竹尺工場訪問

忍者で有名な滋賀県甲賀市に日本で唯一竹尺を製造している会社があると聞いて、その岡根製作所をきょう訪問してきた。近所の方にその存在を教えてもらったのだが、当然ながら竹が材料なので工場中竹材だらけ。竹尺工場には家具作り用と同じような機械も多く親しみを感じた。小は携帯ストラップの数センチの竹尺から大は2メートルのものまで品ぞろえ豊富。高速のサービスエリアでもお土産用として売られているのだとか。

当たり前の話だが、工房で定規を使わない日はない。15cmの短いものから1メートルのものまで各種直定規やいわゆるサシガネ、全部金属製だが10本以上はある。特に15センチの短いものは、機械のそばで使ってついそこに置きっぱなしになり、必要な時すぐに見つからず作業リズムを乱すこと甚だしいので今では4-5本に増殖してしまった。

そんな訳で竹尺と聞いただけで興味をそそられるのである。丁寧な手作りで一本一本仕上げられているにもかかわらず求めやすい価格なので、自分用と工房の土産物用として15センチの短いものを30本ばかり購入してきた。工房の名前も特注で入れてもらえるが、数がまとまらないと名入れ費用が竹尺より高くなり、工房名は自分で焼印を押すことにした。

合わせて1メートル竹尺を1本購入。金属製定規は1メートルにもなると結構厚くて重くなり、うっかり材木に定規の角が当たると木にザックリと傷がつくことがある。竹製だと軽い上に木と同じような硬さで傷もつかないに違いない。

竹尺  岡根製作所

 

座卓、完成間近

5月から製作を開始したコタツ座卓だが、積み木製作期間を挟んで作業再開し、だいぶ出来上がって来た。山桜を使った70x80cmというサイズで、今日天板下の部材を3つに分けて接着・目違い(接合部の若干の段差)取りのカンナ掛けを終えた。次に、この3つを組み立て接着すれば、下半身の出来上がり。 残すは、天板の平面確認を再度行って必要ならカンナ掛けをして、2枚を矧ぎ合わして角のボース面加工(ルーターで角に丸みをつける)をすれば、後はサンディングや塗装を残すのみ。4本の脚は少し先細りにしてみたが、まずまずの出来と自己満足。写真の天板は2枚を並べて置いただけ。コタツとして使えるように天板は上に乗せるだけなので、何か位置合わせが出来る小さな突起と穴を設ける予定だが詳細未定、考えねば。

座卓2 座卓3

座卓1

積み木

工房設立直後の4月に大阪からの観光客の初注文で積み木を3セット作ったのだが、細かな繰り返し作業で当分作りたくないとつい(本音を)書いてしまったが、それを読んだ昔の同僚3人からほぼ時を同じくして4セットの注文をいただいた。 連休明けには出来るとか言いながら5月も過ぎてしまい、6月半ばにようやく完成して引き渡しが終了した。 いずれもお孫さん向けのおじいちゃんからのプレゼント用である。 もっともそのうちの一人は、初孫誕生が来年なので今回の分は別の注文に当ててしまった。

今回からS/M/Lサイズ3通りのメニューとして見た。箱はあられ組のほぞで組み、いろいろな積み木が2段に納められている。材木屋から仕入れたホワイトオークと国内材のナラの荒材の厚さをそろえて、3cm基尺で切り出し、丸棒は角棒から旋盤で削り出したもの。幼児の遊び道具なので当然ながら角をとって紙やすりでバリも取り除き、高圧エアで木の粉を払い無塗装で仕上げている。

積み木201606A

木工家具展@名古屋

名古屋中心部の複数会場で分散開催中の「木工家ウィークNAGOYA」という家具展に来ている。 今年で8回目らしいが、多分4-5回は来たかと思う。 メイン会場だけでも40人展として40人もの個人木工家が一堂に会する大規模な家具展で、2日間では全会場を見て回るのも困難なほどである。著名な大家から新進若手作家まで、或いは伝統的家具から冒険的先進家具さらには木製ロボットまで幅広い。 家具界を学問面からリードして来た元教授や超ベテランの家具作家達が、ボランティアで手作り家具の後進をそだてようと活動されている姿を目の当たりにして、いささか感動した。 土曜夜のフォーラムに参加して禅と整体にヒントを得たという椅子作り名人の講演は実に面白かった。若い人たちも含めて手作り家具の分野でこんなに大勢の人達が頑張っているのは、日本が世界で一番だという話も納得出来る気がした。何回も来て顔見知りになったり、facebook の友達にしていただいた木工家も。 年齢的には、後進を支援する範疇になる気もするが、開業2ヶ月では、その後進のまだ背後でもがいているのが現実である。

木工家ウィーク NAGOYA