地産地消で孫のベッド

一昨年の台風で近江八幡の里山に生えていた檜が根ごと倒れた。島学区に住む高校時代の同級生Y氏がその檜を使わないかと声を掛けてくれて、彼の誘いでその裏山の檜を切って運び出してから既に1年近くになる。チェーンソーで切らせてもらったり、彼が予め切っていた板材も大量に頂戴したのだが、その時のいきさつは先のブログに書いたとおりである。

彼が使う巨大まな板などに少し使っただけで乾燥が進むのを待っていたのだが、コロナ禍のなか木工教室もしばらく休むことになり時間も出来たのを機に市内に住む小学生の孫用のベッド製作を始めたのである。もっともベッドを息子夫婦から依頼されたのはもう何年も前である。

チェーンソーで板状や半丸太状に切った檜は、製材所の帯鋸で平らにした板と違って平らに板にするまでが何しろ大変。工房にある細刃の帯鋸(バンド・ソー)は、通常の板を切るには何の不足もないが面が平らでないチェーンソー材から平板に切るのはすこぶる大変であった。

木の体積の半分近くがおが屑になったのではないかというぐらい切って切って鉋盤で削って削って、何とか平らな板を作り上げては、ヘッド部材に少しずつ加工していった。

管理されて枝打ちされた檜ではないので至る所節だらけで、目立つところは節を避け、乾燥割れを取り除き、板を貼り合わせたりして、何とかヘッドボードとフットボードは、節無しで出来上がり。

この両ボードをつなぐ部材は長さ2mほどの丈夫な厚板が必要(マットレスが乗りひとの体重も丸々掛かる)なのだが、大きな節を避けての2mの厚材はどうしても取れなかった。大きな節があるとそこで木が曲がったり(後日曲がってくる可能性も高い)節がポロリと抜けて強度的に持たなくなる可能性もある。仕方ないのでこの長尺材だけは、製材したナラを使った。

という訳で本体がほぼ完成。

ここにスノコ状のマットレス受けを取り付ければいいわけである。スノコにする材も結構な枚数が要るので節を避けてはとても出来ない。そもそもマットレスを置けば見えなくなる部材なので気にせず節材も大切に使わせてもらう。

この写真は、板を並べて置いてみた状態。完成までもう一歩なので、完成イベントはベッドの持ち主一家に手伝ってもらわねばならない。ということでスノコのネジ止め作業は息子一家に委ねて遂に完成。

このベッドの設計、無論私ではあるのだが持ち主の樹君(小4)の意見を大きく取り入れている。ヘッドボードには、半分は本棚を、残り半分はトミカの棚を作ってほしいという厳命が下りていた。なので最後にトミカの棚を取り付けたのでありました。

下が、彼の部屋に運び込んでマットレスも載せて本当に完成したの図。

トミカの陳列も無事なされたのでした。

これまで親と一緒に寝ていた彼は、ベッドが出来てもすぐには自分の部屋で寝なかったらしいのだが、1週間ほど経って遂に檜の香りに包まれて一人寝出来るようになったと聞いております。よかったよかった。これから何歳になるまで使ってくれるかなぁ? 大人サイズなので、一応一生ものと思ったりもするのだが(なのでトミカの棚は取り外し可能にしてある)、むろんそれを見届けることは爺ちゃんには出来ない。

 

「地産地消で孫のベッド」への2件のフィードバック

  1. 素晴らしいの一言!
    もう立派なプロだから、当たり前か、、、
    失礼!

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