工房小ネタ:バンドソー刃のたたみ

工房がらみの小ネタを幾つか披露したい。

最初は、バンドソー(帯鋸ですね)のブレード(刃です)について最近ビックリしたこと。工房のバンドソーのブレードは、長さが1周で125インチ(=3175mm)もあるので保管や輸送時は3つのループを作るように折りたたみます(折りたたむには少しコツが要りますが、ネットで動画がすぐに見つかります)。ブレードをネットで注文すると大体40cm角ぐらいの薄い箱に入って送られて来て箱を開けると35cmぐらいの直径の3重に折りたたんだブレードが入ってる訳です。

私のバンドソーは、Lagunaという会社のもので(製造はアジア製に間違いないけど)これまでその会社の米国通販で数年に1度ぐらいまとめて買ってました。ところが、先月在庫が無くなりかけて来たのでその会社のホームページを見たら直販ページがなくなってる! 別の米国の木工用品の会社にはありますが送料含めれば倍以上の値段になるので断念して日本で探して先日無事に調達出来ました。やはり3重に束ねた箱で届きました。

ついでにいろいろ探したところ中国の通販でも売っていることが分かったので(当然かなり安い)初めて注文したところしばらくして届いた箱が20cm角ぐらいしかありません。ありゃ、これは寸法を間違えて送って来たんだとがっくりして開梱したら何と5重に折りたたんだブレードが入ってました。ええっ~、5重に折りたためるんだとビックリして目からウロコが数枚剥がれ落ちました。

日本で調達したのと同じ幅広(19mm)のブレードも注文していたのが本日届きました。今度は箱が15cm角ぐらいです。今度こそダメだとがっくりして箱を開けたら何と7重に折りたたんだブレードが入ってました。目からウロコが今度は10枚ぐらい剥がれ落ちました。

あまりにも驚いたので記念撮影。

全体をぐるりと取り巻いているのが1周3175mmの折りたたんでいないブレード。左上がこれまで買っていたブレードの箱、デカいですがこれが刃の幅ごとに違う箱に入ってアメリカから届いてました。その下が3重に折りたたんだブレード。真ん中は同じサイズだけど(幅はちがいますが)5重に折りたたんでコンパクトになったもの。右端のが今回ウロコを剥がしてくれた7重巻きのもの。箱の大きさが半分以下です。

折りたたんだブレードは、ハガネ製で凄く弾性があるので折りたたんだ状態で結束バンドで勝手にほどけないように固定されてます。7重に折りたたんだのはいかにも窮屈そうなので3重にして保管しておこうと結束バンドを切りました。2本目の結束バンドを切ったその瞬間にバネが伸びるかのように(まあバネみたいなものですが)7重の折りたたみがとけて1重のブレードになりました。中国から来るブレードは、刃の側にブラスチックのカバーで囲ってあるので怪我せずに済みました。

因みに5重に折りたたむのは、3重に折りたたむのを2回やればいいに違いないとやってみたら出来ましたね。7重は怪我しそうなのでやりません。

で、今日の教訓。この7重に折りたたんだ工夫と刃をむき出しにせずカバーをしてある点など、中国の技術や工夫凄いな、と感心した次第。昔は安かろう悪かろうとか、コピー商品だとか言われていたけど(その要素はまだ否定出来ないけど)気が付いたら先頭走ってる感がする。肝心の切れ味は、まだ試してないので何とも言えないけど、1本のブレードに刃のピッチを2種類混在させていたりするので(ピッチが荒いと切れ味がよくて、細かいと切断面が滑らかと言われてます)、きっと切れるに違いない、という予感。値段も随分安いので競争相手は大変だなあ。

私も現役時代電子部品業界で、韓国・台湾・そして中国と競争に明け暮れて散々苦労したことを思い出しました、とさ。