさまよっている身として、あるいは送って来た人生の長さゆえの幾分の経験を踏まえて少しは参考にしてもらえばと喜んでお迎えした次第である。息子たちとほぼ同年輩の彼らにホンのわずかなりでも役立てればこんな嬉しいことはない。このホームページ、アクセス数は極めて少数ながら、検索で見つけたうえはるばるやって来てくれる人が少しでもいるという事が分かって、これまた感激ではある。
一方、こちらは製作中の額。
ふたりの方からの依頼で製作中。細長い方は、個人写真集のお気に入りのページを開いた状態でこの額縁に入れられる深い額縁。 もう一方は(まだ45°で切っただけの状態)、自分で描かれた絵を入れて飾るための額。もう少しで完成予定、どんなサイズでもどんな木でもご希望の枠デザインでお作りしますよ、と少し宣伝。
ちなみに、こうやって45度で切ってまた裏面に溝を入れます。
音響関連木工その2:ギターアンプ・ケース完成
隣町の野洲市で手作りギターアンプのオリジナル品製作やメーカー製アンプの修理などをされているGAMPSの徳田さんからの依頼でこのところ掛かり切りだったギターアンプ・ケースがきょう遂に完成した。クルミを使った本体は、アラレ組みでクラッシックに組んでみた。オイル仕上げのクルミがなかなかいい感じ。 この後、徳田さんのオリジナル真空管アンプが天板下に取り付けられ、前面に30cmほどの巨大スピーカーが取り付けられその前面はスピーカーネットで覆われる予定。ネットは編み目が大きいので内側の木が幾分透けて見えるので目立たないように濃色のオイルステインで塗装した。このところ、偶然にもアンプケースとかJBLのスピーカー台とかオーディオものを連続して製作する機会に恵まれた。これらを家具と呼んでいいのかどうかわからないが、木工品の幅が広がるのは面白くまた嬉しいものである。
ギターアンプとして完成した暁には、一段とカッコよくなるはずなのでまた写真を頂いて追加掲載したい。
スピーカーは、閉じた箱に入れるのではなく、このようなオープンな筐体で後ろに音が抜けるようにするらしい。
アンプとして完成して音が出る時には、是非また見て聴いてみたいものである。