カテゴリー別アーカイブ: 作品

食卓テーブル製作中

天板だけ作って半年近く放置していたダイニングテーブルの製作を再開している。まずは、最難関の吸い付き蟻桟に挑戦。吸い付き蟻桟とは天板下面に下の広がった溝を掘り、更にその溝が先にいくほど僅かに狭まっていくのであるが、この溝にピッタリはまる桟をやはり同じだけ先すぼみにして、力ずくでこの溝に差し込むことで天板と桟がピッタリと吸い付いて、天板の反りを防ぐと同時に経時変化や湿度変化で天板の幅が動いた時にその動きを吸収してしまうという昔からの高度な加工法である。こんな加工を昔の職人は、ノミやノコでやっていた筈だが、そんな腕があるはずもない今日では、ルーターと呼ぶ機械でそれなりに作れてしまうわけである。とはいっても、テーブル幅85cmの長さに対してわずか2mm程度の先すぼみ加工を溝側と桟側両方に施すのはそれなりの工夫と治具が必要にはなる。本をじっくり読み込んだり、ネットで先輩職人の技解説を集めたりした上でようやく加工開始。数日掛かりでようやく加工出来た。パイプクランプでギリギリと押し込んだ時に丁度天板の中央に桟が位置する。見事に天板に吸い付いて、幅方向に中央で1mmほど反っていた天板が真っ平らに戻った。 時間は掛かったが、満足できる出来ではある。

image

向こう側の桟は所定の位置に収まった。手前は、まだここまでしか入らないのであと0.2mm ほど追加で桟を削らねばならない。

image

日本語で蟻桟、この形、英語では鳩の尻尾のダブテイル(dove tail) と呼ばれる。日本語でなぜアリなのか?  アリの口先の形とか書いている本もあったが、ホンマかいな?

image

桟となる手前の棒にテーパーが付いた治具を固定してルーターテーブルで滑らせるとテーブル下から飛び出ているdove tail ビットで僅かにテーパーが付いた蟻加工が出来るという次第。一昨年、高山の訓練校での実習でやって以来の蟻桟加工である。失敗したら分厚いケヤキの予備の板はないので慎重に慎重に。何とか無事に完成。

椅子2脚完成

椅子2脚が新たに完成、名付けてルーロー椅子。 ロータリーエンジンのローター型ですね。 同じものじゃ面白く無いので、片方は座面に掘りを入れて座り心地優先。 もう一方は、鉢台や小型テーブルとしても使えるように真っ平らな座面を残してみた。

image

天井からの光だと座面のカーブがうまく写らないので側面からの光でもう一枚。

image

どちらが好まれるのか、今後やってくる人に聞いてみたい。ちなみに座面はブラックウォルナット。 脚は、色の濃い方は同じウォルナット、白っぽい方は、カバ材です。

ピックガード②

ふたつ目のタイプのピックガード完成。ギターのモデル名を聞いたがメモしなかったので忘却の彼方。 今回は時間制約なく4種類の板を使ってみた。左からパープルハート、ゼブラウッド、圧縮杉(蒸してプレスして1/3程度の厚さに圧縮した板)、ケヤキ杢。 このパープルハートという木は、切断直後や鉋を掛けた後の木材内面は普通の木と同じような茶色なのだが、しばらく置いておくと(数時間~)酸化して紫色に変色する珍しい木。ギターにフィットするかどうかは?だが、派手さでは負けない。厚さが3mm程度しかないので乱暴な演奏に耐えるかどうかはこれまた?で  Gamps からのフィードバック待ちとなる。

img_6403

img_6313

9/18夜 あきんどの里でイベント

9月17日(土)から18日にかけて八幡掘まつりが近江八幡のお堀を中心に旧市街一帯を会場に開催されるが、工房のあるあきんどの里でもこのチラシのイベントが18日(日)の17時から3時間ばかり催されます。 近隣商店街の主催で夜店などが江州音頭の屋台となるご朱印船のまわりに出店される。いまやクラフトの里になりつつあるあきんどの里のクラフト3店も参加の予定。

%e3%81%82%e3%81%8d%e3%82%93%e3%81%a9%e3%83%95%e3%82%a7%e3%82%b9%e8%a3%8f

革工房cogocoro とその1軒おいた隣にこの日からシルバーアクセサリーのクラフトショップがオープン予定。ということで木工房 YZ も臨時に広場にテーブルを置いて参加すべく準備中。お祭りの夜店で家具を買う人はいないと思うので、定番のボールペンと今回のスペシャル企画で額入りの絵を並べる予定。Biwako ビエンナーレに17日から出展される藤井誠治氏の描いた近江八幡周辺風景のスケッチ画を木工房 YZの額(一部本人製作額も)に収めたものである。そのうちのふたつは今日塗装したばかり(下の写真)。裏板を固定する金具などを明日取り付けるので明日完成予定。

img_6353

左側の額は、今回初めて作ってみた栗材荒仕上げのもの。拡大写真がこれ、バンドソーの鋸目を丸々残してみた。

img_6354

実を言えば同氏手作りの野性的な額(ノラネコの絵 > 先日のブログ)に触発されて、かんな掛けなしで仕上げた初のもの。

この2枚の他にも長命寺やたねや・ラコリーナ店、ヴォーリズ学園、旧八幡郵便局(ヴォーリズ建築)や小さな抽象画も。この夜だけのスペシャル企画で翌日から大半が彼の展覧会場へ移る予定なので、関心がある方も出来れば関心ない方もどうぞお越しを、と宣伝させて下さい。

ちなみに藤井氏のプロフィールはこれ。そもそもは漆工芸がメインの方ですね。知り合ってまだ半月なもので。

profile

 

ギターのピックガード

いろいろな木工依頼を受けて知識が広がっていく。今度は、ギターのピックガードに初挑戦の機会を得た。ギター演奏時にピックでギター本体が傷つくのを防ぐために設けられた小さな板のことである。依頼主は、野洲市でギターアンプの修理やオリジナル品を販売しているGamps の徳田さん。依頼を受けてからしばらく手を付けられないでいたら拳銃じゃなくてギターを手に工房にやって来た。「死にたくなければ今すぐに作るんだ」というような顔つきだったので(ホンマかいな?)、速攻で製作させていただきました。

img_1272

ヒョウタンを半分に割ったような形なのがピックガード。モデルによって形はいろいろあるらしい。オリジナルの合成樹脂だとごく僅かながら静電気によるノイズがでるらしい。実は、以前工房に来てもらった際に工房にあるいろいろな木の中からお好みのを幾つか選んでもらい、既に薄板状に鉋掛けを済ませていたのであるが、その中からゼブラウッドに決定。その名の通り、シマウマのように縞状の木目が入っているのでゼブラウッド。オリジナルの形状を写してカーブを切り抜き、取り付け用の穴をあけ、端面や表面をサンディングして形を整えオイル塗装で仕上げのがこれ。

img_1273 上はオリジナル品

というわけで晴れてギターに装着された姿がこの写真。

img_1274   img_1276

ウーン、カッコいいやん !!

実は、別モデルの違った形のピックガードの依頼も受けていて、こちらはケヤキで製作予定。それはまた後日出来上がってから。

 

新幹線の洋服ラック

この春から幼稚園に通い始めた下の孫の洋服掛け、4月に欲しいと(親から)言われていたのが半年遅れでやっと完成。2年半前に作ったお兄ちゃん用のと同サイズで、引き出しだけ気まぐれに少し変更してみた。 引き出し前板に取り付ける模型は、自動車がいいか新幹線がいいか本人に任せておもちゃ屋で選んでもらった。 ホントは、ドクターイエローが欲しかったようだが、あいにく売り切れで別のに決定。 新幹線模型のアルミボディーにネジを切って裏からネジ止めしてあるので簡単には取れない(はず)。 新幹線の下にはウォルナットの象嵌でレールも付けてみた。

img_6342

img_6341

ちなみにふたつ上のお兄ちゃんのは、これ(完成当時)。

%e5%ad%90%e4%be%9b%e6%b4%8b%e6%9c%8d%e6%8e%9b%e3%81%91

ハンガー掛けと引き出し取っ手が、今回木製から金属製に。さあ、何年生になるまで使ってもらえるか?

工房来客の手作り額縁

先週末、工房で作業をしていたら突然の来客。名古屋から工房の近所に越して来たばかりという同年輩の男性F氏。たまたま工房の看板を見つけて来られたのであるが、ご自分で製作した木工品を漆で仕上げ場合によっては1メートル近い漆の作品を名だたる展覧会などに出展されたりしているという経歴の持ち主。巨大な木の塊からノミで一気に作品を削り出し、時に野性的に時に滑らかなカーブで仕上げた表面にご自分で漆を塗って仕上げるとのこと。 幾つか作品を見せてもらったのだが、全くの芸術品である。 私の木工は、基本直線と平面の構成が主でせいぜいここにR(=円や円弧)が加わった要素からなる木工品や家具ばかりだが、彼の作品は感性に従って刃物を自在に操った造形で事前の図面など書いたこともない、とのこと。今月17日から始まるBiwako ビエンナーレ展(近江八幡にて)にも漆の器を出展されるとのこと。全くの芸術家である。

最近製作した額縁を見てもらったところ、もっと自由に傷を付けたり元の木の個性を生かしたりしたらどう? との感想。という事で手元にあったひびの入った欅の板を渡したところ、手作りの巨大ノミ(7cm幅ほどの鉋の刃に鉄棒を溶接した手作り工具)でガンガンと表面に削りを入れて小一時間で野性的な額が出来上がった。定規すら使わず手書きの線を書き入れる程度で一気呵成に完成。裏面にガラスや絵を入れる溝だけは工房の機械で私が加工(見えない側)。 自由造形物を作るには絵心も必須とのことで、描かれたばかりという長命寺のスケッチを見せてもらったが、これも数十分で書き上げたとのことである。そんな訳で出来上がった額にたちまち(見ていなかったのだが数十秒で完成)野良猫の絵が出来上がった。この欅の額にオイルを塗装して出来上がったものを製作中の写真とともに以下に並べる。私の四角四面の額縁と全く違う、味わいに満ちた額である。因みに絵の大きさは、25cmx8cm ぐらい。

img_6298s

img_6224 巨大ノミで掘り込み中、隣はたまたまやって来た四谷氏

2年前には、食事処中心だったあきんどの里のテナント、今ではすっかり様変わりして、革工房・木工房(私のところ)・今月中旬には新たにシルバーアクセサリー工房がオープン予定。いつの間にか工房の里に変身しているのである(食べ物屋さんは今では1軒のみ)。ひょっとして、あきんどの里の空き部屋に漆工房を構えられることにでもなれば誠に面白いのだが。こちらは工房に寄られる前に長命寺やその下の港で描かれたという大きなスケッチ。

img_6295 img_6294

いやぁ、実に刺激的というか度肝を抜かれた1日でした。

 

工房の来客・額縁

8月に入って立て続けに珍しい来客があった。家具の注文ではなく、進路として木工をやろうとしている30歳前後の若い方達である。ひとりは、高山の職業訓練校で木工修行中で卒業後の進路について思案中の若者が工房の見学を兼ねて来てくれた。今日来てくれたもうひとりは、インテリアの設計会社に勤めながら今後の進路を考えるうえで訓練校に行って職人の技量を身に付けるべきかどうか悩んでいるとのこと。 彼らにアドバイスできるようなこの分野における知識も経験もないのだが、ここ数年それなりにこの分野の知り合いを得たり個人で家具を作ってひとにそれを買ってもらうという事の入り口付近をさまよっている身として、あるいは送って来た人生の長さゆえの幾分の経験を踏まえて少しは参考にしてもらえばと喜んでお迎えした次第である。息子たちとほぼ同年輩の彼らにホンのわずかなりでも役立てればこんな嬉しいことはない。このホームページ、アクセス数は極めて少数ながら、検索で見つけたうえはるばるやって来てくれる人が少しでもいるという事が分かって、これまた感激ではある。

一方、こちらは製作中の額。

IMG_6202

ふたりの方からの依頼で製作中。細長い方は、個人写真集のお気に入りのページを開いた状態でこの額縁に入れられる深い額縁。 もう一方は(まだ45°で切っただけの状態)、自分で描かれた絵を入れて飾るための額。もう少しで完成予定、どんなサイズでもどんな木でもご希望の枠デザインでお作りしますよ、と少し宣伝。

IMG_6204   IMG_6205

ちなみに、こうやって45度で切ってまた裏面に溝を入れます。

音響関連木工その2:ギターアンプ・ケース完成

隣町の野洲市で手作りギターアンプのオリジナル品製作やメーカー製アンプの修理などをされているGAMPSの徳田さんからの依頼でこのところ掛かり切りだったギターアンプ・ケースがきょう遂に完成した。クルミを使った本体は、アラレ組みでクラッシックに組んでみた。オイル仕上げのクルミがなかなかいい感じ。 この後、徳田さんのオリジナル真空管アンプが天板下に取り付けられ、前面に30cmほどの巨大スピーカーが取り付けられその前面はスピーカーネットで覆われる予定。ネットは編み目が大きいので内側の木が幾分透けて見えるので目立たないように濃色のオイルステインで塗装した。このところ、偶然にもアンプケースとかJBLのスピーカー台とかオーディオものを連続して製作する機会に恵まれた。これらを家具と呼んでいいのかどうかわからないが、木工品の幅が広がるのは面白くまた嬉しいものである。

ギターアンプとして完成した暁には、一段とカッコよくなるはずなのでまた写真を頂いて追加掲載したい。

IMG_6145<正面>

IMG_6152 <後ろ側>

スピーカーは、閉じた箱に入れるのではなく、このようなオープンな筐体で後ろに音が抜けるようにするらしい。

IMG_6148<ほぞ部分>

アンプとして完成して音が出る時には、是非また見て聴いてみたいものである。

 

 

音響関連木工 その1

数カ月前に近所のジャズカフェ・YUGEYA のマスター川岸さんから音響関連のお題をふたつ頂戴した。ひとつが、手作りアンプを収める木のケース。 もうひとつは、最近調達した巨大スピーカーを乗せる台である。このスピーカー、JBL4344という知る人ぞ知る20世紀の名器らしいが重量がひとつで100kg 近いとのこと。

いくつもの木材の中からアンプケースは、山桜に決定。超重量級スピーカーを乗せるには相当硬くて重い材がいいだろうという事で、輸入材のブナ(ビーチですね)の55mm 厚のものを別途仕入れて使用することになった。でようやく完成したのがこれらである。

IMG_4552 完成間近、鉋で仕上げ中

IMG_4557 寸法ピッタリで安堵、カッコいい

一方のスピーカー台は、何しろ丈夫に仕上げないといけないので深めの2枚ホゾを固めに加工してパイプクランプでギリギリと締め上げて、頑丈な構造に。 90mm角の角棒で重量を受け止めるのだが、メチャクチャ重い。 また、カフェの床塗装やスピーカーの塗装とバランスが取れるように濃色塗装を希望されたので、いつも使うオイル仕上げでは不十分と考えてオイルステインで濃く塗装した上にウレタンスプレーとした。キャスターも65mm径のウレタン巻きの上等のを採用。

IMG_4561 2枚ホゾの胴付き

IMG_4598 塗装後キャスターも取り付けて完成

昨日納品も終えたのだが、塗装がまだ充分乾燥していなかったので、スピーカーを乗せた雄姿はまた後日に。

実は、並行して別の方からの注文でギターアンプケースを製作中。これはまた次回、音響関連木工2にて。

<8/4 追記>

ようやくスピーカーが乗っている台の写真を撮ったので追加。

IMG_6118

台をアップするとこれ。

IMG_6119